福岡県議団バナー
トップページにもどる

森林整備はどうあるべきか

投稿: 2017年11月14日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

九州北部豪雨災害では、大量の土砂と流木によって被害が拡大したことから、森林整備について特に関心が高まっています。そんな時だけに、森林環境税の継続を歓迎する関係者の声も聞きました。森林整備はどうあるべきか、その財源はどうあるべきか、考えたいと思います。

県民税均等割に500円上乗せの「福岡県森林環境税」

福岡県の「森林環境税」は、民間の荒廃森林の整備のため、10年前に導入されました。所得の如何にかかわらず県民税均等割1000円に500円上乗せする形で徴収します。均等割のみの世帯では1.5倍の負担です。1年に500円ですが、震災復興税も500円加算されており、年金や実質賃金が減り続け、国保や介護保険料などの負担が増える中で、低所得者にさらに負担をもたらすものとなっています。県民負担で年間13億円の収入となり、10年間続けてきましたから、130億の県予算になったわけです。

9月議会では、この「森林環境税」を5年間延長するという条例案が提出され、日本共産党は、低所得者を含む県民に負担を強いることは適切ではないと反対しました。(日本共産党を除く賛成多数で可決成立)

大切な森林であればこそ、県民負担でなく、国・県が予算措置を

森林は、木材の供給源であるとともに、中山間地の維持と国土の保全や水源の涵養など、公益的機能を有し、そこで営まれている林業は、地域社会を支える重要な産業であることは言うまでもありません。

しかし、輸入自由化による木材価格の低迷、中山間地域の高齢化や担い手不足などを背景に森林の荒廃が進んでいます。森林の保全と林業の振興には国の役割が決定的に重要です。ところが、国の「森林整備予算」は、2007年度の1704億円から2017年度の1203億円へと、この10年間で501億円も削減されています。必要なことは、森林整備と林業対策において、国の責務を明らかにし、国内林業の保護と国土保全を国の林業政策の根幹に位置づけ、抜本的な対策を講じることではないでしょうか。

森林予算推移

日本共産党は、国民に広く負担を求めるのではなく、二酸化炭素排出量に応じた負担となっている既存の「地球温暖化対策税」の拡充を図ることで財源を確保することを求めています。その「使途」として森林吸収源対策を位置づけることによって、地球温暖化対策とともに必要な財源の確保につなげるよう提案しています。

福岡県で今後約3万ヘクタールの森林が新たな荒廃がすすむ

林野庁による九州北部豪雨災害の現地調査の結果では、「記録的な豪雨による特定の箇所に集中した雨水が要因となり、森林の有する土砂崩壊防止機能や土砂流出防止機能の限界を超え、山腹崩壊等が発生した」とされています。

確かに、この地域は県内では比較的森林整備が行われている地域でもありますが、記録的集中豪雨によって根っこからもろともに流木となりました。一方、国策による杉・ヒノキの植樹、価格低迷による手入れ不足などが被害を大きくしたのではないか、との声も聞かれます。

9月決算議会において、山口律子県議が、森林対策について質問しました。この10年間、森林環境税は荒廃森林の整備のために使われてきたわけですが、その整備状況、今後の見通しについて、今泉正彦林業振興課長は、「森林環境税を導入した平成20年度以降も、木材価格の下落が続くなど、林業を取り巻く情勢が厳しさを増していることから、間伐などの手入れがなされず放置されれば、今後約3万ヘクタールの森林で、新たに荒廃がすすむことを懸念している」との認識を示しました。

国の木材自給率目標50%に見合う対策を

国は2001年の「森林・林業基本法」に基づき、「森林・林業基本計画」を5年ごとに見直しています。2016年の基本計画では、2025年の木材供給量4千万立メートルを目標に掲げ、木材自給率は50%になると見込んでいます。木材自給率は、2002年の19%を底に徐々に回復し、2016年には35%まで上がってきており、福岡県における県産材シェアも2014年以降上昇しています。

木材自給率.png

今泉課長は、「平成26年度から、主伐による県産材供給力強化に取り組んでいる。具体的には、主伐を行う事業者に対し、搬出経費の一部を助成。さらに、主伐現場を管理する人材の育成にも取り組んでいる。需要拡大については県有施設の木造・木質化やモデル的な木造建築物の表彰、県産材を使用した家具を売り込むための商談会への出店支援など販路開拓にも取り組んでいる」とその取り組みを紹介しました。

しかし、これらの取り組みが十分でないことは、荒廃森林が増えると予測されていることからも明らかです。2001年の日本学術会議で示された森林の公益的機能の貨幣評価額は、多面的機能の一部にすぎませんが、70兆円との試算がされています。これに対し、2017年度の国の森林整備予算はわずかに0.2%にすぎません。

私たちは、森林から水源涵養や土砂災害防止、地球温暖化防止など、国民生活に欠かすことのできない恩恵を受けているわけですから、国の責務として必要な予算を確保し、県としても、森林環境税に頼るのでなく、一般会計の予算を抜本的に増やして、森林整備、人材育成などの森林対策を充実すべきです。

県としては、今後、人口林を経営が成り立つものと経営が困難なものとに分け、経営が成り立つ人工林では複数の所有者の森林を取りまとめ、路網整備や間伐等の作業を一体的に実施するとともに、森林組合等による経営受託の促進などにより森林資源の循環利用を推進し、経営が困難な人工林では、森林のもつ多面的機能の発揮に向けて健全な森林づくりを推進するとしています。推移を見守り、森林対策の充実を求めて頑張ります。

掲載した資料をPDFファイルで読む

9月議会での一般質問と答弁

投稿: 2017年09月22日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

  • 質問 高瀬菜穂子(日本共産党)
  • 答弁 服部誠太郎(副知事・知事職務代理者)

北朝鮮問題の対応について

日本共産党の高瀬菜穂子です。通告に従い、一般質問を行います。

まず、北朝鮮問題です。北朝鮮は、国際社会が強く自制をもとめているもとで、弾道ミサイル発射と核実験を強行しました。この暴挙に、満身の怒りをこめて抗議を表明するものです。現在の最大の危険は、米朝間で軍事衝突が起こる潜在的な可能性が存在していることです。マティス米国防長官は、軍事衝突が起これば「信じられない規模での悲劇が起きる」と証言しています。喫緊の課題は、「誤算」や「偶発的な事態」による軍事衝突を回避すること、絶対に戦争にしないことです。そのためには米朝間の直接対話が不可欠です。

ところが、安倍首相は「対話否定論」を繰り返し、20日の国連演説でも「必要なのは対話ではない。圧力だ。」と対話による解決を全面否定しました。しかし、各国政府は、安倍首相が否定する「対話」の実現を真剣に模索しています。国連安保理決議でも、制裁と合わせて「緊張を緩和する努力」「対話を通じた平和的解決」を加盟国に呼びかけています。ドイツやフランスなども「対話による平和的解決しかない」と主張しており、安倍首相の発言は北朝鮮への挑発とも取られかねない突出した異常なものです。朝鮮半島に最も近い、アジアの玄関口を標榜する本県知事として、安倍首相に対し、米朝の直接対話を促す外交を行うよう、強く求めるべきではありませんか。国民の生命と財産を守る立場からの知事職務代理者の真摯な答弁を求めます。

答弁―北朝鮮問題の対応について(

北朝鮮問題への対応は、我が国の外交と安全保障に関わる最たる問題であり、これまでの経緯も踏まえ、国において、対応されるべきものであると考えております。

核兵器禁止条約について

次に、核兵器禁止条約について伺います。

人類史上初めて、核兵器を禁止する条約が7月7日、国連加盟国の3分の2、122か国の賛成で採択され、9月20日から署名が始まりました。核兵器禁止条約は、その前文に「ヒバクシャの苦難を心に留める」と盛り込み、核兵器の開発、保有、実験、使用だけでなく、威嚇行為も禁じている画期的なもので、核保有国が条約に参加する道もつくられています。

速やかな核兵器廃絶を願い、核兵器禁止条約を結ぶことを全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」には、16の知事を含む日本の865自治体の首長が賛同署名し、世界の7439都市が加盟する平和首長会議も、核兵器禁止条約の締結を求め取り組みを進めています。今年の「長崎平和宣言」にあるとおり、安全保障上、核兵器が必要だと言い続ける限り、核の脅威はなくなりません。政府には、核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、自ら明言したとおり核兵器を持つ国々と持たない国々との橋渡し役を務めることが求められます。この条約を批准してこそ、北朝鮮の核開発に対しても道理と大義で厳しく対峙できるのではないでしょうか。

そこで、知事職務代理者に伺います。核兵器禁止条約そのものについての見解を明らかにしてください。この条約の早期発効に向け、日本政府は条約を批准し、世界に向けて積極的な働きかけを行うよう求めるべきだと考えます。見解を伺います。また、広島、長崎に次いで被爆者数の多い本県知事として「ヒバクシャ国際署名」に自ら署名し、世界に向けて核廃絶を訴えるべきと考えます。知事職務代理者のご所見を伺います。

答弁―核兵器近似条約について

我が国は世界で唯一の被爆国であり、核兵器のない平和な世界の実現が望まれております。

一方、条約の締結は、外交政策に関する国の専管事項に属するものであり、政府が責任をもって取り組む課題であると考えております。

被災者支援と災害基金の創設について

次に、甚大な被害を出した九州北部豪雨災害についてです。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表明するとともに、被災者にお見舞いを申し上げます。また、被災自治体とともに取り組みを進めてこられました関係各課の職員の皆さんにも敬意を表します。日本共産党としても、発災直後から被災地を視察し、被災者の声をお聞きし、県行政につなぐとともに政府にも直接交渉してまいりました。また、独自にボランティアセンターを設置し、住家や農業用ハウスの泥かき、被災者からの聞き取りなどに取り組んでいます。一刻も早く生活と生業を取り戻し、コミュニティを再建する、そのために日本共産党としても全力を挙げる決意です。その立場から、2点についてお尋ねします。

第一は、住家の問題です。被災者生活再建支援法の拡充については、すでにその方向で政府に要求しているとの答弁がありました。わが党は、かねてより支援金を少なくとも500万円に引き上げるよう国会で繰り返し求めてきました。被災自治体として、国に対し、実態を踏まえ、強力に支援制度の拡充を求めていただくことを強く要望します。

半壊世帯の公費解体問題についても代表質問で取り上げられましたが、この問題は、地域の復興に不可欠であり、公費解体でない場合、朝倉市・東峰村に多大な費用負担となる重大問題であるため、改めて県の姿勢を質したいと思います。 被災者生活再建支援法においては、半壊で解体の必要な家屋については全壊と同様の取り扱いとなっており、最高300万円の支給があります。ところが、災害等廃棄物処理事業補助金制度においては、解体費補助は全壊のみであり、住むことができず解体しなければならない半壊について補助の対象とならず、阪神・淡路、東北、熊本にのみ例外として適用しました。支援法に廃棄物処理事業補助金制度が追いついていません。これまで、さまざまな災害支援事業は、災害のたびに見直され拡充されてきました。先日この問題を国会で取り上げたわが党の田村貴昭衆議院議員に対し、環境省とかしき副大臣は、「全壊であれ半壊であれ、被害を受けたのは同じことでございますので、そういった状況の中でも、元の生活に戻れるようにスピード感を持って対応していきたい」と答えています。それならば、法の解釈を変えて、住めない家は全壊と同様の対応を行うべきです。解釈の変更を国に強く求めるべきだと考えますが、知事職務代理者の見解をお示しください。

第二は、福岡県独自の災害基金の創設についてです。今回の災害に際して、本県でも、農機具に対する補助や小石原の共同窯など独自支援を打ち出しています。また、県内で支援法が適用された際に適用外となった市町村の被災者に支援法相当の県独自の支援金制度を持っています。しかし、その規模は限定的であるといわざるをえません。

新潟県では、中越地震の際に国の支援により3000億円の基金を設置し、その利子収入を柔軟に使って、被災者支援を行っています。当初事業メニューを募集し1781件の応募の中から6分野30メニューを設定、さまざまな貸付制度に対する利子補給をはじめ、生活支援相談員設置補助、応急仮設住宅維持管理補助、事業所解体撤去補助、雇用維持奨励金補助などなど、国の制度では手の届かないきめ細かな支援で、商店街や事業所を含め被災者と被災地域を支援しました。新潟県では、10年後にこれら事業の検証を行っていますが、たとえば、被災畜産農家106戸のうち96戸が事業再開、被害総額780 億円の商工業分野でも、商店街では2か月半でほぼ再開、1年半後には営業未開催ゼロに、工業関係の対象217社が1年後にはすべて操業再開など、大きな成果をあげています。

5年前の豪雨災害の際、JA八女は、独自に1億円の基金を作り、農家の自己負担軽減のために使ったとおっしゃっていました。本県でも、いつ起こるかわからない災害に備えて、柔軟に被災者や被災自治体を支援するための何らかの形の基金の創設について検討すべきではないでしょうか。知事職務代理者の見解を伺います。

答弁―被災者支援と災害基金の創設について

半壊家屋の公費解体について

半壊家屋については、原則として、国の災害等廃棄物処理事業の補助対象となっておりません。

しかしながら、阪神・淡路、東日本、熊本の震災においては、半壊家屋の被害が極めて多く、半壊家屋の解体・撤去の遅れが被災地の復旧・復興の大幅な遅れにつながるおそれがあったことから、特例的に補助対象とされたところでございます。

今回の豪雨災害においては。9月21日時点で、半壊家屋が824件と多数に上り、半壊家屋の解体・撤去の遅れは、被災地の復旧・復興の大きな支障となるものと考えております。

 また、解体・撤去に要する費用は、被災者にとっても大きな負担であります。このため、朝倉市、東峰村は、半壊家屋の解体・撤去も公費補助の対象とするよう求めております。

こうしたことを踏まえ、県は、県議会とともに、国に対して熊本地震等と同様に半壊家屋の解体・撤去を国の補助の対象にするよう、7月27日に山本前環境大臣に、8月28日には中川環境大臣に、直接要請するなど、強く働きかけを行っているところであります。

今後とも、あらゆる機会をとらえて国への要望を継続してまいります。

災害に備えた基金の創設について

本県では、災害に備えて、災害救助法に基づき、災害救助基金を設置し、避難所の設置や応急仮設住宅の供与など応急的に必要な救助の費用に充てております。

また、大規模な災害などに備えて財政調整基金を設置しており、柔軟な被災者への支援など災害への復旧・復興に係る支援策において、財源不足が生じた場合には、これを活用してまいります。

アダルトビデオ出演強要問題の被害者救済と対策について

次に、アダルトビデオ出演強要問題について伺います。

「モデルにならないか、とスカウトされ契約書にサインし、いざ撮影となって現場に行ってみたら、AVだった。嫌だと訴えても、契約不履行で違約金がかかるぞ、親にばらすぞ、と脅され、仕方なく撮影に応じると、以後、次々に撮影を強要される」このような性暴力の実態が明らかとなり、自殺者も出る中、内閣府男女共同参画局は、インターネットによる実態調査を行い、深刻な実態が浮き彫りになりました。内閣府、警察庁など関係省庁が通知も発出するなど、政府を上げて相談体制の確立と対策に取り組み始めています。

2015年9月に、AVに出演を強要されていた女性が出演を拒否し、契約不履行としてプロダクションに訴えられていた裁判で、損害賠償の必要はないとする画期的な判決が出されました。これ以降、民間の相談機関である「ポルノ被害と性暴力を考える会(略称 PAPS)」やNPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」などに寄せられる相談は急激に増えています。これら機関に寄せられる相談は、全国各地からで、本県からも十数件に上る相談があったとお聞きしました。

裁判に訴えられた女性は、繁華街でタレントにならないかと勧誘され、わいせつな行為をするとは想定しないまま営業委託契約書に署名捺印をしました。当時は高校生で保護者の同意もなく、契約書のコピーも本人には渡されませんでした。契約書を盾に最初からわいせつな仕事をさせられ、プロダクションの一存でAV撮影も強行され、女性はやりたくないと懇願したけれども違約金が生じると脅され、やむなく応じざるをえなかった。撮影の1日目には数名の男性によって性行為を繰り返しされ、そのショックで放心状態のときに、新たなAV契約に署名捺印させられたそうです。もうやめてと何度も懇願したけれども聞き入れてもらえず、出演しなければ1千万円の違約金を払えと脅されました。この女性は自力でPAPSにたどり着き、相談し、先の裁判となったものです。しかし、相談にこられる方は氷山の一角で、相談せず、苦しみ続けている人が多くいるのではないでしょうか。

性暴力は魂の殺人といわれます。明らかな性暴力、強姦を行った上、それを撮影され、契約書を盾に違約金を迫られ、自己責任だと思わされる、こんな二重三重の人権侵害が若年層に対して行われていることに怒りを禁じえません。そこで、福岡県でこうした被害をなくし、相談体制を確立していただきたいという立場から、以下質問をします。

まず、アダルトビデオ出演強要について、本県の相談窓口に寄せられた件数を明らかにしてください。内閣府の通知も受け、本県においてどのような対策が講じられているか、合わせてお答えください。

また、警察庁からも3月にアダルトビデオ出演強要問題に関する通達が出されています。これを受けた警察の対応と、警察に寄せられた相談件数をお答えください。被害者が警察に行った際、「契約書があるのなら仕方がない」と言われたり、「何で断らなかったのか、逃げなかったのか」といわれ、さらに傷つけられるという例があったと聞きます。深刻な被害の実態があることを踏まえ、被害者の立場にたって実態を聞くこと、証拠がなく違法性が立証できない場合でも、民間の相談機関につなぐなどの丁寧な対応が求められると思います。警察本部長の答弁を求めます。

文部科学省からも4月に事務連絡として「いわゆるアダルトビデオの出演強要問題・「JKビジネス」問題に関する周知について」が出されています。新入生に対する注意喚起、関係機関の相談窓口の周知など未然防止と被害を受けてしまった場合の回復のための取り組みを依頼しています。これを受けて、どのような取り組みがなされたのか、教育長にお尋ねします。私立学校については、知事職務代理者に答弁を求めます。

この問題を含む、性暴力やセクハラ問題の解決のためには、性暴力が人権侵害だという認識を持つことが大切であり、性教育こそが性暴力を防ぐ最大の費用対効果を発揮するとの指摘もあります。自己決定のスキルをはぐくむセクシュアリティ教育が国際的に取り組まれていますが、本県の性に関する指導はどのように取り組まれていますか。教育長にお尋ねします。また、契約や労働者の権利について知識がないことも問題を深刻にしており、労働者の権利教育も重要です。この取り組みについて、合わせて教育長の答弁を求めます。

この問題の解決のためには、アダルトビデオ業者等による個人の意に反した勧誘、雇用、制作、販売、配信等による性的被害を防止するための罰則付きの総合的な法整備が必要であると考えます。国に対して、法整備を求めるとともに、東京都が「JKビジネス」を規制する条例を作り、本年7月実施で防止に乗り出したように、本県としても条例制定によって、性的被害を防止する対策を行うべきだと考えます。知事職務代理者の見解をお聞きします。

最後に、犯罪的に撮影された女性の写真が掲載された成人向け雑誌が、コンビニで子どもの目線に触れる所に陳列されています。青少年の健全育成の観点から、雑誌に帯をつけるなど表紙が子どもたちの目に触れなくなる対策をとるよう、業界に要請していただきたいと考えますが、知事職務代理者の答弁を求めます。PAPSなどに来られる方には、「来週、写真が載った雑誌が販売される。何とか止めてほしい」という切羽詰まった相談が少なくなく、「コンビニ発売から地獄が始まる」とも言われており、被害者保護の観点からも有効と考えます。この取り組みを進めていただくことを強く求め、質問を終わります。

答弁―アダルトビデオ出演強要問題の被害者救済と対策について

アダルトビデオ出演強要問題に関する本県の現状とその対策について

近年、大都市圏を中心に、若年層の女性がアダルトビデオに出演するという認識がないままプロダクションと契約を締結し、その後、本人の意に反してアダルトビデオに出演を強要されるなどのケースが明らかになっております。

本県ではこれまで、県内の相談窓口に1件の相談が寄せられております。

県としては、内閣府からの通知を受け、市町村と関係機関に対し県民への被害防止のための注意喚起と相談窓口の周知徹底を行うことを呼びかけております。

あわせて、担当窓口の相談員に対し行う、女性相談のスキルアップ研修において、丁寧な相談対応と関係機関への適切な橋渡しを行うよう指導しております。

また、特に若年の女性を中心として、この問題に関する注意喚起と相談できる窓口をお知らせするために、大学・短大や女性団体などに対し県の男女共同参画センターが発行する「あすばる定期便」を1万部配布するなどの啓発を行っております。

アダルトビデオ出演強要問題等に係る私立学校に対する取組みについて

県では、文部科学省からの通知を受け、平成29年4月、県内私立学校に対し、新入生の入学ガイダンスなどの機会をとらえ、十分に注意喚起を行うなど、必要な指導を行うよう依頼したところでございます。

また相談窓口などの情報をまとめた資料の活用についても周知したところでございます。

コンビニエンスストアにおける成人向け雑誌に対する取組みについて

県では、福岡県青少年健全育成条例に基づくコンビニエンスストアへの立入調査を行う際に、成人向け雑誌の表紙が見えないようにする方法を示した冊子を配布しながら、各店舗への協力を依頼しております。

また、コンビニエンスストアが加盟する日本フランチャイズチェーン協会に対して、業界として成人向け雑誌の表紙が見えないような陳列に取り組むよう働きかけております。

県としては、引き続き、業界団体の協力を得ながら、青少年を取り巻く環境の浄化を進めてまいります。

9月議会はじまる

投稿: 2017年09月12日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

sokuho201709.png

9月定例会が9月11日に開会しました。会期は10月31日までの33日間です。

今回上程されたのは、予算案1件、「森林環境税の徴収期間5年間継続」「非常勤職員の育児休業の期間改定」など条例議案8件、契約案件4件、経費負担議案6件、人事案件1件の20議案です。

補正予算案の中心は、7月の九州北部豪雨からの復旧・復興対策費で、補正の災害対策費としては過去最大の634億円が計上されました。

内訳は以下の通りです。

  • 被災道路・河川の復旧に448億円
  • 治山ダムなど災害再発防止に136億円
  • 仮設住宅100戸やみなし仮設経費に11億円

その他新規事業では、被災地への旅行・宿泊料金を割り引く「ふくおか応援割」、農林漁業支援のボランティア団体支援費、小石原焼の共同窯設置支援等となっています。

一般質問(9月22日午後予定)

高瀬が担当します。

  • 「北朝鮮問題」で米朝の直接対話を促す外交を求めよ
  • 核兵器禁止条約の批准を求めよ
  • 災害基金の創設を
  • AV強要、被害者救済と対策を

決算特別委員会

山口律子議員が担当します。

  • 10月2日(総務費)県地域防災計画について
  • 10月3日(保健費)国保の都道府県化、医療費の適正化計画
  • 10月4日(農水費)森林対策、森林環境税について
  • 10月5日(商工費)被災商工業者の支援について
  • 10月6日(教育費)通級指導教室について
  • 10月10日(総括質疑)河川、道路の災害復旧問題について

県議会2月予算議会

投稿: 2017年05月23日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

新年度予算 1兆7209億円(実質過去最高)県債残高3兆5千億円

2月予算議会が終わりました。2017年度一般会計予算は1兆7209億円で、実質史上最高です。今年度から政令市の教職員給与費が移管されますので、これを差し引くと、昨年比で実質1.3%増、県政史上最高の予算額を更新しました。県債(借金)も3兆5000億円と増え続け、史上最高の額です。

水あまりの中、無駄で巨大なダム建設はほぼ完成に近づきました。次は、筑後川からダムに水をポンプアップし、水量が減ったときに、また筑後川に戻す「ダム群連携事業」に着手する予定です。2000億円もかかる下関北九州道路にも360万円の調査費がつきました。福岡空港の滑走路複線化、工業団地造成など、相変わらずの大型開発が目白押しです。

放課後児童クラブの利用料補助制度(低所得者対象)を創設

くらしの予算が抑えられる中、放課後児童クラブ(学童保育クラブ)の低所得者補助制度ができたことは、大きな喜びです。放課後児童クラブの利用料が高いため、行かせたくても行かせられないという家庭があります。

ひとり親や、生活保護家庭で親が働いていない場合など、本来はもっとも活用してほしい子どもが、経済的な事情で通えない状況を改善してほしいと、常任委員会で取り上げ、その点では県と認識が一致しました。その後、山口律子議員が昨年6月議会一般質問で、補助制度をつくることを国・県に求め、さらに9月議会では、沖縄の貧困対策を紹介し、市町村事業に県が助成するよう求めていました。

今回の制度は、市町村が補助制度をつくった場合に、その半額を県が助成する(上限5000円で県はその半額)というものです。多くの市町村で制度ができ、活用されますように。さらに充実ができるようがんばります。

県立嘉穂高等学校定時制の募集停止 その後

12月議会で取り上げた嘉穂高校定時制の募集停止問題で、情報公開請求により、教育長の「ていねいに説明してきた」との答弁に根拠がない疑いで出てきました。地元の教育長への説明にわずか5分、10分です。

「定時制の充実のため」との説明も空文句。このような学校つぶしは許せません。文科省は、各県に1校以上の夜間中学をつくる方針を出しました。新たに学習権保障の場が注目される中、夜間定時制高校は廃止ではなく、充実こそ求められます。このことを予算特別委員会で取り上げ、厳しく追及しました。

12月定例会が始まりました

投稿: 2016年12月04日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

福岡県議会12月定例会が1日開会しました。上程された議案は、補正予算など予算議案2件、条例15件、専決処分1件、工事請負契約9件、その他7件の計34件です。

12月9日に一般質問を行う予定です。テーマは「教員不足問題、高校定時制廃止・夜間中学問題等について」です。

知事提案の概要

  • 補正予算の総額は342億500万円余、うち防災・地方創生・子育て支援等の経済対策が311億円余を占め、その大半が国の補正予算の具体化です。
    河川護岸の整備に約50億円(44箇所)、急傾斜地対策約6億円(23箇所)、緊急輸送道路整備約32億円(47箇所)、橋梁老朽化対策6億円(21箇所)、ため池補修10億円(20箇所)、クリーク整備10億円(6箇所)、地滑り対策4億円(2箇所)、私立学校耐震化促進3億5千万円余(7棟)など、防災・減災対応が中心です。

  • 地方創生関連では、西鉄大牟田線の連続立体交差化事業の加速化(前倒し)に約17億円、筑後広域公園の体験エリア整備に6億円、園芸農業収益力強化(低コスト耐候性ハウス整備補助金等)に18億円余、中山間地農業所得向上(所得向上計画策定、水利施設整備)などに約2億円、製材業の生産力強化に2億4千万円等が計上されています。

  • 子育て支援、福祉の充実関連では、保育士の就職支援に10億円余が計上されました(新規事業)。
    保育士養成学校の学生に対する授業料・就職準備金を貸し付ける制度ですが、卒業後、保育士として5年間勤務すれば返済不要となります。潜在保育士に対して2年就業で返済不要となる就職準備金貸付制度(上限40万円)の予算も含まれます。

  • 福祉関連では、障がい者施設等の防犯カメラ設置の助成、特別支援学校のトイレ・外壁回収費など19億円余が計上されました。
    このほか県事務処理特例条例の改定で旅券(パスポート)発行事務を、豊前市で実施可能にすることを提案しました。

画像をクリックするとpdfファイルが表示されます。

県議団速報201612.png

9月定例会と決算特別委員会報告

投稿: 2016年12月04日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

9月定例会と決算特別委員会の報告です。

画像をクリックするとpdfファイルが表示されます。

県議団ニュース201611.png

県議会6月定例会(予算議会)開会

投稿: 2016年06月08日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

県議団速報201606.png

県議会6月定例会(予算議会)が6日、開会しました。参院選直前のため補正予算案提出が見送られ、議案は、条例議案7件、専決処分1件、契約議案9件、財産取得1件、人事案2件が上程されました。なお、会期は6月21日(火)まで15日間の予定です。請願の締め切りは6月14日の正午です。

一般質問

  • たかせ菜穂子 6月14日(火)日時未定
    • 下関北九州道路について
      (小倉東断層との関連も追及します)
    • 臨時教職員の産休・育休取得について
  • 山口りつこ 6月15日(水)日時未定
    • 福岡県地域防災計画について
      (応急判定員の大量養成などを求めます。)
    • 放課後児童クラブについて

熊本地震 被災地支援の概要を報告

小川知事は所信表明(議案説明)で熊本地震について発生直後から救命・救助等応急支援活動にあたるとともに、被災地・被災者のニーズに的確に応えるため『支援特命チーム』を設置し、人的・物的支援、被災者の受入れなどを機動的に行ってきたと強調。人的支援については県警や市町村職員を含め延べ1万7000人を超える人員を派遣したと述べました。

また、被災者受入れについては300世帯以上を公営住宅で受入れたほか、精神疾患や透析の入院患者を県内病院に、障がい者・高齢者を社会福祉施設・旅館・ホテルに積極的に受け入れていると述べました。

今後の熊本・大分両県に対する支援については九州・山口各県と一体になって、できる限りの支援を行っていくと述べるにとどまりました。

被災者の経済的負担を軽減する新条例制定を提案

知事は国の動向も踏まえ、東日本大震災被災者に限定されていた「使用料・手数料の免除に関する条例」を廃止し、新たに、大規模災害の被災者に対する使用料及び手数料の免除等に関する条例」制定を提案。被災者の福岡県立学校の入学料や、運転免許証再交付手数料などの免除をすすめると表明しました。

このほか、保育所・幼保連携型認定こども園の職員配置に関する特例条例、グリーンアジア国際戦略総合特区における不動産取得税の課税免除要件を見直す条例、久留米スポーツセンター・メインアリーナ棟改築工事契約変更等の議案が出されており、質疑等をつうじて厳しく精査していきます。

12月議会で山口りつ子議員が行った一般質問の大要です。


国にTPPの情報公開要求すること、TPPの影響調査を実施すること

まず、環太平洋連携協定に関する本県の対応についてお尋ねします。

政府は、大筋合意を受けた「TPP関連政策大綱」を決めました。今年度の補正予算や来年度予算編成に反映させるものの、具体的な対策は来年秋までに詰めるという方針です。秘密交渉で大幅に譲歩した大筋合意の全容を公開せず、政府が情報を独占したまま「対策」を打ち出すなどというのは、本末転倒です。

TPPは12カ国の交渉が大筋合意したといっても、まだ協定の全文すら確定せず、各国の署名や批准の見通しもはっきりしません。

わが国が大きな被害を受ける農業分野について、国会決議はコメなど重要5項目について関税の撤廃や引き下げを認めず、それができなければ交渉脱退も辞さないと明記しましたが、それがどう担保されたのかも不明です。 これらの検証を抜きに、「TPPの影響は限定的」だと宣伝されても信用できません。

JA福岡中央会は、本議会に提出した「要請書」において、農業の現場では将来への不安と『農産物の重要品目の聖域確保を求めた国会決議が守られておらず裏切りだ』と厳しい批判の声をあげました。知事は生産者の怒りを、どう受け止めておられるのでしょうか。

少なくとも「大筋合意」のすべての分野の情報公開を行い、本県農業や経済に与える影響の試算など、速やかな情報提供を政府に求めるべきだと考えます。あわせて北海道など多くの都道府県が実施・あるいは実施を検討している独自の影響調査や試算を本県も行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。

答弁―国にTPPの情報公開要求すること、TPPの影響調査を実施すること

  • 今回のTPP協定の大筋合意により、我が国は世界全体のGDPの4割近くを占める経済圏へ参加できることになる一方で、農林水産業については、一部影響が懸念されるところである。
  • こうしたことから県では、国に対し、大筋合意された内容について、農林水産業に与える影響への懸念も踏まえ、国民に十分丁寧な説明を行うよう要請してきたところである。
  • 交渉結果を踏まえた影響額試算については、国が年内を目途に試算を公表するとしており、その結果を踏まえ、県として、どのような対応が必要か検討する考えである。

子どもの貧困対策

連日のように報道されている「子どもの貧困」ですが、福岡県の就学援助率は22.62%と全国5番目に高く、子どもの貧困が最も深刻な県の一つだという指摘があります。

県は福祉、教育、労働、住宅など多分野にまたがる「子どもの貧困」に特化したワンストップ窓口として、複数の「相談所」を設置する構想をもっていると報道されましたが、歓迎すべき決断です。本県は、現状をどう捉え、どんな対策を講じようとされているのか、知事の見解をお聞かせください。

子どもの貧困対策を考えるとき、即効性のある施策は、学校教育法第19条、就学援助制度の充実です。昨年1月施行の『子どもの貧困対策の推進に関する法律』、8月の『子どもの貧困対策に関する大綱』でも、「就学援助の活用・充実」が強調されています。そこで三点、教育長に伺います。

第一は、文科省が今年10月6日に各都道府県教育長に発した「通知」の受け止めです。「通知」は「援助の必要な児童生徒の保護者に対し、もれなく就学援助が実施されるよう更に取り組みを充実していただく必要がある」と、市町村教育委員会に対する指導援助の強化を強く要請しています。政府は「大綱」で、就学援助制度の周知状況を公表していますが、本県の直近の状況と今後の取り組みを伺います。

第二は、生活保護基準の見直しに関する取り組みです。政府は平成25年8月から三年連続して保護基準を切り下げましたが、他の制度にできる限り影響が及ばないようにすることを基本的考え方としています。

本県も就学援助基準は生活保護の「一点何倍」の市町村が大半ですが、平成25年度から就学援助率が下がっています。文科省「通知」を市町村に単に送付するだけでなく、就学援助の活用充実をはかるという「大綱」の立場で周知徹底を強めるべきと考えますが、ご所見を伺います。

第三は、準要保護の就学援助の費目拡大についてです。準要保護の就学援助は要保護に準じるとしていますが、本県の場合、平成22年度から要保護児童生徒に支給されているPTA会費、クラブ会費、生徒会費を支給している市町村は7自治体しかありません。準要保護の就学援助の支給費目については少なくとも要保護児童生徒に準じて支給されるよう地方交付税で財源措置がされています。県教委は市町村に対し、費目拡大を働きかけて頂きたく、教育長に伺います。

答弁―子どもの貧困対策

  • 本県の子どもの貧困の現状は、生活保護や就学援助の受給率を勘案すると、貧困状態におかれている子どもたちの割合も全国以上になるものと認識している。
  • そのため、県では、今年度中に、子どもの貧困対策推進計画を策定し、教育、生活、保護者の就労、経済的支援など様々な関連分野の施策の充実を図るとともに、子どもの成長段階や家庭環境に応じた効果的な支援を行うため、県内数か所に、ワンストップの相談窓口を設置することについても、検討を進めているところである。
  • このような取り組みを通じて、関係部局一体となり、子どもの貧困改善を図っていく。

答弁―就学援助の周知

  • 本県において、平成26年度に就学援助制度の書類を入学時に学校で配布している市町村の割合は60.7%、毎年度の進級時に学校で配布している市町村の割合は57.4%にとどまっている。
  • 県教育委員会としては、市町村に対し、入学時や進級時に全ての児童生徒に申請書類を配布するほか、できるだけ多くの広報手段を通じて就学援助の周知徹底を図るよう指導を行っており、取組が十分でない市町村に対しては、更なる指導を行ってまいりたい。

答弁―生活保護基準の見直しに関する取り組み

  • 就学援助のうち、要保護児童生徒に対する援助について、国は生活保護基準の見直しに伴う影響ができる限り生じないよう対応するとしている。
  • 県教育委員会としては、市町村に対し、準要保護児童生徒に対する援助についても、国の方針を理解した上で適切に判断するよう要請してきたところであり、引き続き周知徹底に取り組んでいく

答弁―就学援助の支給費目拡大

  • 就学援助は学校教育法で市町村に実施が義務付けられているものであり、準要保護児童生徒に対する就学援助で、どのような費目を支給対象とするかは、それぞれの市町村が実態に応じて判断することとなっている。
  • そのため、県教育委員会として支給費目について市町村に指導を行うことは困難であるが、市町村が必要な就学援助を行えるよう、国に対して財政措置の充実を要望していきたい。

住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査と助成制度創設

知事は本県の景気は緩やかな回復傾向にあると説明されましたが、福岡県景気動向一致指数は28.6%と3か月連続で50%を下回り、低い水準が続いています。安定的な景気回復には個人消費の活性化策が必要であり、住宅リフォーム助成制度は最も効果的な施策のひとつです。

現在、県内過半数の31市町が独自に実施し、経済効果は15倍から30倍に達します。市町村を応援し、その波及効果をさらに上げるため、秋田県、佐賀県などに続いて本県も、制度創設を決断する時ではないでしょうか。知事にお尋ねします。

国土交通省によれば、昨年の県内個人建築の工事予定額は3117億円に達し、リフォーム額は推計で1360億円でした。

県民の6割が今の家に住み続けたい、33%が改善や住み替えを要望しています。助成制度が創設されれば、老朽化した住宅のリフォームが進み、空き家を減らす対策にもなります。建築業に従事する若者の激減が社会問題になっていますが、新制度の創設は、仕事と賃金を増やし、これからの福岡の建築を担う技術者を育てることにもつながります。高齢者や家族の安心、健康増進など、社会福祉の観点からのメリットも少なくありません。

こうした様々な角度から、「住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査」を実施し、その結果を速やかに公表し、制度設計に踏み出すべき時期にきていると考えますが、知事のご意見を伺い、質問を終わります。

答弁―住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査と助成制度創設

  • 住宅リフォームは、内容も広範囲で多岐にわたり、個人の財産として、所有者が自らの考え方で行うことが基本であると考えている。このため、リフォーム一般に関する助成制度の創設は困難であると考えている。
  • しかしながら、県としては、耐震改修の促進や既存住宅の流通市場の環境整備といった観点から、戸建て住宅の所有者に対する耐震改修費補助や、既存住宅の購入者に対するリノベーション補助を実施しているところである。
  • また、県が助成を行っている地域商品券発行事業において、いくつかの商工会では、発行する地域商品券の一部を住宅リフォーム等に特化する商品券を発行されるなどの工夫が行われている。
  • 国においては、既存住宅の長寿命化と質の向上に資するリフォームの先進的な取り組みを支援する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」を平成25年度から実施している。
  • 今後も、このような取り組みを県民に広く周知していくとともに、リフォーム相談会や中小工務店を対象とした講習会を実施することにより、リフォーム市場の活性化を図り、空き家対策や建築技術者の育成につなげてまいる。このようなことから、リフォーム助成に関する調査を行うことは考えていない。

第二質問―住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査と助成制度創設

住宅は個人の財産だからリフォームの調査や助成はしないとの答弁でした。ところが国は既存の統計調査では実態の把握はできないと「建築物リフォーム・リニューアル調査」を行い、調査の必要性を繰り返し指摘しています。

国は来年の税制改正大綱で「3世代同居のための改修に減税」や佐賀県は佐賀に住んで福岡に通勤すれば1万円の特急代支給、JR新潟県は移住したら奨学金と引っ越し代支給などのニュースが報じられています。

本県も積極的で斬新な政策を打ち出し、市町村の施策を後押しして元気福岡にしていくべきではありませんか。住宅リフォーム助成制度の実施を再度要望し質問を終わります。

「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略」の問題点を指摘し、反対討論を行いました。資料とともにご覧ください。


反対討論

日本共産党の高瀬菜穂子です。第201号議案「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略の策定について」に対する反対討論を行います。

反対の第一の理由は、県人口の将来展望について、希望出生率1.8を目標としながら、目標実現のための具体的根拠を欠いているという点です。本ビジョンは最悪のケースでも25年後の2040年に出生率1.8が実現するという想定ですが、国立社会保障・人口問題研究所は「出生率は長期的に1.35で推移する」と予測しています。これを覆して出生率を上げるには、賃金・雇用・社会保障・男女共同参画など、将来に希望のもてる社会経済に大転換する必要がありますが、骨子には何の裏付けもありません。過大な推計に基づく「人口ビジョン」は総合戦略全体に影響を与える大問題です。

第二の理由は、「小さな拠点づくり」「集約型都市づくり」の名による地域切り捨てです。本ビジョンには「住民に必要な生活・福祉サービスを一定のエリア内に集める『小さな拠点』づくりを市町村と連携して進める。居住機能や福祉、医療、商業等の都市機能の誘導により、集約型の都市づくりを推進する。」と明記しています。「地域人口の維持」のために何をすべきか、という中心課題を脇に置き、「市街地のコンパクト化・縮小」を地域政策の優先課題とする考え方は、単なる地域リストラ政策であり、地域振興にとって有害であると指摘せざるを得ません。集落の統合は、共同意識が失われ、より利便性の高い都市部への転出に繋がる可能性があります。市街地のコンパクト化、縮小よりも地域に人口を維持する方策を考えていくことが重要です。

過大な推計と地域リストラ方針を含んだ「人口ビジョン」に、本県議会が「お墨付き」を与えることは、将来に禍根を残すと指摘し、反対討論とします。

参考資料―福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略(骨子)の問題点

1. 県人口の将来展望が根拠なく楽観的である

県は将来人口を展望するにあたっての前提条件(3頁)として、最も人口減が進む「ケース3」の場合で、2040年(25年後)に出生率1.8が実現すると予測している。

しかし、2015年6月1日に厚生労働省が発表した2014年の合計特殊出生率(人口動態統計)は1.42、女性が第1子を産む平均年齢は30.6歳となり、晩婚・晩産が一段と進んだ。出生数は100万人割れ目前。出生率が14年まで3年連続で1.4を超えたのは780万人いる「団塊ジュニア」の出産が押し上げた面が大きい。この世代の出産がピークを越え、今後はゆるやかな低下傾向をたどる可能性がある。

国立社会保障・人口問題研究所は「出生率は長期的に1.35で推移する」と予測している。25年後に出生率1.8が実現するという前提の推計は全く根拠がない。

過大な推計に基づく「人口ビジョン」を議会が議決して「お墨付き」を与えることは将来に禍根を残す。

2. 小さな拠点づくり・集約型都市づくりの「逆立ち」した危険性

県は「基本目標4 誰もが住み慣れた地域で暮らしていける安全・安心で活力ある地域をつくる」の項のなかで、住民に必要な生活・福祉サービスを一定のエリア内に集める『小さな拠点』づくりを市町村と連携して進める。居住機能や福祉、医療、商業等の都市機能の誘導により、集約型の都市づくりを推進する。と明記している。

「地域人口の維持」のために何をすべきか、という中心課題を脇に置き、「市街地のコンパクト化・縮小」を人口・地域政策の優先事項とする考え方は、単なる地域リストラ政策であり、地域振興にとって有害である。

3. 地域振興コンセプトに関する中山徹氏(奈良女子大学教授)の提言

1つは、人口流出の主な理由は地方に安定した就労先がないこと。これまでは工場の地方移転、公共事業で雇用を確保してきたが、今後は第1次産業と社会保障分野で地方に雇用を確保していくこと。この分野は政策によって拡大することが可能である。

2つ目は、人口減少等によって生み出されるゆとりを活用して災害に強い国土、まちをつくること。

3つ目は、自然災害に対する脆弱性を克服し、自然・生活・教育環境を整え、都市の格、質を高め、大都市圏の国際化を進めること。

4つ目は、市街地のコンパクト化、縮小よりも地域に人口を維持する方策を考えていくこと。集落の統合は、共同意識が失われ、より利便性の高い都市部への転出に繋がる可能性がある。

5つ目は、「国土のグランドデザイン2050」では、三大都市圏のインパクトを地方拠点都市に、地方都市のインパクトを農山村に波及させ、「小さな拠点」と周辺集落をネットワークで結ぶとしているが、これはトリクルダウン理論の地域版である。地域の活性化を進めていくには、この理論を乗り越え、インパクトの波及を小規模から大規模に転換していく国土計画づくりが必要である(雑誌「経済」2014年11月号、新日本出版社)。

参考資料―福岡県人口ビジョン・地方創生総合計画(骨子)

福岡県人口ビジョン(骨子)PDFファイル612キロバイト

決算特別委員会を終えて

投稿: 2015年11月13日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

この文章は、日本共産党福岡県議団がまとめた文書をもとにしています。
福岡県議会は、9月18日の第3回定例会開会から、11月6日の決算特別委員会閉会まで、約2ヶ月の間、委員会質問を挟んで、断続的に質問・質疑がおこなわれました。日本共産党県議団は、本会議一般質問(高瀬、山口両県議)、常任委員会質問(同)、決算特別委員会質疑(高瀬県議)等でフル回転、高瀬菜穂子・山口律子両県議が切実な県民要求を担って奮闘しました。 質問後、自民・民主両党議員から、わが党質問原稿の提供を要請されたり、知事が共産党控室へ挨拶に訪れるなど、共産党県議団の「道理と活躍」に、注目が大きく広がった議会でもありました。論戦の特徴は以下の通りです。

議会論戦

国の悪政の防波堤となる県政に─国政重要課題を県政で論じる唯一の党

  1. 戦争法廃止の声を発信せよ
  2. 玄海原発再稼働、九電は説明責任を果たせ
    国政・地方政治の根本に関わる大問題で、これらを県議会でとりあげたのは、日本共産党だけでした。共産党が提案した「戦争法(安保法制)の廃止等を求める意見書」に自公民「オール与党」は反対し否決しました。

県民要求実現へ建設的提案─教育、中小企業、賃上げ、コミュニティ・バス支援など

  1. 特別支援教育と私学助成の拡充を
  2. 真に実効性ある中小企業振興条例を
  3. 設計労務単価に見合う賃上げ、公契約条例制定、建退共促進を
  4. 地域公共交通(コミュニティ・バス)への県の支援を
  5. 市町村国保の広域化について
    低所得者が多い市町村に対して財政支援を行う保険者支援制度の活用を強く要求しました。資格証明書については「保険料を1年間滞納した場合でも、特別な事情がある世帯主に対しては交付しない」「資格証明書を交付した後についても、被保険者が医療を受ける必要が生じ、医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合には、短期被保険者証を交付することができる」「被保険者が必要な医療を受けられるよう、個別の状況に応じたきめ細かな対応について、保険者に対し引き続き、会議や研修会、市町村を訪問する事務指導を通じて、助言する」との原則的見地を確認しました。
  6. 小中一貫校と学校統廃合
    文部科学省「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」(平成27年1月27日)にもふれ、小規模校を存続する場合の教育の充実についても詳しく言及しました。

県の悪政と対決─都市機能「集約化」、不要なダム建設、メガソーラー乱開発

  1. 県の都市計画基本方針「福岡県都市計画基本方針(案)」の問題点
    「人口減少下においては厳しい財政運用が迫られるとともに、多くの公共施設が今後更新期を迎えようとしており、従来と同等の公的サービスの提供を続けていくことが困難」(同上)として、県は、国に呼応して、中山間地・農山村の「周辺部」のインフラ更新を抑制し、「集約型の都市づくりへの転換」(コンパクトシティ)を進めるという都市計画方針の大転換を提案しました。山口県議は「都市か農村か」の二者択一ではなく、「都市も農村も」手を取り合って発展できる道を模索すべき」と繰り返し主張、新設される「都市圏会議」から小規模周辺自治体を排除することはやめよ、と論戦を展開しました。(建築都市常任委員会)
  2. 過大な需要予測に基づくダム開発は中止せよ
    県が2003年に2010年の需要予測をおこないました。予測では1人1日最大給水量を408リットルと想定しましたが、実際は1人326リットル、福岡都市圏は294リットルと大きく予想と離れたものでした。また給水人口は、481万1000人の予測に対し、467万人でした。「予測が過大すぎた」との指摘に、県は「今後の企業誘致など都市開発に備えるため」と強弁、水道料金の上昇につながっている実態については、まともな答弁を避けました。利水上の根拠がなくなっている筑後川ダム群連携事業については党県議団の政府交渉(11月12日)でただしました。
  3. メガソーラー建設に伴う乱開発を規制し、住民生活・安全をまもれ
    飯塚市白旗山と水巻町明神ヶ辻山の開発地域一帯に県指定の土砂災害警戒区域などが存在することを県側に認めさせ、「危険区域と隣り合わせであっても規制できないのは法の不備」と指摘し、「法整備を国に求めるとともに、整備されるまでは県が条例を制定して規制すべき」と知事に迫りました。知事は「法律による各種規制を事業者に周知徹底し、これを遵守させる」と述べるにとどまりました。党県議団は、政府交渉で経済産業省に対して法規制を求めました。

意見書・その他

日本共産党が提案したもの

  • 安全保障法制の廃止等を求める意見書案(共産党のみ賛成、否決)
  • 玄海原発の再稼働は行わないことを求める意見書案(共産党のみ賛成、否決)

その他の意見書

  • 高等学校における日本史必修化を求める意見書案(共産党のみ反対、可決)
  • 教育現場の実態に即した教職員配置の充実を求める意見書案(全会一致可決)
  • 難病対策の充実に関する意見書案(全会一致可決)
  • 外国人観光客のさらなる受入環境の整備を求める意見書案(全会一致可決)

請願

  • 私立幼稚園に対する助成制度の拡充強化に関する請願(全会一致)

「消費税の再増税を中止し、生活費非課税・応能負担の税制を求める請願」など6件は、日本共産党は採択を主張しましたが、継続審査となりました。

わが党は、これまで一貫して再生可能エネルギーの推進を主張してきました。住民本位の市民共同発電所などで太陽光発電事業が始まるなどの各地の動きを歓迎するものです。ところが、全国一太陽光発電の立地が進んでいる本県で、各地から「危険な立地ではないか、環境破壊ではないか」との声があがり、私も現地視察を行う中で、住民の不安を肌で感じております。そこで(9月議会の一般質問に続き)再度質問をいたします。

飯塚市白旗山の場合

まず飯塚市白旗山のメガソーラー開発についてです。34ヘクタールも林地を開発し、メガソーラーにするという計画は、8000人の住民が住む住宅地のすぐそばで進められており、環境が一変する、山が丸裸になって災害の危険はないのかと心配されています。白旗山の周辺は土砂災害警戒区域と特別警戒区域に指定されています。砂防課にお尋ねしますが、この区域指定は土砂災害の危険があることを示すものですね。お答えください。

― 土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等は、白旗山周辺の一部に指定されております。この区域指定は、土砂災害の恐れがある区域を明らかにし、当該区域において警戒避難体制の整備をはかるとともに、住宅・宅地分譲などの特定開発行為を制限し、居住を有する建築物の構造の規制を行うなど、ソフト対策の推進を図ることにより、国民の生命及び身体を保護するためのものです。

危険であるから、災害の際は避難するようにと区域指定を行ったと。そういう区域が含まれているということですね。16000箇所に上る区域指定には大変な努力があったことを承知しております。そのうちのひとつということを確認します。

飯塚市のメガソーラー開発を行う業者が、先月10月3日飯塚市で住民説明会を行っています。この席上、業者の代表がメガソーラーの開発にあたって、砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域については存在しないことを砂防課で確認し、そのうえで「土砂災害ハザードマップを考慮した災害対策を計画提案した」と住民に報告しました。この開発予定地全体について「地元住民を災害から救う対策を一企業にしていただくことは有難い」と県が言っている。「県から感謝されている」とまで言い切っています。

そこで砂防課長に伺います。この様なことを、県として本当に言ったのでしょうか。まず事実関係について伺います。

― 今回のメガソーラー開発に携わっている株式会社CDFの関係者が今年9月に開発計画地の一部に、土砂災害警戒区域等があるため土砂災害防止法上問題がないか、相談にこられました。委員ご指摘のことについて、「地元住民を災害から救う事業を一企業にしていただくことはありがたい」とか、「感謝している」と申したことはございません。

森林の公益的機能は維持されるのか

「言っていない」ということを確認します。

地元住民は真剣に災害を心配し、景観が一変するメガソーラー計画に強く反対しています。市長も「メガソーラーの開発行為が非常に危険性が高いと言う事であればやめていただきたいと言っていかなければならない。」と議会で答弁されています。県として住民の声をしっかりと受け止めていただきたいと思うわけです。

9月議会における県の回答は、開発後も森林の公益的機能が維持されるというものでしたが、本当にそうでしょうか。飯塚市のメガソーラー開発計画では、森林の残存率がわずか26%となっています。ゴルフ場で50%以上、スキー場は60%以上森林を残さなければならないのに、住宅地のそばの危険区域を含む開発が26%というのは環境保全基準が、ソーラー発電を想定していないからだと考えます。

住民説明会でも「こんな宅地にメガソーラーを作らなくても、適した土地はあるでしょうに。」と言われていました。山全体をパネルで覆い尽くす今の計画で周辺の住環境は守れないのではないでしょうか。改めて担当課長に伺います。

― 森林の開発許可にあたりましては、森林法に基づき、一定量の森林を確保する環境の保全、この項目に加えまして、災害の防止、水害の防止、水の確保といった観点からも審査しております。また、許可した場合は、開発行為が完了するまで随時、調査を行い、森林法が遵守され、開発行為が許可通り行われますよう、開発行為者を指導しております。これにより、開発後も森林の持つ公益的機能は維持されるものと考えております。

公益的機能は本当に維持されるでしょうか。34ヘクタールのこの開発のすぐそばで2ヘクタールを超える開発がすでに行われました。林地開発申請が必要な1f以下で、3回にわけて行われ、あっという間に、山がはげ山になりました。これについては県が、「1ヘクタール以下で、3回に分けることは違法だ」と指摘をし、1ヘクタール以上だから林地開発の申請は必要、調整池をつくるよう指導しました。しかし今年の台風の際には、大量の土砂が流れ込み、直下の住民は大変な被害です。調整池のほうが後からできるわけですから、間に合っていないわけです。側溝は埋まり、下流の川には赤水が流れました。法の規制があっても、それをスリ抜ける、公益的機能を損なう事態は、すでに発生しております。1ヘクタール以下の開発は、もっと深刻です。

水巻町の明神ヶ辻山の場合

水巻町の明神ヶ辻山は、木漏れ日の美しいマイナスイオンを体感できる市民の憩いの山です。この山頂の木が突然伐採され、住民が驚いたというのが、ここの問題の始まりでした。0.9ヘクタール伐採の届けが、町に出されましたが、誤伐も含め実際には倍の2ヘクタールも伐採されました。そのため、町から植栽の指導がされました。6ヘクタール以上の場合行われる県と業者との事前協議は行われていません。この地域は地すべり防止区域に隣接していますから住民の不安はきわめて大きくなっているわけです。2ヘクタール伐採されたそのすぐ下で、県の地すべり対策工事が行われています。びっくりするほど近いですが、その工事内容と工事費についてお答えください。

― 地滑りとは、地下水位の上昇などにより、斜面の一部あるいは全体が滑り出す現象です。このため対策工事として、平成20年度より地質調査、地下水調査をおこない、斜面を安定させるために地下水位を下げる排水ボーリング抗をおこなっております。これまでの当該箇所の事業費総額は約2億2000万円であります。

地すべり防止法に基づく防止区域の数、現在工事中の数、工事費の総額について

2億2000万円という莫大な費用をかけて行われているわけですね。この様な「地すべり防止法」に基づく防止区域は、県内に何ヶ所指定され、内工事中の箇所は何箇所で、工事費の総額はいくらか、お示しください。

― 地滑り防止法等に基づき指定されている地滑り防止区域は現在、県内に60箇所あります。そのうち対策が概ね終わっている箇所が46箇所、現在工事中の箇所が14箇所、今年度の総事業費は約5億1000万円であります。

工事中のものが14ヶ所、予算が約5億円。そのうち2億2千万がこの工事で使われているということですが、いま工事中の水巻町の地すべり対策工事は緊急性を要するものと理解していいですね。お答えください。

― 現在対策工事をしている箇所は、緊急性を要するものであります。

水巻町の要請に対してどのような支援をしているのか

緊急性を要するというお答えでした。周辺の住民は、山のふもとに地すべり防止区域や土砂災害警戒区域等があるため、中止を強く求めています。町長は、住民の意向を受け止め、山頂に続く町道の通行を止めているため、業者は工事ができず、町を相手に訴訟を起こしています。町長の住民の側にたった勇気ある行動に、敬意を表するものです。町は樹木の伐採による地すべりなどへの影響について、県に調査を求めていますが、町からの要請に対し、県としてどの様な支援をしているのか伺います。

― 水巻町から今年5月20日に、樹木の伐採による地滑りへの影響調査の要請がありました。県といたしましても、地滑り防止区域に隣接しているため、現地で地表の状況を確認いたしました。調査時点では斜面の変状は確認されておりません。その結果については9月30日に水巻町に報告しております。

確認されていないということは、つまり、危険区域となりあわせであっても、法律上はクリアということになります。住民がやめてほしいと願い、町長も止めようとしているのに規制できない。住民説明会さえ開かずに進められている工事が、法律で規制できないわけです。私は、これは明らかに法の不備だと考えます。

水巻町の事例が示す様に、1ヘクタール以内であれば農地や地すべり等の防止区域の指定地以外は、どんなに危険なところでも、住宅地でも、急傾斜地でも、かけがえのない自然を壊しても、太陽光発電の設置が可能となっています。私はこのような現状を解決するには、法の整備と住民と環境をまもるための条例が当面必要と考えております。

再生可能エネルギーの推進については、県民の安全や環境などに配慮したものでなくてはならないと思うが

福島の原発事故後、平成23年に、総合政策課のなかにエネルギー政策室を設置し、再生可能エネルギーの推進に取り組まれています。そして、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及が進んでいますが。この再生可能エネルギーの推進については、県民の安全や環境などに配慮したものでなくてはならないと思いますが、この点についての見解を伺います。

― メガソーラーなどの発電設備を新たに設置する場合には、例えば地域森林計画の対象となっております民有林を、1ヘクタールを超えて開発する場合におきます、森林法による林地開発許可の手続きですとか、地滑り防止区域内で地滑りを誘発させる恐れのある開発をおこなう場合におきます、地滑り等防止法による許可手続き、それから電気事業法による設備の強度や施工が一定の技術基準に適合する義務付けですとか、保安規定の国への届出、電気主任技術者の選任などの義務付けがおこなわれております。このように自然環境の保全ですとか、周辺の安全確保をはかる観点から各種の法律による手続きが定められていると理解しているところでございます。

自然環境の保全や周辺の安全確保は図られなければならない、との基本認識は共有できると思います。これは当然のことです。太陽光発電をおこなうのに、どうして命の危険を感じなければならないでしょう。貴重な自然環境を破壊する必要があるでしょうか。長年、自然エネルギーの実証実験や利活用にとりくんできた自然エネルギー研究センターの大友昭雄氏は、「太陽光は、人工構造物への設置が最も適している。大型ビルや宮崎のリニアソーラーなどが望ましい」と書いておられます。世界的には砂漠の周辺など人への影響の少ないところで、大規模な計画が進んでいるとも聞いております。最後に部長にも、確認を求めたいと思います。再生可能エネルギーの推進にあたっては、県民の安全や環境などに配慮したものでなくてはならないと思います。見解を伺います。

― 先ほどエネルギー政策室長がお答えしましたように、メガソーラーなどの発電設備を設置する場合には、自然環境の保全、あるいは周辺の安全確保を図る観点から森林法、あるいは地滑り防止法、電気事業法などの法律による規制がかけられております。再生可能エネルギーの推進にあたりましては、当然のことながら、こうした法律の規定が重視されるべきであると考えております。

法律が守られてもなお、安全確保ができていない実態があると申し上げてきたわけですけれども、県民の安全や環境などに配慮されるべきであるにもかかわらず、深刻な環境破壊が起こっております。この点については、県民の安全・環境に配慮されるべきという点について、知事に直接お伺いしたいと思いますので、保留のお取り計らいをお願いいたします。(知事への質疑は11月6日に行われることになりました。)

施設一体型の小中一貫校の教育的効果、メリット・デメリットについて

先般、学校教育法が改正され、現行の小・中学校に加え、小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う「義務教育学校」が新たな学校種として来年度から制度化されることとなりました。しかし法制化以前から、一貫校は既に動き出しており、その問題点も指摘されてきております。

小中一貫校には、連携型や施設一体型、学年の区切りも、「6・3」,「4・3・2」、「4・5」などバラバラで進められておりまして、これほど統一性を欠いたまま推進していいのかと、私は危惧してきたところですが、きょうは施設一体型小中一貫校に限ってお尋ねしたいと思います。県内の実態、今後の計画、県としての設置の方針があればお答えください。

― 県内には宗像市に2校、飯塚市、田川市、八女市、東峰村、赤村にそれぞれ1校に計7校ございます。なお、今後の計画は、県教育委員会としては把握しておりません。また現在、県教育委員会として、小中一貫教育の実施についての統一的な方針を作成する予定はありません。

現在7校で、県としての設置方針はなく、市町村の判断であるということだと思います。学校の設置については市町村の判断だと思いますが、教育全般については県がしっかり責任を持っていただきたいと思いますので、そのことは指摘させていただきます。では、施設一体型の小中一貫校の教育的効果、メリット・デメリットについて県の認識をお答えください。

― 文部科学省の実態調査によりますと、県内の施設一体型小中一貫校の教育におきましては、その全校で、いわゆる「中1ギャップ」の緩和、中学校への進学に不安を覚える児童の減少、及び教員の指導方法の改善意欲の高まりを成果として挙げている一方で、7割以上の学校で、小中学校の教職員間での打ち合わせ時間の確保や、合同の研修時間の確保に課題があるとされております。

わたくしも、いくつかの小中一貫校をおたずねして、直接伺いましたが、教職員間の打ち合わせ時間の確保が難しく、多忙になるということは一つの特徴であると思いました。中学校の先生が、小学校の専科教員として授業を行う、また、小学校の先生がティームティーチングなどで中学校に行くなどの「乗り入れ」の場合、時間割を作ること自体が煩雑で難しく、誰がどのクラスに行き、どの教室を使うかなどの連絡が各学年1クラスの小規模校であっても大変だということでした。大規模校になれば、なおさら先生方が走り回っている状況だと聞いています。

「中1ギャップの解消」は小中一貫校の目玉のように言われています。確かに、6年1組の隣に7年1組があり、一つの学校ですから、それまでと変わらず、その意味ではギャップはなくなっています。

しかし、中学生に上がるという不安とともに緊張もなくなってしまうことや、6年生が最高学年としてさまざまな活動で中心となって達成感を味わう、その大事な育ちの時期が奪われているとの研究結果もあります。

全区を小中一貫とした品川区では7年生でいじめ自殺事件が続けて起こり、報告書が出ていますが、単に小中をくっつければ、さまざまな教育問題が解決するわけではない、新たな問題も生まれることを示しています。さらには、いくつもの学校が統廃合して大規模校になった場合には、バス通学に伴う問題や運動場を一斉に使うことができない、そのため部活をやる日と小学生が遊ぶ日を交互にしているとか、体育大会の全学年参加の玉送りで、1年生から9年生まで並ぶのに1時間もかかったなど、教育的にどうかという問題も起こっています。

小中一貫校は、教育的効果を十分に検証されることなく導入され義務教育学校として法制化されるということになります。さまざまな角度からの検証と情報の共有と対応が必要だと考えます。県教委の見解をお答えください。

― 文部科学省の調査結果などを基に、小中一貫教育校の実態をさらに調査していくことが、まず必要であると考えています。また、小中一貫教育に関連する県の重点課題研究もいくつかございますので、それらを基に成果と課題などを検証し、市町村教育委員会に対してその情報提供をおこなってまいりたいと考えております。

学校統廃合はまちづくりの観点からの慎重な検討が必要ではないか

ぜひ、取り組んでいただきたいと思います。小中一貫校が大規模な統廃合を伴う場合、まちづくりにも大きな影響があります。今、香春町で、4つの小学校と2つの中学校を、1つの学校に小中一貫校を視野に統廃合をする計画が進んでおり、住民からは不安の声も上がっております。直接、町の教育長からお話を伺いましたが、この計画は「行政改革大綱」の提起で始まったとのことでした。学校6校が1校になれば、確かに先生の数、学校の維持経費は削減できるかもしれません。しかし学校の在り方、規模の適正化はあくまでも、児童生徒の教育的観点から検討されるべきだと考えます。合わせて、学校はコミュニティーの核であり、防災、地域の交流の場としての機能を持っていることから、まちづくりの観点からの慎重な検討が必要だと考えますが、県の見解を、お答えください。

― 小中学校の統合の検討は、設置者であります市町村が主体的に行うべきものでありますけれども、その検討にあたっては単に行政改革の視点からというだけでなく、教育の機会均等や教育水準の維持向上の観点を踏まえて、学校の規模の適正化や地理的条件など、それぞれの学校や地域が置かれているさまざまな状況を勘案して行われるものであると考えております。

少子化の中で、学校規模が小さくなり、小規模校解消のための統廃合が課題となって、文科省も、本年1月に、学校の適正規模等を示す新たな「手引(公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引 平成27年1月27日)」を作成しました。この手引きには、小規模校を存続する場合の教育の充実についても詳しく言及があります。県教委はこれまで、小規模、へき地校における教育について研究を長年すすめてきております。小規模・へき地校での教育については、どのような認識をもっておられるでしょうか。

― へき地・小規模校におきましては、児童生徒の学習状況を的確に把握でき、きめ細かな指導が行いやすい、意見や感想を発表できる機会が多くなる、といった特性がございます。また、豊かな自然条件や地域の伝統芸能などの教育資源を生かして、地域への誇りと愛着の心をはぐくむ環境にも恵まれていると考えております。

― 一方、児童・生徒の人間関係が固定化しやすい、児童生徒どうしが切磋琢磨しづらい、球技や合唱、部活動等の集団的な活動に制約が生じるなどの課題もあると認識しております。

小規模校を残すという判断を市町村が行った場合の支援などについて

私は、中学教師時代に複式の小学校からの生徒を受け入れた経験がありますが、大変豊かな教育と地域の活動のなかで育っていました。中学校に複式から、全校児童は10人以下だったと思いますが、複式からきた生徒が「先生、中学校は理科の実験道具、班に一つしかないんやね。小学校の時はなんでも一人に一つやった。顕微鏡で畑や川に行ってあらゆるものを見たよ。それを新聞にして楽しかった。」というふうに話してくれたのを今も印象深く覚えています。本当に豊かな自然の中で、よく遊びよく学んだ。この小学校時代というのが、これらの生徒にとって、本当に大切な宝物のようになっています。この生徒は、考古学の研究者となり、東大大学院から今はギリシャで研究者として活動しています。福岡県には、へき地・小規模教育の豊かな蓄積がありますので、その成果を是非、広げてほしいと思います。もちろんデメリット、小さければできないことがありますが、それを補うような活動というのは、いまのICTなどを使うなどすれば、工夫できる部分もたくさんあるかと思います。

学校規模の適正化、統廃合などの判断は、設置者である市町村が判断すべきですが、県としても基準やガイドライン、手引き等の策定、フォーラム等の場の設定など、情報提供機能の強化、特に、小規模校を残すという判断を市町村が行った場合の支援などについて、「手引」には詳しく書かれています。県として、現在どのような取り組みを行っているのか、また今後どのように取り組んでいかれるのか、お示しください。

― 県教育委員会におきましては、市町村が主体的に統合の要否を判断できるように、統合をおこなった取組事例の紹介や統合の際に活用できる支援制度の情報提供をおこなうとともに、あわせて、へき地や小規模校における教育の充実に関する情報提供や学校経営等への指導・助言などをおこなっております。

― また、複数学校間での事務の共同実施や特色あるカリキュラムの編成などについての助言など、文部科学省の手引に示されております取組もおこなっているところでございます。

― 今後とも市町村における主体的な検討に資することができるように、引き続き適切な指導・助言、あるいは情報提供に努めたいと考えております。

統廃合の是非が問われた裁判、1976年6月名古屋高裁判決は、「統廃合で徒歩通学の機会が失われることにより『人格形成上、教育のよき諸条件を失う』」と、徒歩通学が子どもの人格形成に果たす役割、地域の人々や自然のとのふれあいの重要性を示して、廃校処分の取り消しを認めたことがありました。徒歩通学が子どもの人格形成に果たす役割大きいという、この観点は、今につながる重要なものと考えます。また、「まち・ひと・しごと創生法」に基づく総合戦略においても、学校のまちづくりに果たす役割は極めて大きいと考えるものです。

小中一貫校設置のガイドライン策定、小規模校を残すという判断を市町村が行った場合の支援に関する教育長の決意は

最後に教育長に伺います。全国的に小中一貫校が、大規模な学校統廃合を伴ってすすめられていることを危惧しております。

小中一貫校は、法制化の前に、さまざまな形で実施されており、その教育効果や課題については研究・検証が必要です。一方、少子化の中で、小規模校をどうするかという問題も、各地で起こっております。県としてガイドラインを作るなどの取り組みをすすめていただくと共に、小規模校を残す判断を市町村がされた場合、教職員の加配や、教育研究の共同化など、文科省の手引きを実践する形ですすめていただきたいと思います。教育長の決意を伺います。

― 学校の統廃合でございますけれども、学校は地域コミュニティの核というような性格も持っております。従いまして、小規模化した小中学校の統合を行うか、あるいは小規模校として存続させるか等についきましては、設置者である市町村が地域の実情、あるいは地域住民の方々の意向を十分に踏まえて判断するということが大切であろうと思っております。県教育委員会としましては、今回の国の手引のなかに統廃合を行うかどうかを判断する際の考え方、あるいは留意点、さらには小規模校の学校を残す場合の配慮事項等につきまして、詳しい記載がなされておりますので、この手引を活用しながら、市町村の求めに応じて、少子化時代に対応した学校づくりについて指導・助言をおこなってまいりたいと考えております。

島根県邑南(こうなん)町は、人口12000人の小さな町ですが、子育て日本一を掲げ、保育所9箇所、小学校8校、中学校3校をすべて残すと町長が宣言しているそうです。そしてさまざまな行き届いた支援を続けています。こうした中で、若い世代が移住してきているとも聞いています。こうした選択もできるわけで、そうした場合に、県教委の支援をしっかり行っていただくよう再度強調し、質問を終わります。

水資源資料.pdf

過大な需要予想に基づくダム開発は必要だったのか

県は、1978年の異常渇水を契機にこれまで水が足りないということで、ダム開発をはじめ、日量5万トンの海水淡水化、さらに2005年の西方沖地震を契機に北九州と福岡を結ぶ緊急導水管事業も供用開始しました。それでも当初のダム計画は見直さず、現在も五ヶ山ダム、小石原川ダム、伊良原ダムと、完成すれば県内で1位、2位、3位となる巨大ダムを建設中です。先日五ヶ山ダムを視察いたしましたが、ほぼ完成に近づいていました。本年度のダム建設予算は292億円にも上っています。これは史上最高ではないでしょうか。途方もない額をまさに湯水のごとくつぎ込んでいるという印象です。しかし、本当に水は足りないのか。我が党は、一貫して、過大な需要予測に基づくダム建設をやめるよう求めてきました。これほどの巨費を投じてダムは必要だったのか、検証が必要であると考えます。

そこで伺います。資料1からは、給水人口が増えているのに、一日最大給水量、年間の全給水量ともに横ばい、むしろ減少傾向にあるとみることができると考えます。この点について県の見解を伺います。また、今後はどのように推移すると予測しておられますか。

─ 県全体でみますと、給水人口は年々増加しておりますが、一日最大給水量及び年間給水量は増減を繰り返しながら、一定の水準で推移をしております。

─ これを水道広域圏ごとに比較しますと、福岡地区及び筑後地区では給水人口の増加に伴って、年間給水量も増加しております。一方、北九州地区及び筑豊地区におきましては、給水人口が減少するに伴って、年間給水量が減少しています。このため、給水人口が増えているのに、年間給水量が減少傾向にあるとは一概には言えないと考えております。

─ また、今後も同様な傾向で推移するものと考えております。

減少とは見ないということですが、この資料で見れば、給水人口は10年間で13万増え、年間給水量は1100万トンへっています。これを需要予測との関係で見てみます。

県が水需給計画を定めた福岡県第4次ウォータープランは、基準年が平成5年(1993年)、目標年次は平成22年(2010年)として作成され、さらに10年後の平成32年を見通しています。この需要予測が基本となって、水資源開発が行われてきたわけです。県は、水需給計画を平成15年に点検し下方修正、さらに平成18年にも検証し下方修正しました。

平成15年の点検は、ダム建設の見直しが全国で行われた中で実施されました。このとき目標年次22年の予測は、下方修正され、1日最大給水量は196万3千トンです。しかし、資料の平成22年実績は156万6千トンです。見込みの79%、2割も少ないです。40万トンも違います。1日40万トンの水を作ろうと思えば、ダムがいくつもいるということになります。

需要予測をするときに基本となる数値は、1人1日最大給水量と給水人口です。15年点検のとき、1人が1日に使う水の量の予測は、平成22年に408リットルと見込みました。しかし、全県的にものすごく節水が進んで、実際には1人326リットルしか使っていない。福岡地区は300リットルを割って294リットルしか使っていない。給水人口の予測はどうだったかというと、平成22年に、481万1000人との予測でした。しかし、実績は表にあるように約467万人。20万人も少ないわけです。いまだに481万人には達していません。1人が使う水の量も、給水人口も、給水量も、すべて需要予測は明らかに過大であったと考えますが、いかがでしょうか。

─ 需要予測についてでありますが、給水人口や一日最大給水量等につきましては、増加の要因として、人口の伸び、給水区域の拡大、給水普及率等の上昇等が考えられます。

─ 給水人口等は、年度により伸びが大きな年と小さな年と、伸びに大きな差が生じてまいりますが、現在、給水区域の拡張を計画している団体は20団体あり、また、水道管の延長など水道事業者の努力による給水普及率の上昇、企業誘致の増大等に伴う需要増大も見込まれることから、平成32年の需要予測については、過大ではないと考えております。

過大な需要予測だったことについて、お答えになっていないと思います。また過大な需要予測先にありきだと思います。県の予測は、これまで、はずれ続けています。こうした過大な需要予測で、巨大なダム建設は必要なかったということを改めて申し上げておきます。

水の供給能力は十分なのではないか

次に各市町村の計画水量との関係です。今回の資料は水道企業団、ダム開発に関連するところだけですけれども、市町村の計画水量は、目標年度によって新規ダム開発分が含まれているところといないところがあるようですが、いずれにしても、計画水量、つまり計画時点での施設能力と実際の給水量には大きな乖離があります。久留米では1日最大給水量の1.76倍、福岡市で1.73倍。平均給水量との比較では実に2倍近い能力を持っているということになります。この数字から見て、すでに水の供給能力は十分といえるのではないでしょうか。お答えください。

─ 水道は人の生活や経済活動を行ううえで、不可欠なライフラインでございますため、水道事業者には水道水の供給ができないという事態は許されません。また、水道は住宅開発や商業施設の立地、企業誘致等をおこなう場合の地域戦略上の重要な要素でありますことから、水道事業者はそれらのための水量の確保も必要でございます。その際、計画取水量は、河川等に水利権を持っておりましても、流況等の変動によりまして、必ずしもその全量が取水できないことがございますため、取水の安定性を見込んで確保すべき水量が設定されているものでございます。

─ それに対しまして、実績一日平均給水量や実績一日最大給水量は、平成25年の時点で実際に給水した量でございますので、先ほど申しました将来必要となる水量のほか、導水時、あるいは送水時の漏水、それから取水した水を浄化する過程での浄水ロスなどは当然含まれていません。

「供給できないことは許されない」と言って、無限に開発することにはならないでしょ。計画水量は何を基準に決めているのか、実績給水量の2倍もの施設能力が必要なのか、お答えください。

─ 2ページの資料でお示しいたしました計画最大取水量でございますが、これは全国共通の水道施設設計指針に基づきまして、計画給水人口に計画一日一人利用水量を乗じて求めた数量に、給水人口の動向や地下水利用の動向などの水需要構造の変化、さらには社会経済の将来動向や都市の発展動向などの地域特性を反映させて算出した需要予測を基礎として決められているものです。

─ この需要予測でございますが、それぞれの自治体におきます企業誘致をはじめとした地域戦略の要素も含めた将来構想を踏まえ、各水道事業者において責任をもって、適切に決定されるとともに、これに応じた施設能力を整備されているものと考えております。

答弁を短くお願いします。

今のお答えですと、県はあまり関与していないという風に聞こえます。しかし、水資源の開発、広域的な利用には県が責任をもっているわけです。どれだけの水が必要なのか、その計画は適切なのかについて、市町村とともに検証、検討することは当然必要です。需要予測のときには、一人一日最大給水量と給水人口をかけ負荷率を考慮していたわけです。最大給水量の2倍もの量はどう考えても大きすぎます。県の過大な水需要計画に基づいて、市町村も過大な計画を立て、実績とは乖離した過大な施設能力を目指している。資料はそういう実態をしめしていると思います。

この計画水量には県南の小石原川ダム分はほとんど反映していないと考えられますので、計画水量はさらに増えるということを指摘しておきます。

無駄なダム開発で水道料金が上がる問題

次に、水道料金の問題です。まず、水道料金の全国平均をお答えください。

─ 上水道の家庭用の水道料金でございますが、一ヶ月に20トン使用した場合、厚生労働省の統計によりますと、平成25年度の全国平均で、3098円となっております。

表を見ますと、本県の市町村ですね、このなかでは全国平均以下は3自治体のみです。大変高い水道料金となっております。これからダムが完成すれば一部施設の廃止や転用があるにしても、水道料金がさらに上がる自治体が出てくるのは必至です。京築地区の自治体が京築地区水道企業団から受ける水の量は、現在の日量9500トンから2倍の1万9000トンになります。人口減少が進み、給水実績も横ばい、そんな中で配分水量が増えれば、当然水道料金は引きあがる。各自治体が大きな負担、配分水量に伴う負担が増えるということについて、県のお考えをお聞きします。

─ いろんな水道事業体、自治体のなかで、今後給水区域を拡張していくという計画をもっております自治体の場合には、水道企業団からの配分水量の増加分に見合う料金収入が、拡張区域の水道利用者から入ることが見込まれますので、必ずしも水道料金が上がるとは限らないと考えております。それからこれまで地下水などの自己水源から取水して自前で上水を製造していた水道事業者が水源を企業団からの受水に切り替えた場合には、受水費は確かに増えますが、その一方でそれまで自前で水道水を製造するために必要であった薬品代とか電気代などの経費は不要になりますので、プラスマイナスを考えますと、必ずしも水道料金の負担が大きくなるものではないと考えております。

すべての自治体で聞き取っていただきたいと思います。例えば、大山ダムができた際、宇美町では、大山ダムの受水によって20%も水道料金が上がりました。筑紫野市の例では、水道料金には転嫁せずに、市がこれを受け持っているわけです。大山ダム受水に伴って8000万円の負担が出ています。いまのところ水道料金には「需要予測が課題過ぎた」ということで、はねかえしていませんけれども、今後、五ヶ山ダムができた際には、さらに3000万円負担が増えるために、水道料金をどうしようかと議論になっています。ムダな水源開発は、住民にも大きな負担を押し付けるものです。「水道は人が生活するうえで不可欠である」と、「だから供給ができないということは絶対に許されない」といわれましたけれども、不可欠なものであるからこそ、安全で安定的で、そしてできるだけ安価に供給しなければならないわけです。水道料金の面からも過大な需要予測による無駄な開発は許されないことを強調しておきます。

これ以上の水資源開発は必要ない

こうした実態から考えて、これ以上の水資源開発は必要ありません。緊急連絡管事業で行った北九州地域の工業用水を転用するなど、広域的な水利用を促進すべきです。ところがダムに水をためるための筑後川水系ダム群連携事業についてもストップしたとは聞いていません。これ以上のダム建設、ダム群連携事業は不必要だと思います。県としての今後の水資源開発についての考えをお聞きします。

─ 今後の水資源開発についてですけれども、水資源は地域や住民の生活、経済・産業活動等を支える基本的な資源として、地域の発展に大きな役割を果たしており、渇水による断水、取水制限が実施されますと、ただちに住民生活や社会経済活動に深刻なダメージを与えることになり、本県は過去大きな渇水を経験してまいりました。安定した水資源の確保等をはかるために、河川水をせき止めて、河川水が豊富な時に水を貯め、水が必要な時に河川に流すダムは有効な対策であり、将来の水需要に対応するため、五ヶ山ダム、伊良原ダム等は、必要であると考えております。ダム建設にあたりまして国の要請などにより、事業の必要性、妥当性等の検証をおこない、国の事業継続の方針決定を受けたうえで進めているところであります。これにより、安定的な水供給をおこない、水に不安のない福岡県づくりを実現してまいりたいと考えております。なお、筑後川水系ダム群連携事業につきましても、本県にとって必要な事業と考えておりまして、この事業は現在、九州地方整備局が検討主体として関係自治体の意見等を聴取しながら、事業の必要性、妥当性の検証がなされているところでございます。

ただ今のお答え、全く納得できません。これまで、水資源の開発は十分行ってきました。

海水淡水化施設は、日量5万トンの能力があるのに、1万トン程度しか作っていません。福岡地区水道企業団は、大山ダムの水が5万2千トン必要だといって開発しましたが、同じ筑後川の水を4万4千7百トン返したわけです。利水安全度を高めるために返しました。水は十分足りています。

さらに言えば、県内の工業用水も余っているし、耶馬渓ダムの工業用水は利用されていないなど、こうした水を広域的、弾力的に利用を行えば、緊急時にも対応できるものとわたくしは考えます。

さきほど質問のあった春日那珂川水道企業団の不正ですが、これも県がきちんと調整機能を持っていれば、利水権を移譲するなどして水の融通はできたはずです。

筑後川ダム群連携は、福岡企業団が利水安全度を高めるためにわざわざ川に返したものを、ポンプアップして、小石原川などにためるというものです。こんな浪費はないと思います。ダム群連携については、国が検証しているということですが、県としても総合的に検証し、建設しないよう強く求め、質問を終わります。

国保についての基本的認識

国保市町村資料.pdf

まず、国保について基本的な認識を伺います。平成25年度末における県内市町村国保の加入世帯は770,594世帯で全世帯の33.5%を占め国保は、国民皆保険制度の要です。被保険者の年齢構成は65歳以上が32.7%を占め、最も病気になりやすいお年寄りを多く抱えているうえ、一人あたりの平均所得が496,000円と極めて低く、手厚い公的支援がない限り成り立たない保険制度です。

小川知事も「財政運営を広域化したり、運営主体を県に変えただけでは解決しない」と本会議で答弁されていますが、その認識は変わっていないか、伺います。

─ 市町村国保においては、高齢者の割合が高く、それによって医療費水準も高くなる一方で、無職者の割合が高く所得水準が低いために保険料収入が得にくい構造となっております。

─ 国保の財政運営の厳しさは、国保が抱えるこうした構造的な問題に起因しているため、財政運営を広域化したり、運営主体を県に変えるだけでは、解決するものではないと考えており、現状においてもその認識は変わっておりません。

被保険者の負担を少しでも軽くするよう市町村に助言、指導を行うべき

国保市町村資料.pdf

その認識は共有するものです。国保の財政運営の厳しさは構造的なものであり、それゆえに、高い保険料という形で被保険者を苦しめてきました。それなのに、県は平成25年4月に市町村国保広域化支援方針を改正して市町村国保の赤字解消に向け繰上げ充用や、一般会計からの法定外繰入れの早期解消を促しています。市町村は、やりくりができなくなって、さらに厳しい財政運営を迫られることは必至です。資料にあるように保険料の値上げはこの5年間で見れば半数の29市町村にのぼります。

平成25年度に一気に保険料を上げ、県内一高くなった飯塚市では、所得208万円の4人家族の場合、保険料は46万5,400円、実に所得の4分の1近くが保険料に消えることになります。これほど高くてははらえませんよ。全国知事会もこの高すぎる保険料を協会健保なみに引き下げるためには1兆円の国庫負担増が必要だと主張しました。国は、国保の広域化が行われる平成30年度をめどに3,400円億の公費を投入するとし、今年度より低所得者の数に応じて1700億円予算措置しています。

そこで伺います。この低所得者対策の財源は、確実に保険料軽減に繋がるよう活用すべきです。県内では、本年度保険料を軽減したのは資料にあるように両政令市のみで、他の市町村では保険料の軽減がまだ実施されていません。1人あたり年額5,000円程度、保険料軽減に活用できる財源が本県にもきます。被保険者の負担を少しでも軽くするよう市町村に助言、指導を行うべきだと思います。見解を伺います。

─ 保険者支援制度は、市町村における低所得者の数に応じて、一定割合を交付するもので、低所得者が多い市町村に対して財政支援を行うものです。

─ 今回の拡充措置により、市町村の国保財政の安定化に一定の効果があるものと考えております。

─ このような財政支援を具体的にどのように活用するかについては、それぞれの市町村で財政状況が異なっていることから、それを踏まえて、個別に判断されるものと考えます。

─ いずれにしましても、結果的には、保険料の伸びの抑制など被保険者の負担軽減が図られていくものと考えております。

「結果的には経験が図られるもの」という他人事のような対応ではなく、低所得者の数に応じて予算措置された財源ですから、負担軽減となるよう県としての指導を強く要望しておきます。

資格証明書の問題

資格書交付状況.pdf

次に資格証明書の問題について伺います。

本県の滞納世帯は15%、122,031世帯にのぼります。うち窓口10割負担となる資格者証の発行は資料にありますように本年度21,503世帯となっています。このほか役場の窓口での留め置きなど保険証が届いていない世帯が約1万世帯あります。合わせると31,000を超える世帯が事実上無保険状態です。

昨年、民医連に加盟している医療機関が調査した結果によりますと経済的事由による手遅れ死亡事例が15件ありました。そのうち7件が無保険者でした。70代の男性は、肺がんで、初診から5日後に死亡。40代非正規雇用無保険者は肝臓がんで初診から3ヵ月後に死亡。また、高血圧の治療ができず、結局脳出血で寝たきりになってしまった例もあると聞きました。無保険者の実態は深刻であり、重症化することで医療費の増大にもつながります。

また資格証明書については、国も「病気など特別の事情がある場合、すみやかに短期被保険者証を交付するように」通知文書等を出しています。

国保広域化支援方針には、事務の共通化の課題として資格証明書なども検証を進め、検討するとあります。生命にかかわる資格証の発行は原則とり止めるべきです。現在2万を超える資格証が発行されていますが「病気など特別な事情」が発生した場合にはすみやかに短期被保険者証を交付するよう、周知も含め市町村を指導すべきと思います。県の見解を伺います。

─ 資格証明書につきましては、滞納者への納付相談の機会の確保のため交付する必要があると考えますが、保険料を1年間滞納した場合でも、特別な事情がある世帯主に対しては交付しないこととなっております。

─ また、資格証明書を交付した後についても、被保険者が医療を受ける必要が生じ、医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合には、短期被保険者証を交付することができるとされております。

─ 資格証明書の運用につきましては、このような制度の趣旨を踏まえ、被保険者が必要な医療を受けられるよう、個別の状況に応じたきめ細かな対応について、保険者に対し引き続き、会議や研修会、市町村を訪問する事務指導を通じて、助言してまいります。

先に申し上げましたが、無保険者、また、経済的事由による深刻な手遅れが発生しており、私は、こうした実態を県としてもつかむ必要があると考えますし、その痛みをもって行政にあたっていただきたい。こうした事態を生まないために「病気など特別な事情がある場合」には、すみやかに短期証を発行するような指導の徹底をお願いします。

国保の財政安定化基金について

次に、国保の財政安定化基金について伺います。

国は「国保の財政リスク」を「分散軽減」する新しい仕組みとして各都道府県に「財政安定化基金」を設置することを決めました。これは介護保険ですでに導入されている「財政安定化基金」と基本的に同じ仕組みです。介護保険においては、この基金を活用することで、一般会計からの繰り入れをさせない仕組みとなっており、同じことが適用されれば国保会計に重大な影響となります。本県の場合、一般会計からの法定外繰入額は平成25年度で45自治体、総額148億円にのぼっています。

そこで伺います。平成30年度以降、納付金を完納できない市町村に対しこの「基金」を活用して貸付を行ない、保険料の値上げで返済することが危惧されます。この点について県の見解を伺います。また、法定外繰入れについては市町村独自の判断にゆだねるべきと思います。あわせてお答えください。

─ 財政安定化基金は、国保財政の安定化のため、給付増や保険料収納不足により財源不足となった場合に、一般財源からの財政補填を行わなくて良いように、都道府県に設置されるものです。このため、市町村が基金の貸付・交付を受けた場合、その返済等の財源については、保険料により賄うことが基本ではないかと考えています。

─ 一方で、市町村国保会計に財源不足が生じた場合に、一般会計からの繰入をすることについては、ご指摘のように、適切な財政運営を念頭に置いたうえで、それぞれの市町村において御判断いただくものであると考えます。

法定外繰り入れについては市町村の判断ということを確認しました。

国保共同運営準備協議会は原則公開すべき

最後に、国保共同運営準備協議会の原則公開についてです。

県の国保共同運営準備協議会が10月26日開催されました。この「準備協議会」は副知事を先頭に県の担当部長、課長、市町村側からは市長会6名、町村会6名から構成され

  1. 納付金の設定
  2. 保険料の標準設定
  3. 県が設置する財政安定化基金の運用
  4. 国保運営方針の作成など

国保の広域化に向けて最も重要な課題を協議します。国保の広域化に関する重要案件は事実上「準備協議会」ですべて決められていくと思います。今回の国保の広域化は国保始まって以来の制度改正であり、「地域医療構想」「医療費適正化計画」と3点セットで医療給付費の抑制をめざす医療改革の核心部分となっています。医療関係者だけでなくすべての県民の生命や健康に関連する国保の「広域化」方針だけにその中身を決めていく「準備協議会」は原則公開すべきと思いますが、県の見解を伺います。

─ 「福岡県国保共同運営準備協議会」につきましては、その内容を公開することにより、会議での自由な意見表明が妨げられたり、県民に誤解を与えるなどして、協議に支障を生じる恐れがあるため、当該協議会において、非公開とされたところです。なお、協議内容につきましては、議事要旨として公開することとしております。

議事要旨の公開は当然です。国保の運営方針を決める国保運営協議会の協議は公開です。重要な中身を決めるものであるからこそ、公開し傍聴や意見陳述ができるようにすべきです。強く要望しておきます。

国保への支援を国に強く求めてもらいたい―保健医療介護部長への質疑

最後に部長に伺います。課長も答弁されましたが、国保が抱えている構造的な問題は国が示している新たな財政投入や仕組みでは解決しないと思います。

全国知事会が要請したように「協会けんぽ」なみの国保料とするためには、1兆円の国費の投入が必要です。国保が発足した時は医療費の45%を国がみていました。発足当時より被保険者の高齢化が進み、低所得者が圧倒的多数となっている国保への支援を国に強く求めていただきたいと思います。改めて部長の答弁を求めます。

─ 市町村国保につきましては、委員ご指摘のとおり、高齢者の割合が高く、それによって医療費水準も高くなる一方で、無職者の割合が高く所得水準が低いために、保険料収入が得にくい構造となっており、市町村国保は、厳しい財政運営を余儀なくされていると、私も認識しております。

─ 今般、国と地方の協議の結果、平成27年度から段階的に公費を追加投入し、29年度以降、毎年約3,400億円の財政支援の拡充を行うとともに、30年度以降も不断の検証を行い、その結果に基づき、必要な措置を講じることが、法律に明記されたところです。

─ したがいまして、県としましても、将来にわたり持続可能な制度の確立と国民の保険料負担の平準化に向けて、国定率負担の引き上げ等財政支援の方策を講じ、今後の医療費の増高に耐え得る財政基盤の確立を図るよう、引き続き国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。

国の支援が決定的ですから、強力な要請をお願いします。併せて部長に要望です。今回、介護保険と同様に県が責任を負う財政安定化基金が設置されます。国は、全国で2,000億円の財政規模を想定しているようです。どう使われるかが重要です。後期高齢者医療の財政安定化基金は保険料の抑制等にも活用されています。基金が被保険者の立場に立って運用されるよう関係機関と協議をしていただくことを強く要望し私の質問を終わります。

決算特別委員会でコミュニティバスへの県の支援について質問しました。

生活交通確保対策について伺います。2002年に乗り合いバス事業の規制緩和が行われ、不採算のバス路線が廃止されるなど、県内の公共交通に大きな影響を与えています。規制緩和以降、県内いくつの路線が廃止され、どのくらいの市町村に影響があったのか、また、その総延長をお答えください。

― 平成26年度までの廃止路線数220路線、影響市町村数55市町村、廃止総延長1,571qです。全60市町村のうち、影響を受けなかった町村は、東峰村、大刀洗町、大木町、上毛町、築上町です。

すごい廃止数ですね。55の市町村ということはほとんどです。1500キロといえば、福岡から東京をはるかに超えて東北まで行ける距離ですよね。わずか10年と少しで、地域の足は本当に劇的に失われたことを示していると思います。廃止されたバス路線で、市町村が運行するなど生活交通を確保している路線はどれくらいありますか。また、その負担額もお答えください。

― 廃止後に、市町村によるコミュニティバスの運行等により生活交通確保を行っているのは83路線です。また、平成26年度のコミュニティバスの運行に関する市町村負担額は、9億3千万円です。

市町村も地域と地域の足を守るために10億近い財政支出をしながら頑張っているということだと思います。それでも失われた220路線のうちの83路線しかカバーできていません。3分の1程度です。移動の手段がなければ、買い物や病院にさえ行くことができない高齢者の引きこもりや、高校生が通学できないとなると子育て世代も住めなくなるなど、地域存続の危機です。コミュニティバス事業は大変重要だし、必要に迫られている事業で、もっと増やしていかなければならないと考えます。そうした観点からも県の助成制度は大変喜ばれていると思います。県が行っている生活交通確保対策補助制度について、その概要と実績についてお答えください。

― 生活交通確保対策補助金は、市町村のコミュニティバス運行経費や路線バス維持補助額及び市町村がコミュニティバスの車両等を導入あるいは更新する際の経費に対する補助制度として、平成23年度に創設されたものです。補助金の各年度の交付実績は、

  • 平成23年度は、28市町村に、5500万円余。
  • 平成24年度は、30市町村に、9000万円余。
  • 平成25年度は、30市町村に、7600万円余。
  • 平成26年度は、26市町村に、3400万円余です。ただし、26年度は、補助対象期間変更に伴い、9月までの半年分の実績です。
平成26年度生活交通確保対策補助金実績.png

確認ですが、県は市町村が行っている赤字補填に対して補助率を決めているということですね。収支率が50%を超えていれば、赤字補填の20%、50%未満であれば赤字補填の8%を補助、ということで制度は開始されましたね。

― 県の生活交通確保対策補助金については、コミュニティバスの運行支援を強化する観点から平成26年度に制度の見直しを行い、

  • 収支率が低いために補助対象路線とならなかった路線のうち、収支率改善に一定の努力がなされたものについて、補助を行うこととしました。
  • 補助率8%の路線のうち、一部の路線について14%に補助率を底上げする制度を導入しました。
  • 当面、現行制度を活用し、市町村を支援してまいります。

    収支率50%以上か未満かで補助率をかえてきたということですが、収支率50%以上の路線はどのくらいありますか。

    ― 収支率50%以上の路線は、平成23年度は9路線、平成24年度は7路線、平成25年度は6路線、平成26年度は6路線でございます。全補助路線の12%に当たります。

    ほとんどが50%以下ということですね。もともと不採算の路線だから廃止されたのであって、その路線で収益を上げることは大変困難です。私の地元でも西鉄が撤退した後、お出かけ交通という形でコミュニティバスが運行されていますが、対象地区は市街化調整区域であり、人口も少なく、収支率を上げるのに苦労されています。運行している業者は「地元の皆さんのためということで、引き受けていますが、どうしても赤字ですから、人件費を下げて対応し、どうにか続けているということです。」とおっしゃっています。ジャンボタクシーを走らせているこのお出かけ交通は、1日当たりの利用者は10数人なんです。それでも収支率は35%ということでした。つまり、人件費をカットしている、ボランティアのような形で運行しているということなんですよ。収支率の低いところは努力が足りないということではなく、苦難の中で、無理に無理を重ねて事業を継続していただいています。市町村による赤字の穴埋めも全額でなくわずかです。全県的にも同じ状況だと思います。 収支率が低いところへの補助が8%というのは、やはり少ないです。収支率が低いところに対しての補助率を底上げする検討が必要ではないかと思いますがいかがですか。

    ― 生活交通確保対策補助金については、先ほど述べたとおり、平成26年度に制度の充実を図ったところです。当面、現行制度を活用し、市町村を支援してまいります。

    補助率を2段階から3段階にして補助率を上げているということですが、むしろ収支率の低いところへの底上げが必要ではないかということを指摘しておきます。北九州市は、県の補助制度を活用していません。せっかくの制度が周知されていないということはないでしょうか。県の制度も活用し、できるだけ業者の負担を軽くすることが必要だと考えます。県は、中小企業振興条例を作ったばかりですが、赤字を引き受けてまでも地域振興に寄与している中小業者支援という点でも、補助制度の充実と市町村との連携が欠かせないと考えます。この点について、見解を伺います。

    ― 市町村への周知については、毎年9月から10月にかけて、翌年度の事業予定調査にあわせて、補助制度を文書で通知し徹底を図っています。市町村との連携については、地域の生活交通の課題について、市町村が住民代表や交通事業者等で協議する「地域公共交通会議」の場において必要な助言をおこなうとともに、今年度から各市町村長を訪問し、地域公共交通の活性化に向けた取り組みを説明しているところです。また、市町村担当職員に対し、交通政策に必要となる専門知識の習得や地域の課題解決についての研修などもおこなっています。

    県の制度がさらに充実改善することで、市町村は路線の拡大や利用者の利便性の向上に取り組めると思いますので、市町村の運営の実態についても聞き取っていただき、制度の充実と予算の確保をお願いします。九州各県でも同様の制度を持っていますが、熊本県で2億1000万、鹿児島県で1億4千万など本県以上の予算規模で、赤字路線に対する補助率も市町村負担の2分の1、3分の1など本県を上回っています。検討と充実を切望します。

    最後に、コミュニティバスの利便性を高める点から、西鉄の既存路線への乗り入れについて、改善をお願いしたいと思います。先ほどお話した地域ですが、合馬・道原地域から国道322号線まで運行していますが、2キロほど先のモノレール嵐山まで延長してほしいという要望が非常に強いです。ここは西鉄バスの停留所もあります。病院や買い物へ行く利便性が高まると同時に、モノレール駅が結節点になれば、タケノコで有名な合馬や市民の憩い場である菅生の滝まで、観光客が自家用車ではなくお出かけ交通を利用するという利便性も高まります。しかし、2キロほど延長することがいまだに実現していません。地域公共交通会議で協議される内容とは思いますが、交通の結節点をつなぐことは、双方に利点があり、西鉄の既得権益にこだわりすぎることなく、利用者の利便性を図る観点で、県としても助言なりをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

    ― コミュニティバスの路線は、市町村において決定されるものですが、バス事業者との利害調整に際しては、住民の利便性にも十分配慮するよう助言しているところです。今後とも、同様に対応してまいります。

    地域公共交通の確保は、地方創生のカギを握る課題でもあります。さらなる充実を重ねてお願いし、質問を終わります。

山口律子県議の一般質問

投稿: 2015年10月06日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

10月2日におこなった山口律子県議の一般質問と質問に対する答弁の大要です。

  1. 玄海原発再稼働、九電は説明責任をはたせ
  2. 実効性のある中小企業振興条例が必要
  3. 設計労務単価に見合う賃上げ、建退共促進に県の責任をはたせ

玄海原発再稼働、九電は説明責任をはたせ

質問

東京電力福島第一原発の事故から4年半、いまだ10万人を超える被災者が地元に帰ることができず、生活や将来の見通しすら立っていません。

多くの国民は「ひとたび原発事故が起こればコントロールできない。とりかえしがつかなくなる」と考え、どの世論調査でも再稼働反対が6割前後で推移しています。にもかかわらず、政府と九電は8月14日、川内原発の再稼働を強行しました。絶対に許すことはできません。

九州電力は9月3日、佐賀県議会原子力安全対策特別委員会で「玄海原子力発電所の再稼働について」の説明を行いました。「再稼働の時期は明らかではないが、できるだけ早く再稼働をさせたい」と県議会に理解を求めました。

このとき、わが党の井上祐輔県議が、川内原発再稼働の際に5市5町から住民説明会の開催要求があったが、なぜ開催しなかったのか、玄海原発についても住民説明会を開催すべきだと、ただしました。

九電側は「説明会開催は考えていない」の一点張りで、「住民とはフェイストゥフェイスでやっていく」という理解しがたい答弁に終始しました。

これだけ国民的関心、国民的批判が強い原発の再稼働について、説明会すら行わず再稼働に突き進むというのは、やはり常軌を逸しています。

わが党はもちろん玄海原発の再稼働に反対ですが、何がなんでも再稼働を強行するというのであれば、少なくとも説明責任を果たすべきであり、住民説明会は開催すべきです。30キロ圏に糸島市、50キロ圏に県都・福岡市を抱える本県知事のご所見を伺います。

小川知事答弁

九州電力による住民説明会の開催について、お答えします。

玄海原子力発電所については、現在、原子力規制委員会において、新規制基準への適合性審査が行われているところです。

玄海原子力発電所の再稼働に当たっては、その安全性について、まずは、国が責任を持って確認し、国民、住民に対し十分な説明を行って理解を得ることが必要であると考えております。

九州電力においても、説明方法は様々あると思いますが、住民に対し十分な説明をしていただくことが重要と考えております。

真に実効性ある中小企業振興条例が必要

質問

中小企業振興条例を制定すると表明された時、県下の中小企業の厳しい状況を理解し経済回復にしっかり取り組まれるのだと知事に拍手を送る思いでした。ところが本議会に上程された中小企業振興条例案は残念ながら期待に程遠いといわざるを得ません。

国の中小企業憲章は「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」と位置づけ「政府が中核となり、国の総力を挙げて、」中小企業を存分に伸ばし、励まし、支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていくと宣言しています。

ところが県条例案前文は中小企業の「自主的な取り組みを基本とし」、基本的施策でも創業の促進を第一、経営基盤の強化を第二とするなど中小企業に対する県の姿勢は弱いといわざるを得ません。

また、経営の確保が困難であることが多い小規模企業を条例案に内包し、生産性の向上を求める県の姿勢は国が定めた小規模企業振興基本法の理念に沿っていません。新たに小規模企業振興条例が必要と考えます。

企業の99.8%、雇用の8割を担っている中小企業こそ県経済の根幹と位置づけ、県がその支援に総力を上げるべきです。

中小企業振興を進めるには基本計画の策定が重要です。そこでまず中小企業の実態や要望を知るために県・市町村の総力を挙げて中小企業の悉皆調査をおこない、計画策定や公表にはパブリックコメントを実施し、中小企業と地域社会が共に支えあっていることを、学校教育などを通して地域の共通認識にするのが大切です。

今後地域経済の循環を創出する中小企業の振興をどう進めるのか知事のご所見を伺います。

小川知事答弁

今後の中小企業の振興についてお答えします。

中小企業の振興を図るためには、中小企業の成長発展段階に応じて、的確に支援を行うことが何より重要であります。

このため、本条例案では、アンケート調査、ヒアリング調査により把握した県内中小企業の課題やニーズを踏まえ、企業の創業段階から、経営基盤の強化、さらには、新たな事業展開といった、中小企業の成長段階に応じて、施策を効果的に講ずることとしています。

また、小規模企業については、提供する商品、サービスが地域の消費に依存しているため、事業の持続的な発展を図る観点から、域外への販路拡大などについて、事業計画の策定、生産性の向上に係る支援施策を講ずることとしております。

さらに、これらの施策の推進に当たっては、県内4か所の中小企業振興事務所を核に、地域ごとに、支援体制を整備し、県、中小企業支援団体、金融機関、市町村など関係機関が緊密に連携し、地域の力を結集してこれを行うこととしています。

また、条例の実効性を確保するため、概ね3年を期間とする基本計画を策定し、毎年、県内中小企業の動向や施策の実施状況を検証し、公表するようにしたところです。

この条例に基づき、今後、中小企業者1社1社に対し、それぞれの実態を踏まえ、よりきめ細かく総合的に支援することによって、中小企業の事業の継続、成長発展を図ってまいります。

設計労務単価に見合う賃上げ、建退共促進に県の責任を果たせ

質問

全国の建設業就業者は2010年に1995年比で216万人も減少し447万人になりました。29歳以下と55歳以上の就業者の割合は、1997年はほぼ同じでしたが、2013年には29歳以下が約10%まで減りました。2025年には半減し241万人になるとも言われています。

それは福岡県の建設業就業者が10年後に半分の9万人台になり、ほとんどが50歳以上になるということです。これほど就業者が減れば災害復旧はもちろん、日常の建設工事も大変な支障をきたすことになります。建設業に若年者を呼び込むことが喫緊の課題と思いますが、知事の認識を伺います。

日本共産党県議団は、県発注の建築現場を調査いたしました。予想通り現場に若年者はほとんどいません。

ある元請業者は、「暮らしはどうか、保険や建退共に入っているかなど昼休みなど雑談の中で気をつけているが、下請けの賃金は分からない」と心配しています。

政府は20年間下がり続けた設計労務単価を3年間で28.8%引き上げ、大工職で4200円値上げの11930円になりました。しかし、実際には現場では100円200円上がった程度です。県は「適切な賃金水準の通達」を出しているだけで、賃金は民民の関係で関与できないと繰り返していますが、発注者としての責任で実態の把握が必要ではないでしょうか。

また、国土交通省が作成した新労務単価を現場に周知するポスター張り出しの徹底を急ぐべきではありませんか。知事のご所見を伺います。

公共工事を発注する際に賃金引上げと品質確保を行い、ダンピング受注を排除するため広がり始めた公契約条例を導入する時期に来ているのではないでしょうか。知事の認識を伺います。

調査した3つの現場のうち建設業退職金共済制度を申請した下請企業は2箇所が4割、1箇所は38社のうち2社という状況でした。

建退共へは中退共の加入者以外誰でも加入できます。1日310円の証紙を貼付して仕事をやめるときに退職金になる制度ですから、下請け企業の加入・証紙貼付を促進することが必要です。

建退共を普及するために県発注工事の元請業者を指導するなど実効ある政策を求めまして質問を終わります。

小川知事答弁

建設業の若年者人材確保についてお答えします。

建設業就業者に占める若年者の割合の減少が続けば、将来技能労働者が不足し、これまで建設業を支えてきた熟練技能の維持・継承が難しくなるといった課題があると認識しております。

このため、県といたしましては、

  • 建設業の重要性や仕事のやりがいといった魅力を紹介するセミナーの開催
  • 建設業の新規採用者の職場定着のための安全管理の研修や、スキルアップのための技能講習
  • 働きやすい職場環境づくりのための専門家による出張相談

といった取組みを総合的に実施することで、建設業における若年者の人材確保に取り組んでいるところです。

次に、発注者の責任での賃金実態の把握についてのお尋ねです。

技能労働者の賃金実態の把握については、国が、設計労務単価を改定するために、全国の公共工事従事者の賃金実態を調査しております。

この調査には、毎年、県が発注した工事も含まれていることから、その賃金実態も反映されております。

労働者の賃金は、その経験や技量を反映して支払われるものでありますが、国の調査に基づく設計労務単価が、毎年上昇していることから、実際に支払われている賃金も、上昇しているものと考えています。厚生労働省の毎月勤労統計調査の本県分におきましても、建設業の賃金は5.8%ほど上昇しております。

次に、新労務単価を工事現場において周知徹底するポスターの掲示についてお答えします。

今年9月、国から新労務単価の適用現場であることを示すポスターの掲示について要請を受けたところであります。

県では、これを受け、県土整備事務所等に対し発注業者による工事現場へのポスター掲示を徹底するよう指示したところです。今後、現場巡回などにより、ポスターの掲示状況を確認することとしております。

次に公契約条例の制定についてのお尋ねであります。

県が発注する公共工事に携わる労働者の適正な労働条件を確保していくことは、公共工事の円滑な執行を図る上でも重要であると考えております。

本来、賃金などの労働条件は労使間で自主決定されるものです。

こうした原則に加え、労働条件の最低基準を定める最低賃金法や労働基準法などの法令との関係の整理、とりわけ最低賃金の遵守を条例で求めることの意義など、慎重に検討すべき課題があることから、他の自治体の取組みについて情報収集を行いながら、引き続き、研究を進めてまいります。

次に、建退共制度の普及のための取組みについてお答えします。

建退共制度は、建設業に従事する労働者の福祉の増進と、雇用の安定に寄与するものであります。

このため、県では、元請業者に対し、下請業者分を含む共済証紙を購入して、下請業者に交付するよう求めているところであります。

また、その共済証紙の購入状況を確認するとともに、共済証紙が配付されることを労働者が認識できるよう、現場事務所や工事現場の出入口に「建退共制度適用事業主工事現場標識」を掲示することとしております。

今後とも、引き続き、このような取組みを進め、制度の普及に努めてまいります。

再質問

要望します。

ある中小企業経営者は会社を維持するため全国を飛び回り、それでもいつ倒産するかと苦しんでいます。商店や市場の皆さん、小規模企業はもっと深刻です。

県内中小企業の8割を占める小規模企業の困難な経営への支援や、下請け企業の公正な取引の促進、財政上の措置へ特段の取り組み強く要望します。

建退共標識はどの現場でも、ほとんど周知されていません。県は元請から下請け業者へ繰り返しの指導を要望します。

賃金はあがっていると考えているとのことですが、国の調査では三分の二が上がっていません。建退共と同じくポスターの張り出しだけでは不十分です。ポスターの徹底と繰り返しの指導を要望し質問を終わります。

県議会での一般質問(10月1日)

投稿: 2015年10月03日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

福岡県議会で一般質問をおこないました。その時の質問と答弁の大要です。

  1. 戦争法(安保法制)廃止の声を発信せよ
  2. 特別支援教育を私学助成の拡充を
  3. メガソーラー乱開発規制

戦争法廃止の声を発信せよ

質問

まず、安保法制についてです。

9月19日未明、安倍自公政権は、憲法違反の安保法制を、国民の多数が反対する中、強行採決しました。満身の怒りを込めて抗議を表明します。我が党は「国民連合政府」を呼びかけ、この法律を廃止するために全力を挙げる決意です。

この法律については、圧倒的多数の憲法学者、歴代内閣法制局長官、全国の弁護士会、そして最高裁元長官、元判事も憲法違反であると断じています。

自衛隊が戦闘地域で武器弾薬を運ぶ後方支援という名の兵站活動は、憲法9条に明らかに反していると思いますが、知事のご所見を伺います。

500万県民の命を預かる長として、憲法違反の戦争法は廃止すべきとの声を上げるべきだと考えます。知事の見解をお聞かせください。

小川知事答弁

お答え申し上げます。平和安全法制についてです。

平和安全法制は、我が国をとりまく安全保障環境が厳しさを増す中で、政府が法案を提出し、国民の代表である国会の衆参両院における審議・可決を経て成立したものです。

平和安全法制の内容については、安倍総理から、「国民の皆様の理解が更に得られるよう、政府としてこれからも丁寧に説明する努力を続けていきたい」との考え方が示されています。

安全保障政策の一義的な判断主体であります国において、国民に対し、しっかり説明を続けていただきたいと考えています。

また、当然のことでありますが、法の施行に当たっては、適切な運用、これをお願いしたいと考えています。

特別支援教育と私学助成の拡充を

質問

次に、特別支援教育とこれにかかわる私学助成拡充について伺います。

特別な支援を要する児童生徒は年々増え続け、本年、特別支援学校の在籍者は3063人、特別支援学級は、この10年間で小学校も中学校も学級数が倍増し、在籍児童生徒数は10年前の2.5倍7953人にも上っています。通級指導教室に通う児童生徒数は2456人。

さらに不登校は、昨年度中学3年生だけで1588人、また、人数の掌握が困難な発達障害を持つ生徒も相当数に上ると推察でき、高校教育を保障する上では、1学年3000人以上の生徒に特別な支援や配慮が必要ということになります。

これに対して、特別支援学校の高等部も定員を増やしていますが、その枠は1学年400人程度であり、県立高校での受け入れは、入試の際に配慮した人数で本年度53人、合格者は41人です。

数の把握が難しい側面はあると思いますが、特別な支援を必要とする生徒に対し、公教育として十分に責任を果たしているといえるでしょうか。

高校教育の保障について県の取り組み、現状をどのように認識し、どのように学習権を保障しておられるか、また、今後生徒の受け入れを拡大していく方向があるのか、特別支援学校高等部と県立高校それぞれについてお答えください。

このように支援の必要な生徒が増加する中、その少なくない部分を私学が担い、学習権を保障している実態があります。

先日視察したある私立高校は、すべての子どもの学習権を保障するという立場から、療育手帳を持つ生徒を含め、さまざまな困難を抱えている生徒を受け入れ、ともに歩む教育を実践されていました。

入学者の8割が不登校を経験しており、発達障害による人間関係の躓きが不登校の原因になった例が多いと聞きました。学校に直接通えない生徒のために、公民館など5か所でも授業を行い、また空き家を借りたフリースクールでの授業も行っています。

家庭訪問を繰り返し、子どもたちに寄り添う取り組みの中で、次第に自信をつけ、人を信頼し、前向きに歩き出していくさまは、実に感動的です。

そこで、お尋ねします。特別支援学校の高等部は1クラス9名ですが、高等学校の場合は、支援の必要な生徒の数にかかわらず、1クラス40名です。出先の授業、細やかな対応を行うための教師の加配、学習がおくれている生徒のための教材教具費など費用がかかるため、援助の充実を切望されていました。

私学振興に直接責任をもつ県としてどのような支援をどの程度行っているのか、お答えください。

専任教師を雇用した場合に一定の助成があるということですが、それだけで一人を雇うことはできません。助成制度の充実について、見解を伺います。

教育長答弁―県立高校への受入れ

特別な支援を要する生徒の県立高校への受入れについてです。

発達障害など特別な支援を要する生徒が高等学校への進学を希望する場合には、できる限り教育の機会を確保する観点から受入れについて配慮しています。

その手立てとして、高校受検に当たっては、入学者選抜の公平性を担保しつつ、別室受検などの特別措置を講じています。

また、入学後についても、障害のある生徒全員について、個別の教育支援計画を作成するとともに、特に必要な場合には支援員を配置するなどの対応を行っています。

今後とも、障害のある生徒の学校選択の幅が拡大するよう、適切な配慮に努めたいと考えます。

教育長答弁―特別支援学校高等部の受入れ

特別支援学校高等部の受入れについてお答えします。

これまで、増大する特別支援学校高等部への進学ニーズに対応するため、県立特別支援学校の整備に関する計画に基づき新たに高等部を設置する等、生徒の受入れを拡大してきました。今後とも、高等部への進学ニーズの動向を踏まえ、適切な就学機会の確保に努めてまいります。

小川知事答―弁私立高校の特別支援教育に対する助成

私立高校の特別支援教育に対する助成についてお答えします。

県では、特別な支援を要する生徒に適応した教育環境の整備、教育の充実を行う私立学校に対する支援を行っているところでございます。

具体的には、手すりの増設・トイレ改修等の施設整備に加え、発達障害の生徒を支援する校内委員会の設置、特別支援コーディネーターや専任教職員の配置について、助成を行っております。

平成26年度は、施設整備について5校、校内委員会の設置16校、特別支援教育コーディネーターの配置12校、専任教職員の配置1校に対して、それぞれ助成を行ったところです。

今後とも、これらの助成制度を十分活用して、私立高校における特別支援教育の充実を図ってまいります。

メガソーラーの乱開発規制について

次に、メガソーラーの乱開発規制について伺います。

先日、日本列島を襲った集中豪雨で鬼怒川が氾濫、大規模災害となりましたが、その原因はソーラーパネル設置のため土手を大規模掘削したことによると報道されております。2ヶ月前には、群馬県で突風により1枚25キロもある太陽光パネルが2,000枚も飛びました。

福岡県は、全国一太陽光パネル設置が進んでおり、これに伴い、安全確保、防災、環境保全の観点から不安の声が出されています。予測できない集中豪雨などが頻発し、実際、県内でも、田川市や柳川市でパネルが吹き飛ぶなどの被害が出ており、これに対する対策は喫緊の課題であると考えます。

飯塚市白旗山には34ヘクタールもの大規模開発が計画されていますが、この周辺には8700人もの住民が住んでいます。危険すぎる、森林の保水力がなくなれば、農業用の水の確保ができるのかと反対の声が上がり、市長も「危険性が高いということであればやめていただきたいということを言っていかなければならない」と議会で答弁されています。

計画書を見ると、林地開発の許可要件となっている森林部分26パーセントを残し、あとは樹木を伐採、山ごとメガソーラーになる計画です。白旗山周辺は県が指定した土砂災害警戒区域や特別警戒区域です。土砂災害の危険と併せて閑静な住宅地の景観は一変します。

そこで知事に2点伺います。

メガソーラーには立地基準もなく、林地開発の環境保全基準は、住宅地のそばのメガソーラー開発でも、25パーセント残せばよいとなっています。飯塚市長もメガソーラーの乱開発から住民の安全や住環境を守るためには法の整備が必要だと指摘しています。

県としても、森林法の整備を国に要請し、危険な大規模開発に規制をかけるべきだと考えます。知事のご所見を伺います。

また、飯塚市白旗山の林地開発許可の判断に際しては、防災、環境保全、住民の不安などを十分考慮すべきだと考えます。ご所見を伺い質問を終わります。

小川知事答弁

メガソーラー設置における森林法の適用についてお尋ねがございました。

県では、森林の開発許可に当たっては、森林法に基づき、一定量の森林を確保する「環境の保全」の項目に加え、「災害の防止」、「水害の防止」、「水の確保」といった観点からも、審査をおこなっているところであります。

また、許可した場合は、開発行為が完了するまで、随時現地調査を行い、森林法が遵守され、開発行為が許可どおり行われるよう、開発行為者を指導しているところであります。これにより、開発後も森林の持つ公益的機能が維持されるものと考えます。

なお、メガソーラーの安全性については、電気事業法により、設備の強度や施工が一定の技術基準に適合するよう義務付けられているところであります。

飯塚市の案件については、9月14日に開発業者から申請があっておりますけれども、現在、森林法の基準に照らし、厳正に審査しているところであります。

第二質問―メガソーラー規制についての要望

メガソーラー規制について要望します。

現在の森林法では、25%残せば、34ヘクタールという途方もない乱開発であっても許可できることになっています。75%も開発して公益的機能が維持できるでしょうか。法を遵守しても、住民の安全は守れないからこそ、大問題となっています。こんな乱開発を行えば、必ず災害が起きます。

知事は昨日グリーンインフラを進めるといわれました。一方でこんなグリーン破壊を進めるのですか。国に対して法の整備を求めることは最低限必要だと思います。また、森林法にかからない1ヘクタール以下の開発も各地で行われています。

水巻では、法すれすれの0.98ヘクタールで、しかも地滑り地帯のすぐそばです。

立地基準がないため、どんなに住宅地に接していても、急傾斜地であっても規制できません。県が独自に規制をかける条例制定がどうしても必要だと考えます。

これらの点について、住民の意見を聞き、現地を見て、十分に検討していただくことを強く要望し、質問を終わります。

6月定例県議会をおわって

投稿: 2015年07月22日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

6月定例県議会を終わって.png

県議空白を克服し、日本共産党の役割が鮮明に

  1. チェック機能の復活
  2. 本定例会には、一般会計予算を含む予算議案20件、条例議案12件、専決処分1件、契約議案10件、経費負担3件、高速道路公社の定款変更1件、人事案3件が提出されました。

    党県議団は、予算議案では、一般会計予算案、河川開発事業特別会計予算案、県営埠頭施設整備特別会計予算案、工業用地造成事業会計予算案の4件に反対しました。

    条例案では、県職員の退職手当及び再任用に関する改正案、県税条例の一部改正案、個人情報保護条例の一部改正案の3件に反対。このほか、県税条例の一部を改正する専決処分、福岡北九州高速道路公社の定款変更(人工島延伸)に反対しました。

    「オール与党」「100%賛成」の県議会に4年ぶりにチェック機能が復活しました。

  3. 国の悪政にモノ申す
  4. わが国の進路、国民生活の根本にかかわる戦争法案や原発再稼働問題は、単なる国政問題ではなく、県民の安全・健康・財産等を左右する重大な県政問題でもあります。ところが、これらの問題を県議会で質問したのは、日本共産党県議団だけでした。

  5. さっそく公約実現、県民要求の担い手
  6. さきのいっせい地方選挙で、最重点公約のひとつに掲げた「子ども医療費助成制度」の拡充が、ほぼ決まりました。共産党県議空白時代は「紹介議員ゼロ」「門前払い」だった県民の請願の紹介議員にもなりました。「共産党県議がいると、いないとでは大違い」を実感させる議会となりました。

戦争法案をめぐる論戦と意見書

安倍内閣が提出した安保法制=戦争法案が、国会を延長し審議されている中で県議会が開かれました。党県議団は、山口律子県議の一般質問で「日本を海外で戦争できる国へと変えるこの法案は違憲立法であり、廃案にすべき」と主張しました。これに対して、小川知事は、「安全保障は国の専管事項」として答弁を避け、「国会審議を注視する」と述べるにとどまりました。

オスプレイの佐賀空港配備に関しては、「重大な関心」を持っているとし、「1,県内での飛行頻度と飛行時間、2,県内の飛行経路における高度と騒音の程度、3,県内のノリ養殖に対する影響、などについてさらに具体的に示すよう再三申し入れを行っている」と国に説明を求めていることを明らかにしました。

国民の懸念を反映して、戦争法案の慎重審議・廃案を求める請願が提出されましたが、自公民・県政「オール与党」は「継続審議」とし、たなざらしにしました。

各党提出の意見書では、同法の「成立」を求める案を自民党が、「撤回」を求める案を民主党が、「慎重審議」案を日本共産党が、それぞれ提案しました。

意見書調整会議で、民主は自民案の「取り下げ」を求め、自民は応諾する代償として民主案の「取り下げ」を要求、自民・民主案がいずれも取り下げられるという異例の事態のもと、共産党案のみが採決に付されましたが、賛成したのはわが党のみで不採択でした。

原発再稼働をめぐる論戦

早ければ8月中の再稼働が狙われている九州電力川内原子力発電所について、高瀬菜穂子県議が一般質問をおこない、知事が再稼働反対を表明するよう強く求めました。

小川知事は「安全性について国が責任を持って確認し、国民に対し十分な説明を行って理解を得ることが必要」と答弁、再稼働実質容認の立場を示しました。

また、玄海原発から50キロ圏の福岡都市圏150万人の避難計画について、原子力規制庁が「避難は困難」としていることについて、高瀬県議が「防災計画は万全と言えるのか」とただしたのに対し、知事は「放射線量の実測値等を踏まえ…避難先の調整を行う」などと、福島原発事故の教訓を何ら踏まえない無責任な答弁に終始しました。

高瀬・山口県議の一般質問

高瀬県議は6月30日、議席回復後初の一般質問。現在、入院・通院とも就学前までとなっている、県の子ども医療費助成制度について、義務教育が修了する中学3年までの抜本拡充を要求しました。

知事は「現行自己負担と所得制限を適用して試算した追加予算額は、小学校6年生まで引き上げた場合は、約19億円、中学3年生までの場合は約29億円」と初めて公式に財源試算を明らかにし、入院・通院とも来年度から「助成対象年齢を小学6年まで」拡充する方向で検討していると答えました。はば広い県民運動と共産党躍進が重なり合って県民要求実現の道が開かれました。

高瀬県議はこのほか、「子どもの貧困」が社会問題化しているなか、「メガネ・コンタクトへの助成」について質問。城戸教育長は、「市町村が必要な就学援助を行えるよう、国に対して財政措置の充実を要望する」と答えました。

山口県議は7月1日に一般質問、私立高校の非正規問題を取り上げました。本県の私学では、常勤講師の割合が24.63%と全国ワースト2位、全国平均(12.91%)の倍近くに達している実態を指摘、正規教員増を強く求めました。

知事は「私学への経常費補助は、各学校の生徒数や教職員数等に基づき補助を行っている」と述べるにとどまり、改善の意思は示しませんでした。

予算特別委員会(高瀬県議)、各常任委員会での論戦

改選後最初の予算議会であるため、予算特別委員会が設置され、わが党から高瀬県議が予算委員に選出されました。

高瀬委員は「後期高齢者医療制度」「ブラック企業・セクハラ問題」「深刻な教育不足と少人数学級」について質疑。後期医療については、平成26年、27年と連続して財政安定化基金への積み立てを行わず、保険料据え置き措置を講じなかった県の責任を、他県の負担軽減措置と対比して厳しく批判。

知事保留質疑で、負担軽減のための基金積み立てを知事に強く迫りました。

教員不足問題では、現役大学生に臨時免許を交付するなどの異常事態を指摘、教員採用における年齢制限の緩和・撤廃や正規教員を増やす抜本的な予算拡充措置を求めました。

専門分野別の県議会常任委員会の所属について、高瀬県議は厚生労働環境常任委員会、山口県議は建築都市常任委員会への所属が決まりました。

高瀬県議は筑紫野市の産廃問題について、山口県議は公共工事の設計労務単価について、それぞれ質問しました。

また、特別委員会の所属は、高瀬県議が国際交流スポーツ振興調査特別委員会、山口県議が生涯健康安心社会調査特別委員会に決まりました。

反対討論(山口県議)

7月14日の反対討論で山口県議は、消費税増税不況とアベノミクスによる格差拡大で、政府統計でも実質賃金は24ヶ月連続減少しており、消費増税による県税収入の大幅な伸びは本来社会保障経費に充てられるべきだと主張。前年度並みの本県社会保障予算を抜本的に増やす政策転換を求めました。

知事が全国平均以下の「体力」「学力」を問題視し、学力テスト対策が色濃い中学2年、小学5年対象の県テストの実施を予算化したことについて、「真に学力・体力の向上をめざすのであれば、全国と比べても深刻な本県の教員不足を解決することが喫緊の課題」と指摘、「教育条件整備のための抜本的な予算拡充」を要求しました。

大型公共事業については、小石原川ダム、五ケ山ダム、伊良原ダムなど、事業の緊急性・必要性に多くの疑問があるダム開発や、工業団地開発を引き続き推進する予算が計上されたことを批判、「不要不急の開発を急ぐよりも、河川改修、豪雨防災対策、生活道路整備等の生活密着型・防災型公共事業の優先的推進」を求めました。

戦争法案に関連して、オスプレイの佐賀空港配備は、米軍の拠点化を伴う危険が強く、絶対に容認できないと強調、「佐賀県とも連携した情報収集や、国に対する配備中止の働きかけ」を求めました。

採択された請願と意見書

  • 私立高等学校等に対する助成制度の拡充・強化等に関する請願(全会一致)
  • 私学助成の拡充に関する意見書(同)
  • 認知症への取組の充実強化に関する意見書(同)
  • 畜産の収益力を強化するための畜産クラスター関連事業の継続・拡充を求める意見書(同)

継続審査となった請願

  • 「安全保障関連法制案の閣議決定・国会提出に抗議し、撤回を求める」意見書を国に提出することを求める請願
  • 子育てへの県支援充実を求める請願
  • 「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択に関する請願

6月議会での一般質問

投稿: 2015年07月05日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

福岡県議会のウェブサイトでは質問を動画配信しています。 http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1465

質問1、川内原発再稼働について

福島第一原発の事故が全く収束していない中で、九州電力川内原発の再稼動がすすめられており、全国からも世界からも注目されています。口永良部をはじめ、火山活動が活発化し、地震も増える中での再稼動は許さないと、6月7日には舞鶴公園に1万5000人が集いました。ロイター通信によると、学者と民間機関が行った世論調査で、原発再稼働に反対70.8%、事故の懸念73.8%に上りました。また、避難計画については87.7%、実に9割が評価しないと答えています。この県庁も玄海原発から50キロ圏内にあり、150万福岡市民が暮らします。先日規制基準に適合と判断された伊方原発から北九州地域は150キロ圏です。事故の際の避難経路の確保、防災計画の責任は県が担っています。私は、原子力規制庁に直接尋ねましたが、「150万人の避難は困難」との認識を示されました。500万県民の命を預かる知事として、どのような事故に対しても防災計画は万全といえますか。お答えください。新規制基準が火山の影響に備えるとしているのは、半径160キロ圏ですが、川内原発の周囲には、口永良部島含む39の活火山があります。「巨大噴火の可能性は十分に小さい」という九電の判断を、規制委員会も妥当としていますが、これらの判断に火山の専門家はだれも関与していません。県民の安全と命に責任を持つ知事として、川内原発再稼働をやめるよう表明すべきではありませんか。知事のご所見を伺います。

答弁

質問1−@ 原子力災害に対する地域防災計画について

○県では、玄海原子力発電所で福島と同様の事故が万が一発生した場合に備えるため、国の指針を踏まえ、発電所から概ね30q圏内を「緊急時防護措置を準備する区域」(UPZ)として、地域防災計画及び広域避難基本計画を策定しております。

○これらの計画では、実際に事故が発生した場合、UPZ内では原則として屋内退避し、放射線量の実測値を超えたときに避難することにしております。

○放射性物質の拡散状況によっては、UPZ外でも避難が必要となる場合も考えられます。このような場合、放射線量の実測値等を踏まえ、柔軟に対応し、県であらかじめ把握している全市町村の避難所の収容可能人数や被災状況を参考として、避難先の調整を行うことにしております。

○県としては、広域避難訓練を繰り返し実施し、その結果を検証し、必要に応じて計画を改訂するなど、引き続き計画の実効性を高めてまいります。

質問1−A 川内原子力発電所の再稼働について

○ 川内原子力発電所については、新規制基準に基づく原子炉設置変更許可を受け、昨年11月、立地自治体である鹿児島県及び薩摩川内市が再稼働を進める政府の方針を理解する旨、表明されました。現在、実地における使用前検査が行われております。

○ 川内原子力発電所の再稼働に当たっては、その安全性について国が責任を持って確認し、国民に対し十分な説明を行って理解を得ることが必要であると考えております。

○ 電力事業者においても、しっかり国民、住民に説明をしていただきたいと考えております。

質問2、子育て支援策について

子どもの医療費に対する助成制度の拡充は「ふくおか子ども子育て応援総合プラン」にも位置づけられ、先日、小学6年生までの通院入院について平成28年度中に実施する意向を示されました。子育て世代のもっとも強い要求である子どもの医療費助成の拡充の方向を歓迎します。しかしながら、全国では、すでに5都県で通院・入院を含めた中学生までの医療費助成が行われているほか、県内でもみやこ町で高校生まで、行橋など3市6町で中学生までの入院・通院含めた助成が実現しています。入院のみ中学生まで助成している自治体は県内で実に24市町にのぼります。本県でも義務教育が終わる中学生まで拡充するよう強く求めます。県がどのくらいの拡充を行うのか、市町村が注目しています。現行制度で小学6年まで拡充した場合、中学卒業まで拡充した場合に必要になる予算について明らかにするとともに、知事の見解をお聞かせください。

答弁

質問2−@ 乳幼児医療費支給制度の対象年齢を引き上げた場合に必要となる予算について

○ 本年度当初予算における計上額は39億円余であります。現行自己負担と所得制限を適用して試算した追加予算額は、小学校6年生まで引き上げた場合は、約19億円、中学3年生までの場合は約29億円であります。

質問2−A 乳幼児医療費支給制度の対象年齢引き上げに対する考え方について

○ 県内市町村の助成制度の底上げを図り、乳幼児の健康の保持及び家庭の経済的負担の軽減を目的とするという制度の趣旨ととともに、将来にわたって持続可能な制度とすることも踏まえ、検討する必要がございます。

○ 半数以上の市町村が就学前までとしている通院の助成対象年齢を小学6年生まで、入院も小学6年生までとすることを基本に考えております。

県のみならず市町村にも、大きな財政負担が生じることから、自己負担のありかたも含め、総合的に制度設計を行ってまいります。

質問3、「子どものメガネ・コンタクト」への助成について

医療費の助成が拡充されても、保険適用されていないメガネについては、基本的に全額自己負担です。「子どもの貧困」が社会問題となっていますが、子どもの貧困率は、過去最高の16.3%、6人に一人と発表されています。本県は子育て世帯の50世帯に1世帯、4万3000世帯が「ひとり親家庭」で、これは全国で9番目に高く、公立小中学校に通う子どもの5人に一人が、就学援助の対象になる要保護・準要保護の子どもでその数、約9万3000人、全国5位という深刻な実態です。このことは子どもの健やかな成長に影を落としています。眼科でめがねの買いかえをいわれたが買ってやれない、親に心配をかけるからと学校での視力検査の結果を家に持ち帰らない、など親も子も苦しんでいます。一人親家庭のある母親は、子どもが見えるふりをしていたことにショックを受け、相談にこられました。「進行性のため、めがねを買っても3ヶ月で合わなくなってしまう。コンタクトにするよう医者には言われたが、とても高くて買ってやれない。子どもも気にして見えるといっていたが、星の観察をしているとき、見えていないとわかった」というのです。めがね・コンタクトに補助制度を作ってほしいとの切実な訴えです。私は、子どものめがねについて、保険適用にならないかと厚生労働省にも尋ねましたが、現在の制度では9歳までの弱視などが適用されるのみです。目が見えないままでは、学力にも大きな影響があります。難聴児については、昨年、本県でも補聴器購入の助成制度が「軽度・中等度」まで拡大されました。そこで、教育長に伺います。このような実態についてどのようにお考えになられますか。学校現場で、養護教諭から聞き取りを行うなどの実態調査を行うべきだと考えますが、この点について見解を伺います。神奈川県藤沢市や大和市などいくつかの市町村では、メガネを就学援助の対象にして補助を行っています。生活保護では、メガネは最低生活に必要なものと認められており、メガネの費用に苦労しているのは、生活保護を受けず、ぎりぎりでがんばっているひとり親家庭など低所得層です。子どもの貧困が深刻な本県において、メガネに対する補助制度は学力を保障するうえでも必要だと考えます。合わせてご所見を伺い、質問をおわります。

答弁

問3−@ 就学児童、生徒が眼鏡・コンタクトを変えない実態と補助制度について(教育長答弁)

○ 一般に、経済的理由により児童生徒の就学に支障が生ずるような事態は極力避けなければならないと考えます。ご指摘のあった実態につきましては、確認しておりませんが、就学に関する様々な実態の把握は、学校の設置者である市町村において行われることが適当であると考えております。

○ 補助制度の必要性については、市町村には、経済的理由で就学が困難な児童生徒に援助を与えることが法律で義務付けられており、どのような援助が必要であるかは、それぞれの市町村が判断することとなります。

県教育委員会としましては、市町村が必要な就学援助を行えるよう、国に対して財政措置の充実を要望してまいります。

〈再質問〉

ご答弁をいただきました。知事に申し上げます。

川内原発の再稼働についてですが、九電は、火山の専門家の意見も聞かず、火山に囲まれた川内原発を動かそうとしています。避難経路が新規制基準の対象ではなく、逃げ道が確保できていないことも地元住民の不安を掻き立てています。500万県民の命を預かる長として、また、九電の最大の電力消費地である福岡県として川内原発の再稼働をやめさせる立場に立つべきであることを強調しておきます。

子どものメガネの補助については、学力向上の面からも貧困対策の面からも何らかの措置がぜひとも必要だと考えます。教育長から国に対して必要な就学援助を行えるよう財政措置の充実をお願いする旨の答弁がありました。国に対して就学援助の項目にメガネ・コンタクトを入れるよう要請していただきたいとおもいます。また、それが実現するまでの間、市町村とも話していただき、県としての独自補助も含めて検討していただきたい、ということを要望し、質問を終わります。

原発・エネルギー問題で申し入れ

投稿: 2011年06月03日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

福岡県に申し入れ

4月の選挙で、福岡県議会は、残念ながら唯一の野党・日本共産党の議席を失う結果となりました。「オール与党」となった県議会をチェックするため、日本共産党は、県政対策室をつくり、監視と運動をすすめます。私もその一員として全力をあげます。

6月3日には、「県民の会」の皆さん、県知事候補として一緒に選挙をたたかった田村貴明さん、前県議の真島省三さんと福岡県に対して、申し入れ活動を行いました。原子力発電からの段階的撤退、自然エネルギーへの転換、太陽光発電を含む住宅リフォーム助成制度の実現などを強く要望しました。

県は、玄海原子力発電所について、国と九州電力、立地自治体のやり取りを見守るという従来の姿勢のままで、危機感が感じられません。太陽光発電への補助は全国30の県で実現していますが、福岡県からの前向きの回答はありませんでした。

続きを読む
-->