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2015年に県議会で日本共産党の議席が2議席復活しました。この4年間、2つの議席でも福岡県政を動かすことができました。5議席になれば発言力・実行力がさらにアップします。

日本共産党福岡県議団の2議席は、安倍政権の悪政から県民を守る「防波堤」の役割を発揮しています。子育て支援と教育環境の充実にも奮闘しました。

県内で相次いだ豪雨災害では、被災地へすぐ駆け付け、被災者の声を県や国に届けてきました。「災害対策の質問にいつも懇切丁寧にご教授」(朝倉市議・無所属)、「いち早く寄り添っていただき、声を聞いてくださった」(被災地の首長)など、感謝の声が寄せられています。

  • 国保料を1人8000円引き下げ
    (1兆円の公費投入、均等割・世帯割の廃止をめざします)
  • 後期高齢者医療保険料を1人2211円引き下げ
  • 正規教員を10年前の5倍、1200人の採用に
  • 子ども医療費助成を就学前から小学校卒業までに拡充
    (中学卒業まで完全無料をめざします)
  • 学童保育減免制度を創設
  • 特別支援学校を3校増設
  • 被災地の声を国・県に届けてきました

ブラック企業根絶

2015年予算特別委員会で、日本共産党福岡県議団は違法な時間外労働や残業代の未払、ハラスメントなど、ブラック企業について県に質しました。

県議団は、労働者支援事務所に年間1万件以上の相談があることについて、これは氷山の一角であり、違法行為は広くはびこっていると指摘。その背景には労使双方に労働法制の基礎知識が不足していることをあげ、経営者や労働者に対する教育講座の抜本的拡充、とりわけ、高校生への労働問題への基礎知識について「出前講座」を公私立、専門学校など垣根を作らずに広げよと求めました。

さらに、労働相談が必要な人にその窓口情報が届いていない状況を示し、労働基準監督署や警察、男女共同参画センター、性暴力被害者相談センターなどとの連携を強化し、周知徹底せよと要求しました。

ブラック企業がはびこる背景に、「非正規雇用や不安定雇用の増大」があることを指摘した県議団は、県として正規雇用を増やすことを取り組み、公務の職場での非正規雇用増大に歯止めをかけよと強く求めました。

マタハラは違法です

2016年予算特別委員会で、2015年最高裁で「違法」と判断されたマタニティハラスメントについて県の対応を質しました。

県の答弁では労働者支援事務所で相談を受けてはいるものの、ほとんどが「自主的な解決に向けてのアドバイス」にとどまっています。

3年間での相談件数は82件、自主的な解決が困難と思われる場合に労使間に立ち解決を支援する「斡旋」は、わずか1件であることが明らかになりました。

県議団は、係争中の具体例を挙げ、「被害者は、区役所や労基署に何度も通い、いま裁判をたたかっている。しかし、県の労働者支援事務所はその存在さえ知られていなかった」「国、県、市の連携を強化し、しっかり取り組むべきだ」と追及しました。

2016年6月定例議会では、県管轄の学校現場の臨時教員、特に正規と同様に働く常勤講師の産休制度を取り上げました。

「正規と同等の代替が来ないから辞めてほしい」「育児に専念したらどうか」など自主退職に追い込まれてたり、更新されなかったりと制度上世紀と同等尾のはずの産休が実際には保証されていない実態を突きつけました。

県議団は、「マタハラは人権侵害」「産休取得ができない実態は労働基準法違反」と指摘。教育長の見解を質すとともに、常勤講師が正規と同様に産休が取得できるよう制度の適切な運用を求めました。

無期雇用転換は適正に

2018年12月定例議会で、2018年度から実施される、5年以上の有期雇用者が無期雇用に転換できる労働契約法の改正にともない、各地で「雇い止め」が起こっている実態を告発しました。

臨時雇用が45パーセントを占める私立高校において、「適正な無期雇用転換への指導」と「それを保障する私学助成の拡充」を求めました。

最低賃金をまずは時給1000円に

2018年決算特別委員会で、県議団は全労連が行った調査を示し、「25歳単身者が人間らしく暮らすのに必要な最低生活費は、月額23万円で全国どこでも大差なく、そのためには時給1000円以上必要となる」「政府も加重平均で1000円以上を目標にすると言っている」ことを指摘し、福岡県でも時給1000円以上を求めるよう要請しました。

また、地域間の賃金格差が人口流出入に影響しているとし、全国一律の最低賃金を求めるように質しました。

順位 都道府県名 最低賃金
1位 東京都 985円
2位 神奈川県 983円
3位 大阪府 936円
17位 福岡県 814円

性暴力根絶の議員提案条例が2月議会に出され、共産党は反対をしましたが、その件について、質問をいただきましたので、反対討論を紹介いたします。


議員提出第4号議案「福岡県における性暴力を根絶し、性被害から県民等を守るための条例の制定について」の反対討論

日本共産党のたかせ菜穂子です。議員提出第4号議案「福岡県における性暴力を根絶し、性被害から県民等を守るための条例の制定について」反対討論をいたします。

本条例案は、性犯罪をはじめとする性暴力を根絶し、性被害から県民を守るとともに、性暴力の被害者を支援するために制定しようとするもので、その目的、方向性については、わが会派も賛成であり、かつ必要であると考えます。

しかしながら、県弁護士会が「反対」を表明し、またパブリックコメントでも意見がだされているように、重大な問題点を含んでおり、また、パブコメを経て、LGBT当事者の問題や民間団体との連携などが加えられたほか多岐にわたる文言の修正が行われたにもかかわらず、関係団体や県民に対する周知・協議が不十分といわざるをえず、今議会で議決することは拙速すぎると考えます。条例案の実効性を高める意味でも、十分な議論を経た上での慎重な検討が求められます。

とりわけ、本条例案で問題なのは第17条です。 第17条は、性犯罪を犯して刑期を満了した者に対し、再犯防止及び社会復帰の支援を目的として、その者の氏名、住所、性別、生年月日、連絡先、罪名、刑期満了日の届出義務を課しており、第18条では、該当するものが申し出たときに、知事が再犯を防止するための専門的な指導プログラムまたは治療を受けることを支援すると規定しています。

この点について、県弁護士会は、「個人の特定をともなう前科情報は、高度にプライバシー性の高い情報であり、前科となる判決を受けた者が社会復帰に務め新たな生活環境を形成していた場合に前科情報を公表されない権利は、憲法13条によって保障されることは最高裁判決によっても認められている」と指摘し、「真に加害者の更正への支援を考えるのであれば、前科の届出義務はかえって更正を妨げるものである」「加害者が抵抗なく自ら進んで社会復帰への支援を求めることができるような制度を調査研究して規定すべき」と主張されています。

この指摘は重く受け止めるべきではないでしょうか。また、第18条の指導プログラムは、該当する者が申し出たときに県が提供するとなっており、そうであれば、前科の届出義務の必要はないと考えます。

以上、本条例案には、慎重に検討すべき事項が多く含まれていることから、本議会における拙速な議決を行うべきでないということを強調し、反対討論とします。

「同和対策」の逆流許さず

投稿: 2019年02月13日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

早いもので、議席を回復して4年がたとうとしています。

今期最後の2月議会が始まりました。なんと、この議会に、時代錯誤の「部落差別解消推進条例案」が出されました。2016年12月に成立した「部落差別解消推進法」に基づくもので、都道府県では初の条例です。「部落差別解消」を言いながら、中身は「部落差別固定化」につながる危険なもの。今回は、その報告をしたいと思います。

福岡県は、そもそも同和特別対策の終結が最も遅れた県でした。国は、特別対策を終結する際、3つの理由を示しました。

  1. これまでの膨大な事業の実施によって同和地区の状況は大きく変化した
  2. 特別対策をなお続けていくことは差別解消に必ずしも有効でない
  3. 人口移動が激しい状況で同和地区・対象者に限定した施策を続けることは実務上困難

福岡県でも、国の指摘どおり、混住が進み、生活実態も改善されました。「特別対策は、同和地区と地区外とに垣根を作るもの。特別対策は終結して、必要な施策は一般対策で。」と主張し続け、国に遅れること5年、県の特別対策は2007年に終結したのです。

ところが、今回出された条例案は、いまだ結婚差別や就職差別があるとの前提で、その対策や実態調査を行おうというものです。県が現在行っている「意識調査」には「あなたのお子さんが同和地区の人と結婚しようとしたとき、あなたはどうしますか?」という問いがあります。回答は、「子どもの意志を尊重する47.2%」「親としては反対だが、子どもの意志が強ければ仕方ない24.2%」「家族や親類の反対があれば結婚は認めない4.2%」「絶対に認めない3.5%」。県はこの結果を3割の人が差別意識を持っていると見ているのです。

そうでしょうか。「認めない」はあわせても8%以下です。結婚差別は基本的に克服しているのではありませんか。そもそも、このような問いは、内心の自由を侵すものです。若い世代では、地区外との結婚が圧倒的で、結婚差別は実態としてはなくなっています。あったとしても乗り越えているのです。実質的被害もないのに、「差別が存在する」といって、特別な対策を求めたり、同和教育が必要だといって教員配置を行ったり、予算を要求したり、こういうことこそ、逆に「垣根」を作り、差別解消を遅らせます。

かつてあった「同和奨学金」は、一般対策で「県奨学金」となりました。私が要求した「成績要件なし」、「保証人1人(親でもよい)」「返済は自立してから」などが盛り込まれ、借りやすさも規模も全国トップクラスです。「垣根」を取り払って、すべての人を対象に制度をよくすることが重要だと思います。同和教育(解放教育)の逆流を許さないためにも、議席の確保のため、がんばります。

過大な需要予測でダム建設をおこなってきた福岡県政

2月の予算特別委員会、9月の決算特別委員会で、ダムに関連する水問題を取り上げましたので、報告します。これまで、党県議団が福岡県政の「ムダづかい」の筆頭に上げてきたのが、巨大ダムです。福岡県は、1978年の大渇水を経験しており、水源開発については歓迎する県民世論がありました。これを最大限に利用し、県は、第4次ウォータープラン(基準年1993年、目標年次2008年で、2020年を見通す)をたて、過大な需要予測のもと、次々とダム建設を行ってきました。

この計画推進中に、西方沖地震が起こり、プランとは別に、緊急時に備え、党県議団も推進した「北部九州緊急連絡管」(日量5万トン)が建設されました。さらに福岡市は、海水淡水化施設(日量5万トン)もつくりました。日量10万トンはダム3個分に相当します。さらに、使われていない工業用水なども各地に存在しており、これらを広域利用すれば、新たな水源開発をしなくても十二分に水は足りている状態でした。

しかし、巨大ダム計画は全く見直されず、2010年以降完成のダムは、大山ダム、五ヶ山ダム、伊良原ダム、小石原川ダムで総額6000億にも上ります。

各市町村は、県の需要予測にもとづいて、ダムの利水容量を申請し、その量に応じて、ダム建設費と完成後の責任水量(買い取る水)を負担します。多くの自治体は、すでに水は足りていますから、今後新たに配分される責任水量は、水道代に跳ね返ることになり、今でも高い水道料金がさらに値上げされ、家計を直撃することが心配されます。

水道管がないのに、水を買うの?―うきは市の例―

水道料金の値上げのことばかり心配していた私の想定をはるかに超える事態が、うきは市で起こっていました。なんと、うきは市には上水道がないのです。したがって、上水道管もありません。うきは市は、「おいしい水」で有名なところで、9割の世帯が井戸水、1割は簡易水道なのです。

それなのに、小石原川ダム建設の際に、日量5740トンもの水が必要だと申請し、利水団体となっています。担当者からお聞きすると、「最後のダムだ」といわれ、渇水や今後の水需要、人口減少なども考慮したが、日量5740トンの水が必要との「水道水基本計画」になったということです。

水道管がなければ、水は運べませんが、それでも水を買わなくてはならないというのが、「責任水量」の考え方です。使おうが使うまいが、費用負担が発生します。トン当たりの受水費は、各水道企業団によって差があり、例えば田川地区水道企業団はトン当たり65円、京築地区水道企業団は178円です。県南水道企業団の受水単価を仮にトン当たり100円としたら、うきは市の1日の受水費は57万4千円、年間では2億円を超えます。

財政規模162億円、工事負担金24億円、上水道整備283億円

うきは市の財政規模は、2016年度決算で162億円ですが、小石原川ダムの建設負担金は24億円で、2020年から毎年2億円負担です。これから行う上水道整備には、なんと市の財政規模をはるかに上回る283億円が必要と試算されています。

「すぐに接続」10.9%のみ

では、本当に水は必要なのでしょうか。市のアンケート調査では、「すぐに上水道に接続する」は10.9%のみで、「併用しながら」が20.6%、「今の水が使用できなくなれば」が31.9%、「全く考えていない」が33.5%に上ります。わずか10%の世帯では、水道事業は成り立ちません。水の豊かなうきは市が、水に苦しむことになりました。

問題解決のため、県が広域的な調整を

そもそも、このような事態を引き起こしたのは、県が水需要など示しながら策定した水源開発計画が、実態にあっていなかったからです。私は予算特別委員会で、「市町村が水道事業で困難を抱えている場合には、県が真摯に解決のための手立てを考えるべき」「給水実績と配分水量に大きな乖離が生じた際には、配分水量の見直しを」と求め、水道整備室長は、「配分水量について、・・・見直しが必要な場合は、まずは、関係市町村で協議を行い、水道企業団の合意を得て決定される」と答え、見直しの可能性を初めて認めました。そして、県土整備部長も「市町村、企業団からの要請があった場合には、広域的な調整を担う立場からの助言や調整を必要に応じて行う」と前向きの答弁をしました。

ダムの利水・治水の用途変更可能 配分水量変えられる

さらに、政府交渉においても、この問題を取り上げ、国土交通省から「ダムの治水・利水の用途変更が可能」との助言をもらい、決算特別委員会では、ダム用途変更により、利水容量を減らす提案を行いました。水資源対策課長は、「用途の変更を行うには、関係者の間での合意が必要」と答え、その可能性を示唆しました。

過大な需要予測で開発された水資源は、人口減少の中で、さまざまな矛盾を引き起こさざるを得ません。その時に、広域的な調整を行うべき県が、その責任を果たすことが極めて重要です。2回の質問は、県の調整と指導責任について明確に答えたもので、今後に生きるものと確信します。

最後に、先日、農林水産委員会の視察でお会いしたうきは市長から「ご心配をおかけしています。ありがとうございます」とわざわざお礼のご挨拶を受けたことを報告します。県民の困難解決のために、また、無駄な開発を止めるために、これからも頑張りたいと思います。

災害の規模による制度の線引きをやめること、「人工がけ」も制度の対象に、災害対策の県の基金創設を求めました。

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仮設住宅の期限について必要に応じて延長するよう国に強く求めよ、農業者支援策である「経営体育成支援事業」の昨年と今年の制度の違いの説明と見解は

日本共産党の高瀬菜穂子です。災害対策についてお尋ねします。

6年前の八女を中心とした豪雨災害、一昨年の熊本地震、昨年の九州北部豪雨災害、そして今年の西日本豪雨災害と毎年のように災害が続き、職員の皆さんもその対応で本当にご苦労されていると思います。災害対策については、本9月議会においても、さまざまに議論されてきましたが、私が本日まず、取り上げたいのは、災害の規模により、制度の適用に線引きがあるという問題です。

第一に、仮設住宅の期限についてであります。先ほど栗原委員から同様の質問がありましたので、重複を避け、質問を省略しますが、熊本地震と昨年の九州豪雨災害では、国の対応に大きな違いがあります。

特定非常災害の場合は延長を認めるが、そうでない場合は、期限は2年で延長しないということです。先ほども指摘がありましたが、昨年の九州北部豪雨災害は、9時間で700ミリを超える豪雨により、大量の流木と土砂の流出を伴う甚大な被害をもたらした災害でした。そのため、復旧についても時間がかかっており、自宅を元の場所に再建できるかどうかの判断にも時間を要します。そんな中で、国が「期限は2年」で延長は認めないというのはあまりに冷たいやり方ではないでしょうか。被災の実態や復旧の状況を勘案して、実情にあった措置をとるべきだと思います。災害の規模により線引きするのでなく、被災者が一人たりとも路頭に迷うことがないように、仮設住宅の期限について必要に応じて延長するよう国に強く求めていただきたいと思います。

次に被災農家の問題について伺います。

農業者支援策である「経営体育成支援事業」について、昨年と今年とで制度に違いがあります。ご説明いただくとともに、これに対する県の見解を明らかにしてください。

中馬俊介 水田農業振興課長

国の経営体育成支援事業については、原則、補助率が10分の3以内となっており、事業成果の目標設定などの採択要件があります。

その上で、実際に災害が起きた場合、施設や農業機械の全国的な被害状況を考慮して、補助率や採択の要件が緩和される「被災農業者向け」経営体育成支援事業が発動されると聞いております。

例えば、最近の事例では平成28年熊本地震や今年の7月豪雨災害で、この事業が発動され、補助率を2分の1以内に引き上げるなどの措置が講じられております。

県としましては、こうした状況であることから、国に対して補助率の引き上げや予算確保などの要請を行ってきたところでございます。

被災者向けの施策については、災害の規模によらず、平等柔軟に対応するよう、国に対して強く要求すべきと思うが、県の見解は

熊本地震や今年の災害は被災農業者向けの制度が発動されたのに、昨年の北部豪雨災害では、「被災農業者向け」は採用されずに、通常の「融資主体型」の優先適用になったということです。県も国に対し、補助率の確保などを要求したとのことですが、あれだけの被害をもたらした災害で、「被災農業者向け」ではなくて、通常の制度の適用ということに、まず驚きを隠せません。

6年前の八女市を中心とした北部豪雨災害、2016年の台風被害や熊本地震、そして今年の豪雨災害では「被災農業者向け」が適用されており、融資が前提でない支援策が適用され、特に熊本地震と今年の豪雨災害では、補助率が通常の30%から50%にまで引き上げられています。

昨年の豪雨で被災した農家の方は、「被災農業者向け」ではないため、融資を受けることを前提に、事業の拡大や合理化などの事業計画を提出し、その成果を求められることになっています。「復旧に向けて、くじけそうになりながら精いっぱい頑張っているところに事業の拡大とか効率化とか6次化などといわれても、逆に気力を失ってしまう」と寄り添って支援したJAの方もおっしゃっていました。県も事業の申請に当たって簡素化などの支援を行ったと聞いておりますが、私はこうした被災者を追い込むようなやり方に、怒りを感じます。被災した農家には無条件に、「被災農業者向け」の制度が適用されるべきです。ぜひ国に求めていただきたいと思います。

さらには、熊本地震の際には適用された商工業者のための「グループ補助金」制度も昨年は適用されず、熊本地震では公費で行われた「半壊家屋の解体」も朝倉・東峰では行われず、被災自治体に大変な負担をかけました。

このように災害の規模によって、被災者支援策の多くに線引きがあり、どの制度も受けられない、あるいは負担を強いられるというのは、あまりに理不尽ではないでしょうか。家を失い、家族を失い、田畑を失った被災者の苦しみ、悲しみに違いはなく、今後、被災者向けの施策については、災害の規模によらず、平等柔軟に対応するよう、国に対して強く要求すべきだと考えます。この件に関し、県の見解を伺いたいと思いますが、総括してお答えできる部署がないということですので、代表して「被災者生活再建支援制度」について、福祉総務課長のご答弁をお願いします。

野上明倫 福祉総務課長

同一の災害で被害を受けても、市町村ごとの被害世帯数によっては、法が適用されない場合がございます。半壊世帯や一部損壊世帯には支援金が支給されません。現行の支給額では、住宅の再建には不十分であるといった課題がございます。

このため、県では制度の見直し向けて県議会とともに繰り返し、国に要望するとともに、全国知事会を通じて働きかけを行ってまいりました。

全国知事会では、これらの課題の解決に向け、現在、国への提言案を検討するためのワーキンググループが設置され、自助・共助・公助のバランスを踏まえたうえで支給対象の範囲、支給額、見直しに伴う財政負担のあり方について検討されております。

県では、被災された方々に寄り添った見直しが行われるよう、県議会とともに、引き続き国に働きかけを行っていくとともに、全国知事会に対して本県の意見を伝えてまいります。

人工崖の所有者に資力がなく、復旧工事ができない場合、どうすればよいか

災害そのものの規模は小さくても、被災者が受けた被害には違いはありません。大規模災害復興法や改正災害対策法には、基本理念の一つとして「被災者一人一人の生活再建」が盛り込まれました。これに照らせば、災害規模の大小で適用対象の線引きをすることは不適切だと考えます。被災者の実情を直視し、実態にあった制度へ見直すよう、国に求めていただくように重ねてお願いいたします。

次に、本議会一般質問で山口律子議員が取り上げました「人工がけ」に対する対応について、伺います。

先日の知事答弁は「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」の対象が「自然がけ」に限られているから、人工がけは対象にならない、という法律を説明するだけのものでした。しかし、この問題は、安全安心のまちづくりを進める上でも、防災・減災対策の観点からも避けて通れないものです。

例えば、これは小倉南区湯川2丁目です。足立山のふもとが造成され、急な坂道に家が立ち並んだその一番奥、山を支えていたコンクリート壁が崩れました。当初、道路いっぱいにがれきが広がったわけですが、それを市が一か所に集め、今もそのままの状態です。壁が崩れたため支えを失って、少し上の山に亀裂が入っています。周辺住民は、亀裂がはいったところから土砂が崩れれば、甚大な被害となるため、雨が降るたびに気が気ではないと言っておられます。北九州県土整備事務所に直接見ていただきましたが、「制度上、どうすることもできない。しかし、このままでは危険だ。」と、そして同様の場所はいくつもあるとも言われました。この写真のすぐ下に家があり100軒。近くの家が並んでいます。改めてお聞きしますが、人口がけが崩壊したところを放置していれば危険ですね。所有者に資力がなく、復旧工事ができない場合、どうすればよいとお考えですか。

野上嘉久 砂防課長

県や市町村が実施する災害復旧事業対象となるのは、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」により、がけ崩れ箇所が「自然がけ」に限られております。このため、宅地造成や切土、盛土などにより形成された、いわゆる「人工がけ」については、その行為者の責任において対策することとなります。

なお、今回の豪雨を受け、災害復旧事業の採択要件の対象となる「自然がけ」におけるがけ崩れ箇所については、県、市町村で連携し、しっかり、土砂災害対策に取り組んでまいります。

県内すべての市町村と共同してなんらかの基金創設が必要ではないのか

つまり、前回知事答弁と同じく人工がけについては、原因をつくった者の責任だから公的支援はできないということですね。第一義的には原因者の責任であることはいうまでもありません。しかし、原因者が特定できなかったり、資力がなかったりする場合は、どうなるのか、ということなんです。

今年、大阪地震でのブロック塀の倒壊により、幼い命が奪われ、その後、危険ブロック塀の撤去のための予算がつけられました。また、「がけ地近接等危険住宅移転事業」は、がけ崩れなどの危険がある区域内にある既存の住宅を除去し、安全な場所へ移転する住民に対し移転費用などの補助を行う事業ですが、いずれも危険除去のため、人工構造物に対して行為者へ、原因をつくった者への公的支援を行う制度です。

それならば、多くの住宅を危険な中に放置するのでなく、人工がけについても、公的支援の対象、「急傾斜地崩壊防止」事業の対象とすべきではないでしょうか。ぜひ検討していただくよう、要望しておきます。

先ほど述べましたように、災害の規模によって国の支援が異なる不条理を、昨年の朝倉地方の被災者支援で具体的に指摘してきました。

被災直後の昨年の9月議会で、本県独自の災害基金の創設の問題について質しました。その際、中越地震において、新潟県が国の支援によって3000億円の基金を設置し、その運用利子を利用して毎年60億円の予算を10年間にわたって措置し、国にない県独自の様々な支援策を採用して、災害復旧・復興に大きく役立った事例を紹介しました。

また、昨年の質問では触れませんでしたが、本県でも県内すべての市町村の参加で「福岡県市町村災害共済組合」を1973年(昭和48年)に設立し、被災自治体が災害復旧・復興のため、自ら積み立てた基金を自由に取り崩して使えるようにできることや、地方債を起こすときには、その融資にあてることができる共済組合を、2013年(平成25年)まで持っていました。この共済組合は、災害という非常時に備えた県内市町村の共済組合でしたが、解散時には158億円という基金を持っていました。

本県の場合数年に一度どころか、昨年、今年と連続して大規模な災害が発生しています。被災者に寄り添い、国の支援に乗らないが被災住民と自治体にとって必要不可欠な災害支援が柔軟に行えるよう、県内すべての市町村と共同してなんらかの基金創設が必要ではないでしょうか。県の見解を伺います。

後藤和孝 財政課長

災害発生時、避難所の設置や仮設住宅の供与など応急的に必要な救助の財源に充てるための現行制度として、各都道府県は、災害救助法に基づき災害救助基金を設置しております。

また、災害復旧・復興対策に伴う財政需要につきましては、国庫補助金や地方財政措置などを活用し、対応することとしております。

さらに本県では、大規模災害など不測の事態に備えて財政調整基金を設置しております。被災者への柔軟な支援など災害の復旧・復興に係る対策の実施におきまして、財源不足が生じた場合にはこれを活用することとしており、今後とも財政運用営に支障がないよう努めてまいります。

全国のいくつかの県で、県独自の基金の創設が徐々に広がっていますが、本県でも検討してもらいたい

いま、昨年の答弁同様、災害救助基金と財政調整基金が設置されているので、これを活用するとのお答がありました。

ご答弁にもありましたが、災害救助基金は災害救助法に基づいて、全都道府県に一定の基金を持つことを国が義務付け、その使用についてもあくまでも被災直後の初動の救援資金に充てると、細かくその使途が明記されております。また、財政調整基金ですけれども、平成29年度末の基金残高は、111億円余ですし、本県の場合、財調はしばしば、景気の変動などによる収入不足を補う財源として活用されており、度重なる甚大な被災状況と高齢化が進んで被災住民に自力復興の体力がない現状を考えるとき、多様な公的支援が必要であり、それを支える安定的な財源が求められているのではないでしょうか。

全国のいくつかの県で、県独自の基金の創設が徐々に広がっていますが、本県でも検討していただきますよう、重ねて要望して質問を終わります。

上水道がないのに、小石原川ダムから水を買わなければならない「うきは市」と違法取水発覚から3年の「春日那珂川水道企業団」の水源確保について取り上げました。県が広域的な水調整を行うよう求めました。

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上水道がないのに、小石原川ダムから水を買わなければならない「うきは市」から相談はあったのか

日本共産党の高瀬菜穂子でございます。水資源問題について質問します。私は、先の予算特別委員会において、水資源開発と市町村への影響について質問をいたしました。過大な需要予測にもとづいて水資源開発を行った結果、市町村の実態と合わず、負担だけが増大し、うきは市のように上水道がない中で責任水量を負担しなければならないという深刻な事態まで発生していることを指摘したところでございます。この問題については、県から「広域的な調整を担う立場からの助言や調整を必要に応じて行う」との答弁をいただきました。その後、うきは市の方からの相談などがありましたでしょうか。

田島幸一 水資源対策水道整備室長

県は、うきは市との間で定期的に意見の交換等を行っておりますが、市から水量の見直しについて相談は受けていないところであります。

うきは市の利水容量を見直すことは、可能ではないか

相談は受けていないとのことですが、現在上水道がないわけですから、再来年供用開始の小石原川ダムから日量5,740トンを受水することは当面不可能です。日量5,740トンは年間では209万5千トンです。「福岡県の水道」でこれに匹敵するところはどこかと探しましたら、八女市が258万6千トンでした。しかし、八女の人口はうきは市の2倍以上なんですね。私は、この水量はどう考えても過大だと思います。この水量は使おうが使うまいが、契約した責任水量ですから、費用負担が生じます。そうなると、水道料金も集められないのに、どうやってその費用を払うのか、自治体にとっては大問題にならざるをえないと思います。

だいたい、日量5,740トンはどうやって決まったのでしょうか。当時のことを知る人から「とても地元だけでは判断はつかない。国も県もいっしょになって協議をして決まった。」と聞きました。そのときに住民の意向調査が行われたのかを聞きますと、全く行っていないという答えでした。日量5,740トンの決定については、県にも責任があると思います。

私は、こうした問題が福岡県で生じていることについて、政府交渉で取り上げ、国土交通省にどう解決すべきかを尋ねました。その際、ダムについては「用途の変更」が考えられるとの助言を受けました。小石原川ダムの治水容量は県の負担であり、今災害が続く中で、治水容量を増やすことについては住民の理解は得られるのではないかと考えます。そうすれば、うきは市の利水容量を見直すことは、可能ではないかと考えますが、県の見解を伺います。

江ア雅彦 水資源対策課長

小石原川ダムは、利水と治水の両面を備え持った多目的ダムでございます。したがいまして用途の変更を行うには、利水関係者ならびに治水関係者の間での合意が必要となります。

うきは市としましても、将来的な地下水の枯渇や汚染等のリスクに備え、水道事業の導入が必要である、そういう認識に変わりはなく、小石原川ダムの利水容量は必要なものとして確保しているというふうな認識であると存じております。

春日那賀川企業団はどのように水を確保しているのか、また、恒久水源確保の取組の進捗・見通し

利水関係者や治水関係者の間での合意があれば、ダムの用途変更は可能であるということだと思います。確認したいと思います。

うきは市は水道事業の導入が必要との認識で、国・県と協議し、水源開発を行ったと思います。しかし、うきは市は今も9割が井戸水です。市民アンケートでは、「上水道にすぐつなぐ」という世帯は6.9%、井戸水と併用しながらが20.6%、「今の水が使用できなくなれば」が31.9%、「全く考えていない」が33.5%であったことからも、水道計画は困難を極めると考えられます。

国の「新水道ビジョン」では、「今後の人口の減少傾向は確定的であり、このことは水道にとって給水人口や給水量も減少し続けることを意味します。」と指摘し、2060年には水需要動向は現在よりも4割も減少すると予測しています。そんな時に、新たな水道敷設に莫大な税金を使い、市民にも水道管と水道料金の負担を押し付けること、押し付けることになるのはあまりに理不尽だと思います。

うきは市の状況をよく聞き、必要な場合、ダムの用途変更も含め、広域的な調整を行っていただくよう、重ねて要望いたします。

次に、春日那珂川水道企業団について伺います。同企業団による那珂川の違法取水が発覚してから3年がすぎました。現在はどのように水を確保しているのか、また、恒久水源確保に向けて取り組んでいるときいておりますが、その進捗・見通しについてお尋ねします。

江ア雅彦 水資源対策課長

春日那珂川水道企業団が確保する必要がある恒久水源の目標水量は、日量1万6,150トンでございます。現在、不足分につきましては、平成32年3月までを期限に、福岡市や福岡地区水道企業団から暫定的な水融通を受けているところでございます。

春日那珂川水道企業団は、恒久水源を確保するための具体的な計画を平成28年3月に決定し、トンネル湧水、ため池余剰水、深井戸開発など5つの策による水源の確保に向けて取り組んでいるところでございます。

現在の確保状況でございますけれども、平成30年4月からトンネル湧水日量2,910トンの取水を開始しておりますけれども、現状のところ、全量確保には至っておりません。

春日那珂川水道企業団に対して、これまでどのような指導を行ってきたかの

現在は福岡市と福岡地区水道企業団が那珂川の水を人道的立場から融通している、また、恒久水源として日量1万6,150トンを開発予定であるが、深井戸の開発やトンネル湧水などで水源の確保につとめているが、現在のところ、日量2,910トンの取水しかできていないということだと思います。目標の5分の1にも達しておらず、事態は深刻といわなければなりません。県は春日那珂川水道企業団に対して、これまでどのような指導を行ってきたのでしょうか。

江ア雅彦 水資源対策課長

春日那珂川水道企業団が、平成28年3月に決定いたしました恒久水源を確保するための具体的な計画に基づきまして、企業団から定期的に、関係者との協議状況、スケジュールそういった進捗状況の報告を受ましてけ、助言、指導を行っております。

具体的には、期限内に全量確保できますよう、水資源の安定確保、水道事業許可の観点から助言を行いまして、また、スケジュール的に困難となりませんよう、新たな追加策につきましても並行して検討するよう指導しておるところでございます。

広域的な水確保を行う立場から、県が調整を行うべきではないか

指導・助言を行ってもなお、水源確保に至っていないということだと思います。私ども日本共産党県議団は、直接春日那珂川水道企業団からお話しを伺いましたが、恒久水源確保にそれはそれは苦労されておられました。

県は、広域的な水の確保については責任があります。また、那珂川を管理する立場からも、県には責任があると私は考えます。春日市、那珂川市16万人の生活に不可欠の水問題について、早期の解決を図るため、福岡県としても一歩踏み込んで力を出していただきたいと思います。

違法取水が始まった40年前は、福岡地区を中心として極めて深刻な水不足状態でした。県は、筑後大堰をはじめ、水資源確保のため奔走され、さらに第4次ウォータープランの計画を超える水開発までも行って、現在では、日常的には水は十分に確保できています。今年の夏は、1か月も雨が降りませんでしたが、先ほどの日向神ダムの農業用水を除いて、上水道の取水制限などはありませんでした。五ヶ山ダム、小石原川ダム、伊良原ダムの水が本格供用開始になっていない現在においても、県全体でみると水不足は解消されています。ですから、今ある水資源を活用して、春日、那珂川の水問題を解決することは可能だと考えます。

福岡地区水道企業団は、大山ダムの水が供用開始になった際、構成団体の配分水量を大きく見直し、筑後川の取水を大幅に減らしました。このことからも配分水量を見直すことは可能だと考えます。福岡地区水道企業団の構成団体の中には、たとえば宇美町のように配分水量が増えたことで、5年間で2度の値上げを行い、水道料金が1.7倍になったところもあります。人口は減っており、国の水道ビジョンにあるように、需要予測を下方修正する必要のある自治体もありますから、そうした自治体と相談することもできるのではないでしょうか。また、北九州と福岡を結ぶ緊急連絡管は日量5万トンの送水が可能であり、活用の余地があると思います。すでに莫大な税金をかけて開発した水があるのに、春日那珂川水道企業団が新たな水源開発で困難を抱え、域内住民は不安を募らせています。違法取水は認められないことです。しかし、広域的な水確保を行う立場から、県が調整を行うべきではないかと考えます。見解をお聞かせください。

江ア雅彦 水資源対策課長

恒久水源の確保につきましては、春日那珂川水道企業団において、現在、自己水源としてどのような方策があるかについて様々な検討や調査がなされているところでございます。

県としては、これまで、水道企業団が検討等を行っている恒久水源確保策の進捗状況を随時確認し、必要な助言等を行ってきたところでございますけれども、水道企業団において、期限内に恒久水源の確保を図ることが必要であると考えており、引き続き適切な助言、指導に努めてまいります。

仮に水道企業団が、水道供給に必要な自己水源の確保ができず、福岡都市圏の水道事業者等に水の融通を求めざるを得ないという状況になり、水道企業団又は関係市町村から県に対しまして、広域的な調整の要請がなされた場合には、県といたしましては、水道水の供給を受ける春日市、那珂川市の住民生活を守り、経済活動に支障を生じさせないということを最優先に、広域的な調整を行う立場から、必要に応じまして、助言、指導等を行っていくことを考えております。

配分水量や水道料金、適正な水供給について、県が広域的調整を行う立場から、全体を俯瞰して対応していただきたい

ご答弁、ありがとうございました。水道供給に必要な自己水源が確保出来ず、広域的な調整が必要だという場合に春日、那珂川の住民生活を守り、経済活動に支障を生じさせないことを最優先に広域的な調整を行う立場から、助言、調整等を行うということです。ぜひ、その立場で臨んでいただきたいと思います。春日那珂川水道企業団では、新たな水資源確保のため、努力をされていますが、期限は2020年の3月ということですから、来年の早い時期に見極めが必要になると思います。よろしくおねがいいたします。

最後に、この機会に改めて要望いたします、国の「新水道ビジョン」は日本の総人口の減少をこれまでとは大きく異なる「変化」と位置付けています。これまで「拡張」を前提としてきた水道関連の施策を見直し、給水人口や給水量の減少を前提に施策を講じなければならないとしているわけです。人口減で料金収入が不足し、老朽化した管路施設や浄水場等の更新などが図れなくなることを課題として指摘しています。

そうした時期に本県では、日量10万トンを超える新たな水源が開発されます。その負担が水道料金として県民にかかってくるわけで、本県では、人口減の影響がとりわけ深刻になることが予測されます。

今回、うきは市と春日那珂川水道企業団の問題を取り上げましたが、今後、配分水量や水道料金、適正な水供給について市町村が矛盾を抱えることが考えられます。その際、県が広域的調整を行う立場から、全体を俯瞰して対応していただくよう強く要望いたしまして質問を終わります。

全国一律最低賃金1000円以上を国に求めるよう論戦しました。全国知事会として「ランク制の廃止、全国一律最低賃金、中小企業支援」を求めていると答弁。

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最低賃金が決定される過程と最低賃金算出の根拠

日本共産党の高瀬菜穂子です。最低賃金について伺います。まず、最低賃金が決定される過程と最低賃金算出の根拠について、簡潔にご説明ください。

田上喜之 労働政策課長

最低賃金については、まず国が設置する中央最低賃金審議会におきまして、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら、公労使三者の協議によって、引き上げ幅の目安が示されます。

その後、国が示した引き上げ幅を参考に、都道府県労働局長が設置する地方最低賃金審議会で、公労使三者による地域の実情を踏まえた審議・答申を得た後、異議申出に関する手続きを経て、都道府県労働局長により決定されております。

現在の水準の評価と格差の拡大にたいする見解は

福岡県はその中で、Cランクに位置づけられており、今年の改定で814円となりました。全国の最高は東京で985円、最低は鹿児島の761円で、時給にして224円の差となっており、3割近い格差が生じています。そして、その差は毎年拡大しているわけです。県はこれまで、最低賃金の引き上げを国に要求してきたと思いますが、現在の水準についてはどのように評価しておられますか。また、福岡県がCランクであること、全国にこれだけの格差があり、さらに差が広がっていることについて、どのような見解をお持ちでしょうか。

田上喜之 労働政策課長

最低賃金制度におきまして、毎年の引き上げ幅を決める目安制度のランク付けについては、公労使からなる中央最低賃金審議会において、1人当たりの県民所得、消費、給与、企業経営の状況に関する19の客観的指標を基に、各都道府県の経済実態を総合的に勘案して設定されております。そして、おおむね5年ごとに公労使それぞれの立場からの議論がなされた上で、指標のあり方やランク区分の見直しが行われてきているところでございます。

本県は、1人当たりのGDPが全国21位であること、消費者物価指数や所定内給与額、製造業の付加価値額が他県に比べ低いことなどにより、総合指数が全国24位となっております。

総合指数が17位までがBランクに位置づけられていることを鑑みますと、本県がCランクに位置づけられていることは、現行制度の結果としては、やむを得ないものと考えております。

福岡県としても、最低賃金1000円以上を求めるべきではないか

19の指標のひとつ、一人当たり県民所得で福岡県は31位と先日報道がありました。これが最賃に反映し、そのため県民所得が上がらない、そして最賃が上がらない、こういう相関があると思います。19の客観的指標と言いますが、その総合で本県は24位とのことですが、47都道府県に差をつけ順番に並べ、17位までをBランクにする、というようなやり方が本当に生活実態を反映した妥当なものなのでしょうか。

全国労働者総連合、全労連が25歳単身者が人間らしく暮らすのに必要な最低生計費の調査を「マーケットバスケット方式」でおこなっています。その結果は、全国どこでも月額23万円前後で大きな差はなかったということです。住居費が高い都会は交通費などの負担は少なく、逆に地方では住居費は安いが車がないと仕事に就くことが難しく、燃料費も含め負担が生じるなど、全体として大きな差はないということです。月額23万円以上を確保するには、やはり最低賃金は時給1000円以上必要となる。全労連は、時給1000円以上1500円をめざすとしています。政府も全国加重平均で1000円以上を目標にすると打ち出しました。本県としても、最低賃金1000円以上を求めるべきではないかと考えますが、県の見解を伺います。

田上喜之 労働政策課長

本県では、これまでも、国に対して、地域別最低賃金の改定に当たっては、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の賃金格差の是正や、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことが出来るよう、800円を超える最低賃金を実現することを要望してまいりました。

本年度の最低賃金引き上げによって、本県の最低賃金は814円となり、当初の目標は達成した。今後については、本年の要望の中で賃金の上昇、消費の拡大、企業収益の向上という日本経済の好循環を継続していくため、国として適切かつ着実な最低賃金引き上げを継続することを求めているところでございます。

人口の流出入と最低賃金の相関関係があるのではないか

本県が最低賃金800円をめざしてきたのは、最低賃金が生活保護基準を下回る逆転現象があってはならないということから、 800円以上という目標を持っていたと認識しています。今後については「国におまかせ」というのでなく、必要な生活費はどのくらいかを調査し、その確保のためには最低賃金はどのくらいであるべきかという検討をすべきではないでしょうか。根拠を持って県として最低賃金引き上げを要求していただきたいと思います。政府も加重平均で1000円といっているのですから、本県としても新たな目標を持つべきだと考えます。この点については要望しておきます。

さて、最低賃金が地域ごとに決められ、全国で差があることの影響は、人口の流れにも影響していると考えられます。

これは、(パネルを示し)住民基本台帳の人工移動報告と2017年の地域別最低賃金との相関です。人口の流れと最低賃金の相関を示したものです。全国加重平均は848円です。これを越えているのは7府県のみです。

人口の流れには、様々な要因はあると思いますが、最低賃金との相関が首都圏や九州、東北などで見て取れるのではないでしょうか。県としては、どのように考えますか。

田上喜之 労働政策課長

ご指摘がありました人口の流出入の要因につきましては、それぞれの地域の経済状況、住宅事情、交通事情など、さまざまな要因が複雑に関係するものと考えている。最低賃金のみで人口の流出入が決まるものとは考えておりません。

全国一律の最低賃金にすることについての見解は

最低賃金のみでは決まらないと思います。もちろん、人口の流出入には様々な要因があることは言うまでもありません。しかし、同じ仕事であっても賃金に差がある場合、人口流出入に影響があることは明らかだと思います。

先ほど香原委員から、保育士の賃金の地域格差について指摘があったところですけれども、例えば、義務制教職員が昨年度より政令市に移管されました。同時に全県一律にしていた地域手当に差が生じました。福岡市は10%、北九州市は3%、その他の圏域が4.6%です。今、教職員の働き方改革が叫ばれているように、教師の仕事はどこでも大変ですが、それだけに採用試験を受ける際のインセンティブとして賃金格差は大きく働くのではないでしょうか。北九州では「これだけ地域手当が違えば、教師の確保が難しくなる」と不安の声が上がっています。

同様に、同じ仕事をしていても、例えばコンビニで仕事をしたとして、川を挟んだ隣の県で賃金が違うとか、長距離トラックの運転手が同様に長距離を走っても働く場所で賃金が違う。そうなると、人口の流出入にも影響を与えると考えます。

私は、地域手当やランクなどの格差を見直していくべきだと思います。世界の主要国では賃金格差を設けておらず、日本のように47都道府県で細かく差をつけている国はありません。世界から見れば、小さな島国でこれだけの格差は、異常ともいえます。このことについて、福井県の西川県知事は「日本においても地域間の賃金格差をなくし、全国一律にすべき」と発言をしておられます。全国一律の最低賃金にすることについて、県の見解を伺います。

田上喜之 労働政策課長

地域間の賃金格差の解消につきましては、ランクごとに最低賃金の引き上げ額を定めている現行方式では、上位県と下位県との金額の差は常に拡大することになります。

こうしたことから全国知事会として、本年8月に国に対し「地域間格差の拡大につながっているランク制度を廃止し、全国一律の最低賃金制度を実現。最低賃金の引き上げ、これによって影響を受ける中小・小規模事業者への支援の強化」を行うよう提言したところでございます。

最低賃金を引き上げるための中小企業施策と活用件数、実績はどうなっているのか

全国知事会としてランク制の廃止と、全国一律の最低賃金制度の実現に向け、提言を行ったことは、私たちがかねてから要求してきたことと方向を同じくするもので、大変心強いことです。知事会が全国一律最低賃金を提言したのは今年初めてだということです。ぜひ、知事会の提言が実現するよう県としても強力に取り組んでいただきたいと思います。

次に、最低賃金を引き上げる場合に必要な中小企業・小規模事業者への特別な支援について伺います。全国知事会の提言にも、「中小・小規模事業者への支援の強化」が盛り込まれていました。 中小・小規模事業者への抜本的な支援強化なしに、最低賃金の大幅引き上げはあり得ません。現在、最低賃金を引き上げるための中小企業施策にはどのようなものがありますか。また、その活用件数、実績についてお答えください。

田上喜之 労働政策課長

最低賃金の引き上げにあたりまして、国におきまして、その事業所内で最低賃金を一定額以上引き上げまして、かつ、設備投資を行った企業に対し、その費用の一部助成を行う業務改善助成金というものが用意されております。

この助成金の県内の実績でございますが、福岡労働局に確認しましたところ、平成29年度に57件ということでございました。

最低賃金引き上げのための中小企業支援の抜本拡充を行うべきではないか

現在のところ、「業務改善助成金」制度が唯一の中小企業支援だということで、本県の2017年度実績はわずかに57件だということでした。山形県は、同制度で中小企業などが賃金を一定額以上引き上げた場合、国の助成に県が独自に上乗せする奨励金を導入したということです。本県としても、上乗せを行うなど独自の施策が必要ではないでしょうか。お答えください。

また、この制度では、賃金引上げと設備投資を同時に行う必要があり、しかも助成額が50万円から100万円と少額であります。これでは十分とは到底言えないと思います。最低賃金引き上げのための中小企業支援の抜本拡充を行うべきではないかと考えますが、県の見解を伺います。

田上喜之 労働政策課長

最低賃金引き上げによる影響を最も大きく受けるのは中小企業であります。このため、中小企業に対する支援については、最低賃金の制度を所管している国において、しっかりと実施していくべきものと考えております。

県としては、最低賃金引上げの要望の際、「企業収益を強化し、更なる賃上げや投資が拡大する経済の好循環を地方の中小企業に行きわたらせ、さらに拡大・進化させるための対策を講じること。特に経営基盤の弱い中小企業に対して、経営力の強化や経営の安定化を進めるために、生産性の向上や取引条件の改善を図るなど、総合的な支援・諸施策を強力に実施すること」を合わせて国に要望しているところでございます。

中小企業を支援し、全国一律最低賃金1000円以上を求めることについて、最後に部長の答弁を

県としての独自施策は考えていないが、国に対し強力に要望するとのご答弁だったと思います。国としての施策はあまりに乏しく、中小企業支援を強力に要望してきたいと思います。

諸外国では、日本とは比較にならないほど中小企業支援を充実させています。フランスでは、社会保険料の事業主負担軽減に2003年から3年間で2兆2800億円。韓国では30人未満の中小企業、約300万人に対し、過去5年間の平均引き上げ率7.4%を上回る人件費に対し直接支援、これに9800億円。アメリカでは07年から5年間で8800億円の中小企業向け減税を行っています。

ところが日本の中小企業への支援執行額は13年からの3年間でわずかに87億円と極めて少ないのが現状です。国の中小企業支援予算を抜本的に増やし、特に中小企業の最低賃金引き上げを可能とするよう求めるものです。

最低賃金は、すべての働く人に人間らしい生活を保障する水準であるべきです。また、賃金格差が地方格差になるのでは、地方創生に逆行します。中小企業を支援し、全国一律最低賃金1000円以上を求めることについて、最後に部長の答弁を求めます。

神代暁宏 福祉労働部長

最低賃金の引き上げにつきましては、国では、全国加重平均ではありますけれど1000円を目指すという目標を掲げているところでございます。

本県としましては、賃金の上昇、消費の拡大、企業収益の向上という日本経済の好循環を継続していくため、適切かつ着実な最低賃金の引きあげを国に対し、今年も要望をしましたし、これからもそういう考えのもと、国に対し継続し要望してまいります。

独自目標をもって、国に対し中小企業支援と共に賃金引上げという要求をしっかりしていただきたい

しっかり取り組んでいただきたいと思います。

全国加重平均で1000円を目指すと国が言っているわけですが、先ほどお示ししたように、現在848円ですね。ほとんどの県はこれ以下です。全国が1000円になったとしても、本県は1000円とはならず、これより低いわけです。ですから独自目標をもって、国に対し中小企業支援と共に賃金引上げという要求をしっかりしていただきたいと思います。

このことを重ねて要望しまして、質問を終わります。

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JR九州青柳社長の「上下分離方式提案、高速バス輸送システム(BRT)検討」発言について

日本共産党の高瀬菜穂子です。JR日田彦山線の復旧問題について質問します。

8月8日の報道によりますと、JR九州の青柳社長は日田彦山線の復旧後の運営について、「上下分離方式」を提案する方針を示しました。その上で、8月27日には「話が進まなければ、地元が『鉄道は難しい』と言っているという認識だ」と、「その時は鉄道以外を提案する」と言って、高速バス輸送システム、BRTの導入を検討している旨、示しました。いずれも記者会見での青柳社長の一方的な発言です。

 これに対して沿線自治体の首長さんたちが、8月31日にJR九州本社を訪れ抗議をしたと聞いていますが、この件についてご説明ください。

仙田靖夫 交通政策課長

JR九州の青柳社長が定例記者会見において、運行費用の負担や鉄道以外での運行といった、協議の場ですらされていないことを発言したことで、鉄道での復旧を切望している沿線住民の方々及び自治体に大きな不信感を与えるものとなりました。

そこで、大分県、沿線市町村に急きょ呼びかけを行い、去る8月31日、青柳社長の会見について抗議を行うとともに、復旧に向けた議論については本来の協議の場である「日田彦山線復旧会議」の場において進めていくよう、JR九州に対して強く要請をしました。

これに対し同社からは、青柳社長の会見における一連の発言について謝罪がなされたところでございます。

福岡県の対応は

青柳社長の発言について謝罪はしたけど撤回はしていないということですね。JR九州はこの方針を変えていないと。そうなれば、今後上下分離方式、BRTは協議の俎上に乗ってくると思われますが、県としてはどのように対処するおつもりですか。お答えください。

仙田靖夫 交通政策課長

上下分離方式は考えておりません。また、復旧協議はあくまで鉄道で復旧するための方策を検討する場であるので、BRTはそもそも対象となりえないと考えております。

国の姿勢を変えさせる必要があると思うが

上下分離もBRTも認めないという立場だということで確認いたします。その立場で一日も早い復旧へ協議を続けていただきたいと思います。

上下分離方式は、財政規模が小さい自治体にとって、負担が重くのしかかることになります。また、利便性に劣るバスに転換しても、利用者は次第に減少し、バス路線も廃止になる例も見られます。

東峰村では、日田彦山線を生かした地方創生に取り組んできており、災害までは、JR九州と二人三脚でやってきています。それを一方的に反故にするやり方は許されません。渋谷村長も「JR九州の方から協議を申し出ておいて、協議の場では一言も言わず、場外で一方的に勝手なことを言いている」と相当に怒っておられました。

私はこの問題では、国はJR九州に対する指導責任があると思います。

私たち日本共産党県議団は、7月13日に国交省鉄道局と交渉し、この件でJR九州に対し、一日も早い復旧とJR九州の責任による路線維持を強く指導するよう求めましたが、「国はアドバイザーだ」と、「国としては地元自治体とJR九州の協議を見守っている」と傍観者的な立場を示しました。JR九州が真摯に住民の声に耳を傾け関係自治体との協議に向き合うためには、国の姿勢を変えさせる必要があると思いますが、どうでしょうか。

仙田靖夫 交通政策課長

「日田彦山線復旧会議」に、九州運輸局はアドバイザーとして参加しております。

JR九州の青柳社長の一連の発言は、復旧会議での議論をないがしろにするものであり、アドバイザーとしても、JR九州に対し、復旧会議の場でしっかり議論するように、JR九州に対し要請していただきたいと考えております。

JR会社法とJR九州の関係は

1986年の国鉄の分割民営化にあたって、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」いわゆるJR会社法が制定されました。その趣旨は「株式会社とはいえ、国鉄の事業を引き継ぐJR各社に対し、単なる営利企業としての利益追求に走らせるわけにはいかない」ということですが、現在、JR会社法とJR九州の関係はどうなっていますか。

仙田靖夫 交通政策課長

JR九州の上場に伴い、平成28年4月1日より、JR会社法の適用対象から除外する法律の改正がなされており、現在は、JR九州はJR会社法の適用対象外となっております。

「指針」は、JR九州にも適用されるか

JR会社法の適用除外となっても、完全民営化した新会社がその後も鉄道路線の適切な維持等、公共輸送機関としての使命・役割を果たすことを担保するため、国は当分の間事実上配慮すべき「指針」を2001年、JR本州3社の完全民営化を機に策定しています。この指針は、JR九州にも適用されますね。

仙田靖夫 交通政策課長

先ほど申し上げたJR会社法の適用除外となる改正にあわせて、JR九州も平成28年4月1日から、この指針の適用を受けるようになっております。

国に対し「指針」に基づくJR九州に対する指導を強く求めるべき

指針には、「現に営業する路線の適切な維持に努めること。路線を廃止する際は、関係公共団体及び利害関係人に対して十分に説明を行うこと」とあります。つまり、通常の民間企業とは違った公益事業を担う主体としての行動が一定求められるということです。

JR九州のこれまでの言動を見るに、まったくこの指針にかなっていません。

さらに指針には、国土交通大臣は、「指針」を踏まえた事業運営を確保するため必要があると認めるときは、JR九州に対して指導・助言・命令等を行うこととなっています。

本県としては、国に対し「指針」に基づくJR九州に対する指導を強く求めるべきではありませんか。お答えください。

仙田靖夫 交通政策課長

日田彦山線復旧に関しては、現在、鉄道での復旧を目指して、JR九州を含めた関係者で協議会を行っているところでございます。これは、指針が定める「現に営業する路線の適切な維持に努めること」に向けた協議に他ならないと考えております。

にもかかわらず、JR九州の青柳社長は、協議の場で提案すらされていないことを、一方的に記者会見で発言するなどして、沿線住民に不安を与えております。このことは、指針における「現に営業する路線の適切な維持に努める」ための協議の場をないがしろにしており、JR九州が「指針」を踏まえた事業を行っているとは言い難いと思っております。

こうしたことから、「指針」に基づくJR九州に対する指導を国に求めていくことも検討する必要があると考えております。

全国のJR各線で「上下分離方式」に移行した路線は存在するか

2015年5月、衆院国土交通委員会でのJR九州の完全民営化をめぐる法改正の質疑において、当時の藤田鉄道局長は、「JR九州には、国鉄改革の際に不採算路線を含めて事業全体で採算が確保できるように国鉄長期債務を承継せずに経営安定基金を設置した経緯がある。今般の完全民営化に際しても、経営安定基金を将来のネットワークの維持・向上に必要な鉄道資産等に振り替えることとしている。こうした経緯からJR九州は、完全民営化後も現に営業している路線の適切な維持に努める必要があると考えており、指針でその旨を定めることとしている」と答弁しています。路線を維持するために、国の特段の配慮を受けてきたJR九州は、路線を維持する責務があるということです。

「条件をのまなければ復旧工事に着手しない」「話が進まなければ地元が鉄道は難しいと言っていると認識する」など、「路線廃止」を自ら直接の言葉で言っていないだけで、言っているも同じです。むしろ、狡猾で卑劣なやり方です。「こんなやり方をのさばらせていいのか」と、しっかりとした指導を国に求めるべきだと思います。

それでは伺います。全国のJR各線で「上下分離方式」に移行した路線がありますか。

仙田靖夫 交通政策課長

現時点では、全国のJR各線で上下分離方式に移行した路線はございません。

これから復旧に着手するJR東日本の只見線が上下分離方式をとる予定だと聞いております。

路線の廃止を届け出制から認可制へ戻すよう国に求めるべき

東日本大震災で被災した只見線が、上下分離で存続する旨の合意が昨年の6月19日にJR東日本と地元自治体との間で成立しております。関係自治体にとっては苦渋の決断だったと思います。国がアドバイザー、行司役ではこういう結果になりかねません。国の役割は、そういう落としどころを見つけることではないはずです。

国鉄改革の際やJR法などで国民に約束した「路線を維持する」との基本的立場を、国に守らせる必要があります。復旧を人質に維持策を示せという横暴は許されません。被災路線は、まず無条件に復旧することは当然です。行政による国やJRに対する働きかけの強弱が結果を左右すると指摘しておきます。

島根県江津市(ごうつ)と広島県三次市(みよし)を結ぶ、JR西日本の三江線(さんこうせん)は、島根、広島両県知事や沿線の三市三町の首長がこぞって存続を求めたにもかかわらず、本年4月1日をもって全線廃止になりました。

島根県の溝口知事は県議会での質問に「廃止決定は残念だが、現在の制度では撤回させる法制度がない」と答弁をしています。つまり、2000年の鉄道事業法の改悪、路線の廃止を認可制から届け出制にした規制緩和が大きな障害となったということです。

JR九州は、日田彦山線の赤字額ばかりを強調しますが、そもそもネットワーク型の公益事業は、ネットワーク全体の収支で不採算エリアもカバーする「内部相互補助」の考え方に立脚しています。それが、鉄道事業法の規制緩和によって、内部相互補助の法的・制度的基盤が弱体化し、地域社会にとって大きな影響を持つ鉄道の存廃が、一企業の判断で左右される不安定なものとなりました。JR九州の強気で横暴な態度の背景にはこの問題があります。

内部相互補助は、撤退を規制することで可能となります。地域の鉄道の存続には、鉄道事業法を見直し、路線の廃止を届け出制から認可制へ戻す必要があります。このことを、ぜひ国に求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

仙田靖夫 交通政策課長

鉄道事業法における「路線の廃止」に関する手続きであり、日田彦山線復旧に関しては、現在鉄道による復旧を目指して協議しており、廃止については一切考えておりません。

JR九州の完全民営化に際して、経営安定基金の果たしている機能が引き継がれた経緯を踏まえれば、JR九州は鉄道ネットワークを維持する責務を有していると考えております。

地方や地域住民を無視したJR九州の横暴は絶対に許さないという姿勢をぜひとも示していただきたい

鉄道事業法の見直しについては言及がありませんでしたが、2000年の規制緩和以降、各地の廃線は加速しています。「最後は事業者次第」ということが、JR九州の傲慢な態度を許す原因にもなっています。自治体および住民自身が自律的判断を下し、自己決定するためにはこの問題は避けて通れません。鉄道事業法の見直しをぜひ国に求めていただくよう、強く要望しておきます。

災害に遭った路線をそのまま放置し、廃線の口実にするケースが全国でいくつも見受けられます。被災して困難を抱えて苦しんでいる地域を切りすてることは絶対にあってはなりません。こういうことを許せば、被災地は幾重にも困難を抱えてしまいます。

日田彦山線は、年間2億6000万円の赤字だと言いますが、JR九州は2011年以降200億円規模の経常利益を計上しており、体力は十分にあるはずです。

すでに地方は、人口流出、人口減少で地域の経済も衰退して苦しんでいます。廃線になれば、ますます地方から人口が流出、路線の存続は死活問題だということを強調しておきます。

毎年のように、豪雨災害や台風被害、震災などが続いています。日田彦山線の復旧は、今後の災害路線の復旧、全国のローカル線の命運がかかっていると言っても過言でなく、悪しき前例となってはなりません。地方や地域住民を無視したJR九州の横暴は絶対に許さないという姿勢をぜひとも示していただきたいと思いますが、最後に部長の答弁をお願いします。

小山英嗣 企画・地域振興部長

JR九州の「鉄道で復旧したいので協議の場に参加してもらいたい」との申し出により、「日田彦山線復旧会議」が設置され、併せて実務者レベルでの検討会においても協議を行っているところでございます。

こうした協議の場の中、先ほど課長の答弁にもありましたが、JR九州の社長は、協議の場に提案すら行っていない「上下分離」や「BRT」に言及するなど、鉄道での復旧を切望している沿線住民の方々及び自治体に大きな不安と不信感を与える発言を行いました。

こうしたJR九州の姿勢は、地域住民や自治体との信頼関係を損なうものであり、極めて遺憾で関係自治体ともに抗議を行ったところでございます。

JR九州には、より高い社会的使命を有しているということを認識した上で、主体的に復旧を進め、鉄道ネットワークを維持していく責務があると考えます。

県としましては、沿線市町村や大分県との連携を一層強め、JR九州に対し、公共性の高い公共交通機関としての認識をもって、一日も早く日田彦山線を鉄道で復旧するよう、今後とも粘り強く働きかけを続けてまいる考えでございます。

知事が指導力を発揮して政府や国交省に強力に働きかけることが必要

私は、やはり国が路線を維持する立場にしっかり立つかどうか、このことが結果を左右すると考えます。そのためには、知事が指導力を発揮して政府や国交省に強力に働きかけることが必要だと思いますので、知事の決意を伺いたいと思います。知事保留をお願いします。

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保険料の推移と世帯非課税の低所得者が40%にも上る

日本共産党の高瀬菜穂子でございます。介護保険と地域包括ケアシステムについて伺います。まず、

  1. 介護保険料の推移
  2. 所得段階別第1号被保険者数
  3. 居宅サービスの利用率
  4. 本県の介護予防・日常生活支援総合事業の実施市町村数

の資料をお願いしておりますので、委員長、お取りはからいをお願いいたします。

まず、介護保険料の推移ですけれども、介護保険料は、2000年の導入時の平均が3,050円でしたけれども、2018年からの第7期は約6,000円と2倍に跳ね上がっています。とりわけ広域連合のAグループは8,048円と全国でもトップレベルの高さです。保険料に苦しむ高齢者が多く、「介護保険をやめたい」との相談まで受けることがあります。所得段階別の被保険者数を見ますと、「世帯の市町村民税非課税」の第1段階から第3段階。第1段階は生活保護受給者で、第3段階までは、世帯の住民税が非課税ですけれども、この低所得者層が全体の40%を占めています。保険料の推移と世帯非課税の低所得者が40%にも上るということについて、県の認識をお伺いします。

小林功 介護保険課長

はじめに、介護保険料の推移についてでございますが、高齢化の進展により、介護サービスの利用者数は、現在、制度開始時の約3倍に増加しております。これに伴い、介護給付費が増加し、保険料も上がっていると考えております。

次に、所得が低い市町村民税非課税世帯の方の数が約4割であることについてですが、高齢者のいる世帯は過半数が単独世帯または夫婦のみ世帯であり、高齢者の主な所得は、年金や恩給となっております。

このため、低所得の市町村民非課税世帯の方が多くなっていると考えております。

居宅サービスの利用率の実態について

保険料の基準額は第5段階なっていますけれども、この段階でも本人は非課税という世帯が多いんですね。非課税ということなんですね。第1段階から第5段階までの本人の非課税の方、世帯が非課税の方、実に全体の65%を占めており、改めて本県高齢者の厳しい生活実態を見る思いです。本来非課税の方から保険料を取るべきではないと思います。ドイツは所得の2%にしている、だから所得ゼロの人はゼロ。日本の介護保険制度では、所得ゼロ、住民税非課税の方からも年金天引きするという容赦ないやり方です。そうした中で、利用にも影響が出ているのではないかと推察します。3つ目の資料、居宅サービスにおいて、支給限度額に占める利用実績が2割から7割弱に留まっていますが、居宅サービスの利用率の実態については、どのように見ておられるでしょうか。

小林功 介護保険課長

居宅サービスの支給限度基準額に対する利用率の状況についてですが、支給限度基準額は、保険給付の上限額であり、必ずしも上限額まで利用することが想定されているものではございません。

本県の利用率の状況は、要介護者本人の状態や希望、家族の状況等を踏まえながら、必要なサービスが選択されているものと考えておりまして、全国の利用率と大きな差はないところでございます。

また、要支援者の利用率が低くなっておりますのは、平成26年の介護保険法の改正により、介護予防訪問介護と介護予防通所介護が市町村の地域支援事業に移行したことによるものと考えております。

国に軽減措置の拡充を行うよう強く要求すべき

「必要なサービスが選択されている」というふうに言われましたけれども、実際にはお金がなくてサービスを控えているそういう実態があります。先日も、病気で働けなくなった方が、要介護3の母親と暮らしていて、年金月額75,000円、そこから家賃も保険料も払っている。サービスは勧められても利用料が払えないから受けられない、入浴サービスだけは自分でできないから受けている、とのことでした。そうした利用抑制は広く存在しているのではないでしょうか。

特に、保険料については負担の限度を超えていると思います。厚労省は、2025年に基準額が7,200円になると予測していますが、広域連合Aグループは既に8,000円を超えています。さらに基準額が上がれば、その負担には到底耐えられないのが本県の実態だと考えます。後期高齢者医療の場合、年金収入80万円以下は9割軽減となっており、それに比べ、介護保険の低所得者の負担は極めて大きいといわなければなりません。国に対して、低所得者の保険料や利用料負担をこれ以上引き上げないための財政措置、とりわけ軽減措置の拡充を行うよう強く要求すべきだと考えます。県の見解をお聞かせください。

小林功 介護保険課長

介護保険制度においては、所得段階に応じて、保険料や利用者負担上限額が設定されるなど、低所得者に対する様々な軽減措置が、国によって実施されております。

しかしながら、すでに保険料の上昇のように低所得の方の負担は大きくなっており、今後、高齢化の進展に伴う介護サービス利用者数の増加によりまして、保険料や利用者負担がさらに増えることが考えられますので、低所得の方も安心して介護保険を利用できるようにする必要があると考えております。

 このため、県としましては、県独自に、また他の都道府県と連携しまして、全国知事会や全国主要都道府県民生主管部(局)長連絡協議会を通じて、低所得者の保険料や利用者負担の軽減措置の拡充につきまして、国に要望をしているところでございます。

地域包括支援センターの体制強化とともに、その設置数を増やすべき

さまざまな機会に低所得者の保険料、利用料の負担の軽減措置、拡充について要望を押していただいているということですので、今後もしっかりやっていただきたいというふうに思います。

次に、「地域包括ケアシステム」について伺います。政府は2025年を目途に「要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、住まい、医療、介護・予防生活支援が一体的に提供される体制」を各市町村で構築すると説明しています。その構築のカギを握るのが、「地域包括支援センター」だと考えます。先ほど資料が、田辺委員の資料要求で提出されましたけれども、その設置状況を見ますと自治体に1か所というところが多く驚いています。本気で地域包括ケアを行おうと思えば、中学校区に1か所、できれば歩いて行ける小学校区に1か所必要ではないかと考えます。てんてこ舞いの地域包括支援センターの体制強化とともに、その設置数を増やすことが求められると思いますが、見解を伺います。

成松宏 高齢者地域包括ケア推進課長

県内の市町村が設置する地域包括支援センターは着実に増加しており、平成25年4月に149か所であったものが本年9月1日現在、201か所となり、この5年間で52か所増えております。県といたしましては、その設置を促すため、市町村に対しセンターの運営に要する経費について財政支援を行っております。

また、センターの機能強化を図ることが重要でありますので、市町村や地域包括支援センターの職員を対象に、地域包括ケアシステムの構築や地域ケア会議などに関する研修を実施しているところでございます。

ボランティアを中心としたサービス提供には無理がある

そうは言いましても、「サービスB」の実施が少ないことは、その困難さを物語っていると思います。総合事業自体、報酬が少ない中で経営が厳しく、実施継続に困難があるとも聞いております。人材確保の取組みは大切ですが、ボランティアを中心としたサービス提供にはなかなか無理があるというふうに思います。

私達は、高齢者が住み慣れた地域で、必要な医療や介護のサービスを受けていくためには在宅医療を提供する医療施設や介護事業施設が不可欠であり、専門的サービスが提供されることを前提にそれを補完するものとして地域住民の自主的な生活支援があって住み慣れた地元が終の住処として可能となると思っております。この点について県の見解を伺います。

成松宏 高齢者地域包括ケア推進課長

医療や介護が必要になっても、可能な限り住み慣れた地域で生活することができるようにするためには、「医療」「介護」「予防」といった専門的サービスと、「住まい」「生活支援」といったサービスが相互に関係し、連携していくことが重要であると考えております。

 そして、こうした幅広い分野をカバーするためには、本人や家族による「自助」のほか、地域住民の支え合い活動やボランティアなどの「互助」、介護保険や医療保険による専門的なサービスなどの「共助」、さらには、公費による福祉事業などの「公助」、これらをバランスよく組み合わせることが必要であると考えております。

地域包括支援センターと協力し、必要な介護を提供する体制は「地域包括ケアシステム」の目指す一つの方向

バランスよくと言われましたけれども、国の考え方は、総合事業に象徴されるように、専門職が行っていたサービスを地域住民主体に移そうとするものであります。昨年の社会福祉法改定では、社会福祉法人に「公益的取り組み」の義務付けまで行いました。施設等の職員は「地域活動」への参加を迫られることになります。政府が進める「我が事・丸ごと」は誰も否定できない「助け合い」や共生を掲げることで、地域住民や社会福祉法人による互助を地域福祉の制度に組み込み、行政の穴埋めを求めるものです。公的財源の保障もなく、「慈善的」な事業に肩代わりさせることは、新たな矛盾を生み、制度後退につながることを指摘しておきます。

さて、地域包括ケアシステムの推進のためには「住まい」の重要性を国も強調しています。私が住む小倉南区UR徳力団地は、世帯数2400の大きな団地です。先日、この中心に診療所と特別養護老人ホームが一体となった「メディカル&ケアとくりき」がオープンしました。特養ホームは1か月で満床となり、長年この地で、かかりつけ医として信頼されている診療所の医師は、往診や自宅での看取りも行って住民に安心をもたらしています。団地内にはデイサービスを行う事業所があり、周辺にも介護施設が充実しています。団地自治会では、高齢者相談会や体操、歩こう会、映画を見る会など多彩な活動で、高齢者見守りを自主的に行っており、県知事表彰も受けました。地域包括支援センターと協力し、必要な介護を提供する体制に努めています。こうした体制は「地域包括ケアシステム」の目指す一つの方向、モデルになるものと考えますが、いかがでしょうか。

成松宏 高齢者地域包括ケア推進課長

ただ今お伺いしました徳力団地における取り組みは、医療・介護サービスの一体的な提供、地域住民による自主的な見守り活動など、地域の関係者の皆様が、連携して活動される事例であると思います。関係者の皆様からその具体的な取組み内容についてお聞きしたいと考えているところでございます。

医療・介護・住宅、その他高齢者を取り巻く問題について関係部局が連携して進めていただきたい

ぜひ聞いていただきたいと思います。

こうした取り組みを広げていくことが重要ではないかと考えます。国、県、市町村が係わっている公営住宅団地はその条件があります。公的な土地を無償もしくは格安で提供し、必要な医療や介護の施設を設置し、住宅団地は住居として高齢者が住みやすい低額な家賃とし、住居の改修などを行うことで、現在ある資源を活用して「地域包括ケアシステム」をすすめていけるのではないでしょうか。その点では縦割りではなく、医療・介護・住宅、その他高齢者を取り巻く問題について関係部局が連携して進めていただきたいと考えますが、保健医療介護部としての見解を伺います。

成松宏 高齢者地域包括ケア推進課長

高齢者を取り巻く課題は、「医療」や「介護」のほか、高齢者が安心して生活できる「住まいの確保」、自動車の運転ができなくなった高齢者の方の生活を支えるための「公共交通機関等の移動手段の確保」や「商店街が行う宅配サービスなどの買い物支援」など多岐にわたっております。

このため、地域包括ケアシステムの構築を目指すことを定めた「高齢者保健福祉計画」を策定する際には、住宅担当部局をはじめ、交通や商工の担当部局をメンバーとする会議を設置し、関係部局の連携を図っているところでございます。

 また、計画の進捗管理につきましても、関係部局と連携して行っているところであり、今後も、他部局と連携しながら、高齢者保健福祉計画に掲げる施策を推進していきたいと考えております。

地域の力を引き出していくためにも、必要な医療介護の確保が重要

関係各部が連携して、必要な医療介護サービスを提供できる体制をつくっていただきたいというふうに思います。介護保険については、申し上げましたように今でも負担が大きいわけですけれども、国は、今年の利用料の3割負担導入に加え、要介護1,2を保険から外すことも検討しており、そうなれば「国家的詐欺だ」と制度を作った厚労省の関係者が言うほどなんですね。地域医療構想では、1日8万人以上の在宅医療が見込まれていますが、その受け皿は見えません。今後地域の力を引き出していくためにも、必要な医療介護の確保が重要であることを重ねて強調し、質問を終わります。

ありがとうございました。

9月定例会がはじまりました

投稿: 2018年09月19日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

福岡県議会9月定例会が、9月7日に開会しました。会期は10月12日までの36日間です。今回上程されたのは、予算議案1件、条例議案9件、契約議案4件、経費負担議案6件の合計20議案です。

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2月議会が開会しました

投稿: 2018年02月28日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

請願の締め切りは3月8日(木曜)正午です。


県議会2月定例会が2月26日開会しました。

2018年度予算20件、平成29年度補正予算1件、条例議案31件、契約案件7件、経費負担議案6件、その他4件、教育長等人事案件2件、計71議案が上程されました。災害復旧工事の負担金、防災・減災対策を柱とする補正予算(268億300万円余)については、初日の本会議において全員一致で可決されました。会期は3月28日までの31日間です。

県の借金は一人当たり71万円

2018年度一般会計当初予算は、北部豪雨災害復旧・復興費も反映し、前年度比0.7%増の1兆7325億円余となりました。昨年度の教職員の人件費、政令市の移管分を差し引くと、実質、連続しての過去最大予算の更新となります。

県債発行額は2259億円に上り、2018年度残高は3兆6428億円(一人当たり71万円:前年度比6万2千円増)になる見込みです。

予算の特徴としては、県民生活に直接影響を与える保健費、教育費、環境費、農林水産費は、軒並み前年度比マイナス抑制の一方、県土整備費は、災害復旧枠を除いても増額の予算となっています。また特別会計総額は、国民健康保険事業の広域化(都道府県化)にともない「国保会計」を新設し4592億9450万円余を計上、特別会計総額で前年度比170%の大幅増となっています。

九州北部豪雨の復旧・復興事業費に計244億円

2018年度当初予算には、九州北部豪雨災害を受けた朝倉市や東峰村の復旧・復興事業費244億円が計上されています。内訳は、河川92億円、砂防施設35億円、道路18億円等の改良復旧費、災害公営住宅など被災者の住宅支援に11億円余となっています。

発災後、県はすでに補正で1000億円超の予算を投じ応急工事を進めてきました。今後は、より災害に強くするための改良復旧に重点が移ります。

変わらぬ巨大開発推進、浪費型予算

巨費を投じてきたダム関連費(単年度最大380億円:2016年度)は、五ヶ山ダム、伊良原ダムの完成により水資源対策費が前年度比75%、河川開発事業特別会計はゼロと大幅減額しました。その一方で、国の直轄事業である小石原川ダムの県負担金は本体工事のピークを迎え、前年度比180%の69億3500万円余が計上されています。さらに、ダムとダムをつなぐ大事業、筑後川ダム群連携事業の計画が進められています。

福岡空港の滑走路増設、平行誘導路二重化に向けて、用地買収など事業が本格化した空港整備促進費が前年度比146%、福岡空港の民営化対策費は同190%と大幅増額、苅田港新松山臨海工業団地造成はほぼ前年並みの36億9360万円、総事業費に定めがない筑後広域公園の整備費9億1千万円と維持費3億5500万円余(プール含む)等、相変わらずの開発予算を計上しています。

総事業費2000億円といわれる下関北九州道路については、調査費に前年度同額の360万2千円と推進の姿勢を示しました。

一般質問の日程とテーマ

正式な日程は3月5日に決定されます。

高瀬菜穂子
3月12日(月曜)午前
憲法9条についての認識
福岡県の産業廃棄物行政について
山口律子
3月12日(月曜)午後
玄海原子力発電所の再稼働について
福岡県の生活保護行政について

予算特別委員会の日程とテーマ

質疑は高瀬菜穂子が行います。

3月15日
総務費
JR九州の問題(日田彦山線復旧、列車の減便、駅の無人化)
3月16日
保健費
医療・介護問題
3月19日
生活労働費
労働委員会の問題
3月20日
県土整備費
水道料金の問題
3月22日
教育費
英語教育・道徳教育について
3月26日
知事保留質疑(未定)

森林整備はどうあるべきか

投稿: 2017年11月14日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

九州北部豪雨災害では、大量の土砂と流木によって被害が拡大したことから、森林整備について特に関心が高まっています。そんな時だけに、森林環境税の継続を歓迎する関係者の声も聞きました。森林整備はどうあるべきか、その財源はどうあるべきか、考えたいと思います。

県民税均等割に500円上乗せの「福岡県森林環境税」

福岡県の「森林環境税」は、民間の荒廃森林の整備のため、10年前に導入されました。所得の如何にかかわらず県民税均等割1000円に500円上乗せする形で徴収します。均等割のみの世帯では1.5倍の負担です。1年に500円ですが、震災復興税も500円加算されており、年金や実質賃金が減り続け、国保や介護保険料などの負担が増える中で、低所得者にさらに負担をもたらすものとなっています。県民負担で年間13億円の収入となり、10年間続けてきましたから、130億の県予算になったわけです。

9月議会では、この「森林環境税」を5年間延長するという条例案が提出され、日本共産党は、低所得者を含む県民に負担を強いることは適切ではないと反対しました。(日本共産党を除く賛成多数で可決成立)

大切な森林であればこそ、県民負担でなく、国・県が予算措置を

森林は、木材の供給源であるとともに、中山間地の維持と国土の保全や水源の涵養など、公益的機能を有し、そこで営まれている林業は、地域社会を支える重要な産業であることは言うまでもありません。

しかし、輸入自由化による木材価格の低迷、中山間地域の高齢化や担い手不足などを背景に森林の荒廃が進んでいます。森林の保全と林業の振興には国の役割が決定的に重要です。ところが、国の「森林整備予算」は、2007年度の1704億円から2017年度の1203億円へと、この10年間で501億円も削減されています。必要なことは、森林整備と林業対策において、国の責務を明らかにし、国内林業の保護と国土保全を国の林業政策の根幹に位置づけ、抜本的な対策を講じることではないでしょうか。

森林予算推移

日本共産党は、国民に広く負担を求めるのではなく、二酸化炭素排出量に応じた負担となっている既存の「地球温暖化対策税」の拡充を図ることで財源を確保することを求めています。その「使途」として森林吸収源対策を位置づけることによって、地球温暖化対策とともに必要な財源の確保につなげるよう提案しています。

福岡県で今後約3万ヘクタールの森林が新たな荒廃がすすむ

林野庁による九州北部豪雨災害の現地調査の結果では、「記録的な豪雨による特定の箇所に集中した雨水が要因となり、森林の有する土砂崩壊防止機能や土砂流出防止機能の限界を超え、山腹崩壊等が発生した」とされています。

確かに、この地域は県内では比較的森林整備が行われている地域でもありますが、記録的集中豪雨によって根っこからもろともに流木となりました。一方、国策による杉・ヒノキの植樹、価格低迷による手入れ不足などが被害を大きくしたのではないか、との声も聞かれます。

9月決算議会において、山口律子県議が、森林対策について質問しました。この10年間、森林環境税は荒廃森林の整備のために使われてきたわけですが、その整備状況、今後の見通しについて、今泉正彦林業振興課長は、「森林環境税を導入した平成20年度以降も、木材価格の下落が続くなど、林業を取り巻く情勢が厳しさを増していることから、間伐などの手入れがなされず放置されれば、今後約3万ヘクタールの森林で、新たに荒廃がすすむことを懸念している」との認識を示しました。

国の木材自給率目標50%に見合う対策を

国は2001年の「森林・林業基本法」に基づき、「森林・林業基本計画」を5年ごとに見直しています。2016年の基本計画では、2025年の木材供給量4千万立メートルを目標に掲げ、木材自給率は50%になると見込んでいます。木材自給率は、2002年の19%を底に徐々に回復し、2016年には35%まで上がってきており、福岡県における県産材シェアも2014年以降上昇しています。

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今泉課長は、「平成26年度から、主伐による県産材供給力強化に取り組んでいる。具体的には、主伐を行う事業者に対し、搬出経費の一部を助成。さらに、主伐現場を管理する人材の育成にも取り組んでいる。需要拡大については県有施設の木造・木質化やモデル的な木造建築物の表彰、県産材を使用した家具を売り込むための商談会への出店支援など販路開拓にも取り組んでいる」とその取り組みを紹介しました。

しかし、これらの取り組みが十分でないことは、荒廃森林が増えると予測されていることからも明らかです。2001年の日本学術会議で示された森林の公益的機能の貨幣評価額は、多面的機能の一部にすぎませんが、70兆円との試算がされています。これに対し、2017年度の国の森林整備予算はわずかに0.2%にすぎません。

私たちは、森林から水源涵養や土砂災害防止、地球温暖化防止など、国民生活に欠かすことのできない恩恵を受けているわけですから、国の責務として必要な予算を確保し、県としても、森林環境税に頼るのでなく、一般会計の予算を抜本的に増やして、森林整備、人材育成などの森林対策を充実すべきです。

県としては、今後、人口林を経営が成り立つものと経営が困難なものとに分け、経営が成り立つ人工林では複数の所有者の森林を取りまとめ、路網整備や間伐等の作業を一体的に実施するとともに、森林組合等による経営受託の促進などにより森林資源の循環利用を推進し、経営が困難な人工林では、森林のもつ多面的機能の発揮に向けて健全な森林づくりを推進するとしています。推移を見守り、森林対策の充実を求めて頑張ります。

掲載した資料をPDFファイルで読む

9月議会での一般質問と答弁

投稿: 2017年09月22日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

  • 質問 高瀬菜穂子(日本共産党)
  • 答弁 服部誠太郎(副知事・知事職務代理者)

北朝鮮問題の対応について

日本共産党の高瀬菜穂子です。通告に従い、一般質問を行います。

まず、北朝鮮問題です。北朝鮮は、国際社会が強く自制をもとめているもとで、弾道ミサイル発射と核実験を強行しました。この暴挙に、満身の怒りをこめて抗議を表明するものです。現在の最大の危険は、米朝間で軍事衝突が起こる潜在的な可能性が存在していることです。マティス米国防長官は、軍事衝突が起これば「信じられない規模での悲劇が起きる」と証言しています。喫緊の課題は、「誤算」や「偶発的な事態」による軍事衝突を回避すること、絶対に戦争にしないことです。そのためには米朝間の直接対話が不可欠です。

ところが、安倍首相は「対話否定論」を繰り返し、20日の国連演説でも「必要なのは対話ではない。圧力だ。」と対話による解決を全面否定しました。しかし、各国政府は、安倍首相が否定する「対話」の実現を真剣に模索しています。国連安保理決議でも、制裁と合わせて「緊張を緩和する努力」「対話を通じた平和的解決」を加盟国に呼びかけています。ドイツやフランスなども「対話による平和的解決しかない」と主張しており、安倍首相の発言は北朝鮮への挑発とも取られかねない突出した異常なものです。朝鮮半島に最も近い、アジアの玄関口を標榜する本県知事として、安倍首相に対し、米朝の直接対話を促す外交を行うよう、強く求めるべきではありませんか。国民の生命と財産を守る立場からの知事職務代理者の真摯な答弁を求めます。

答弁―北朝鮮問題の対応について(

北朝鮮問題への対応は、我が国の外交と安全保障に関わる最たる問題であり、これまでの経緯も踏まえ、国において、対応されるべきものであると考えております。

核兵器禁止条約について

次に、核兵器禁止条約について伺います。

人類史上初めて、核兵器を禁止する条約が7月7日、国連加盟国の3分の2、122か国の賛成で採択され、9月20日から署名が始まりました。核兵器禁止条約は、その前文に「ヒバクシャの苦難を心に留める」と盛り込み、核兵器の開発、保有、実験、使用だけでなく、威嚇行為も禁じている画期的なもので、核保有国が条約に参加する道もつくられています。

速やかな核兵器廃絶を願い、核兵器禁止条約を結ぶことを全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」には、16の知事を含む日本の865自治体の首長が賛同署名し、世界の7439都市が加盟する平和首長会議も、核兵器禁止条約の締結を求め取り組みを進めています。今年の「長崎平和宣言」にあるとおり、安全保障上、核兵器が必要だと言い続ける限り、核の脅威はなくなりません。政府には、核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、自ら明言したとおり核兵器を持つ国々と持たない国々との橋渡し役を務めることが求められます。この条約を批准してこそ、北朝鮮の核開発に対しても道理と大義で厳しく対峙できるのではないでしょうか。

そこで、知事職務代理者に伺います。核兵器禁止条約そのものについての見解を明らかにしてください。この条約の早期発効に向け、日本政府は条約を批准し、世界に向けて積極的な働きかけを行うよう求めるべきだと考えます。見解を伺います。また、広島、長崎に次いで被爆者数の多い本県知事として「ヒバクシャ国際署名」に自ら署名し、世界に向けて核廃絶を訴えるべきと考えます。知事職務代理者のご所見を伺います。

答弁―核兵器近似条約について

我が国は世界で唯一の被爆国であり、核兵器のない平和な世界の実現が望まれております。

一方、条約の締結は、外交政策に関する国の専管事項に属するものであり、政府が責任をもって取り組む課題であると考えております。

被災者支援と災害基金の創設について

次に、甚大な被害を出した九州北部豪雨災害についてです。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表明するとともに、被災者にお見舞いを申し上げます。また、被災自治体とともに取り組みを進めてこられました関係各課の職員の皆さんにも敬意を表します。日本共産党としても、発災直後から被災地を視察し、被災者の声をお聞きし、県行政につなぐとともに政府にも直接交渉してまいりました。また、独自にボランティアセンターを設置し、住家や農業用ハウスの泥かき、被災者からの聞き取りなどに取り組んでいます。一刻も早く生活と生業を取り戻し、コミュニティを再建する、そのために日本共産党としても全力を挙げる決意です。その立場から、2点についてお尋ねします。

第一は、住家の問題です。被災者生活再建支援法の拡充については、すでにその方向で政府に要求しているとの答弁がありました。わが党は、かねてより支援金を少なくとも500万円に引き上げるよう国会で繰り返し求めてきました。被災自治体として、国に対し、実態を踏まえ、強力に支援制度の拡充を求めていただくことを強く要望します。

半壊世帯の公費解体問題についても代表質問で取り上げられましたが、この問題は、地域の復興に不可欠であり、公費解体でない場合、朝倉市・東峰村に多大な費用負担となる重大問題であるため、改めて県の姿勢を質したいと思います。 被災者生活再建支援法においては、半壊で解体の必要な家屋については全壊と同様の取り扱いとなっており、最高300万円の支給があります。ところが、災害等廃棄物処理事業補助金制度においては、解体費補助は全壊のみであり、住むことができず解体しなければならない半壊について補助の対象とならず、阪神・淡路、東北、熊本にのみ例外として適用しました。支援法に廃棄物処理事業補助金制度が追いついていません。これまで、さまざまな災害支援事業は、災害のたびに見直され拡充されてきました。先日この問題を国会で取り上げたわが党の田村貴昭衆議院議員に対し、環境省とかしき副大臣は、「全壊であれ半壊であれ、被害を受けたのは同じことでございますので、そういった状況の中でも、元の生活に戻れるようにスピード感を持って対応していきたい」と答えています。それならば、法の解釈を変えて、住めない家は全壊と同様の対応を行うべきです。解釈の変更を国に強く求めるべきだと考えますが、知事職務代理者の見解をお示しください。

第二は、福岡県独自の災害基金の創設についてです。今回の災害に際して、本県でも、農機具に対する補助や小石原の共同窯など独自支援を打ち出しています。また、県内で支援法が適用された際に適用外となった市町村の被災者に支援法相当の県独自の支援金制度を持っています。しかし、その規模は限定的であるといわざるをえません。

新潟県では、中越地震の際に国の支援により3000億円の基金を設置し、その利子収入を柔軟に使って、被災者支援を行っています。当初事業メニューを募集し1781件の応募の中から6分野30メニューを設定、さまざまな貸付制度に対する利子補給をはじめ、生活支援相談員設置補助、応急仮設住宅維持管理補助、事業所解体撤去補助、雇用維持奨励金補助などなど、国の制度では手の届かないきめ細かな支援で、商店街や事業所を含め被災者と被災地域を支援しました。新潟県では、10年後にこれら事業の検証を行っていますが、たとえば、被災畜産農家106戸のうち96戸が事業再開、被害総額780 億円の商工業分野でも、商店街では2か月半でほぼ再開、1年半後には営業未開催ゼロに、工業関係の対象217社が1年後にはすべて操業再開など、大きな成果をあげています。

5年前の豪雨災害の際、JA八女は、独自に1億円の基金を作り、農家の自己負担軽減のために使ったとおっしゃっていました。本県でも、いつ起こるかわからない災害に備えて、柔軟に被災者や被災自治体を支援するための何らかの形の基金の創設について検討すべきではないでしょうか。知事職務代理者の見解を伺います。

答弁―被災者支援と災害基金の創設について

半壊家屋の公費解体について

半壊家屋については、原則として、国の災害等廃棄物処理事業の補助対象となっておりません。

しかしながら、阪神・淡路、東日本、熊本の震災においては、半壊家屋の被害が極めて多く、半壊家屋の解体・撤去の遅れが被災地の復旧・復興の大幅な遅れにつながるおそれがあったことから、特例的に補助対象とされたところでございます。

今回の豪雨災害においては。9月21日時点で、半壊家屋が824件と多数に上り、半壊家屋の解体・撤去の遅れは、被災地の復旧・復興の大きな支障となるものと考えております。

 また、解体・撤去に要する費用は、被災者にとっても大きな負担であります。このため、朝倉市、東峰村は、半壊家屋の解体・撤去も公費補助の対象とするよう求めております。

こうしたことを踏まえ、県は、県議会とともに、国に対して熊本地震等と同様に半壊家屋の解体・撤去を国の補助の対象にするよう、7月27日に山本前環境大臣に、8月28日には中川環境大臣に、直接要請するなど、強く働きかけを行っているところであります。

今後とも、あらゆる機会をとらえて国への要望を継続してまいります。

災害に備えた基金の創設について

本県では、災害に備えて、災害救助法に基づき、災害救助基金を設置し、避難所の設置や応急仮設住宅の供与など応急的に必要な救助の費用に充てております。

また、大規模な災害などに備えて財政調整基金を設置しており、柔軟な被災者への支援など災害への復旧・復興に係る支援策において、財源不足が生じた場合には、これを活用してまいります。

アダルトビデオ出演強要問題の被害者救済と対策について

次に、アダルトビデオ出演強要問題について伺います。

「モデルにならないか、とスカウトされ契約書にサインし、いざ撮影となって現場に行ってみたら、AVだった。嫌だと訴えても、契約不履行で違約金がかかるぞ、親にばらすぞ、と脅され、仕方なく撮影に応じると、以後、次々に撮影を強要される」このような性暴力の実態が明らかとなり、自殺者も出る中、内閣府男女共同参画局は、インターネットによる実態調査を行い、深刻な実態が浮き彫りになりました。内閣府、警察庁など関係省庁が通知も発出するなど、政府を上げて相談体制の確立と対策に取り組み始めています。

2015年9月に、AVに出演を強要されていた女性が出演を拒否し、契約不履行としてプロダクションに訴えられていた裁判で、損害賠償の必要はないとする画期的な判決が出されました。これ以降、民間の相談機関である「ポルノ被害と性暴力を考える会(略称 PAPS)」やNPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」などに寄せられる相談は急激に増えています。これら機関に寄せられる相談は、全国各地からで、本県からも十数件に上る相談があったとお聞きしました。

裁判に訴えられた女性は、繁華街でタレントにならないかと勧誘され、わいせつな行為をするとは想定しないまま営業委託契約書に署名捺印をしました。当時は高校生で保護者の同意もなく、契約書のコピーも本人には渡されませんでした。契約書を盾に最初からわいせつな仕事をさせられ、プロダクションの一存でAV撮影も強行され、女性はやりたくないと懇願したけれども違約金が生じると脅され、やむなく応じざるをえなかった。撮影の1日目には数名の男性によって性行為を繰り返しされ、そのショックで放心状態のときに、新たなAV契約に署名捺印させられたそうです。もうやめてと何度も懇願したけれども聞き入れてもらえず、出演しなければ1千万円の違約金を払えと脅されました。この女性は自力でPAPSにたどり着き、相談し、先の裁判となったものです。しかし、相談にこられる方は氷山の一角で、相談せず、苦しみ続けている人が多くいるのではないでしょうか。

性暴力は魂の殺人といわれます。明らかな性暴力、強姦を行った上、それを撮影され、契約書を盾に違約金を迫られ、自己責任だと思わされる、こんな二重三重の人権侵害が若年層に対して行われていることに怒りを禁じえません。そこで、福岡県でこうした被害をなくし、相談体制を確立していただきたいという立場から、以下質問をします。

まず、アダルトビデオ出演強要について、本県の相談窓口に寄せられた件数を明らかにしてください。内閣府の通知も受け、本県においてどのような対策が講じられているか、合わせてお答えください。

また、警察庁からも3月にアダルトビデオ出演強要問題に関する通達が出されています。これを受けた警察の対応と、警察に寄せられた相談件数をお答えください。被害者が警察に行った際、「契約書があるのなら仕方がない」と言われたり、「何で断らなかったのか、逃げなかったのか」といわれ、さらに傷つけられるという例があったと聞きます。深刻な被害の実態があることを踏まえ、被害者の立場にたって実態を聞くこと、証拠がなく違法性が立証できない場合でも、民間の相談機関につなぐなどの丁寧な対応が求められると思います。警察本部長の答弁を求めます。

文部科学省からも4月に事務連絡として「いわゆるアダルトビデオの出演強要問題・「JKビジネス」問題に関する周知について」が出されています。新入生に対する注意喚起、関係機関の相談窓口の周知など未然防止と被害を受けてしまった場合の回復のための取り組みを依頼しています。これを受けて、どのような取り組みがなされたのか、教育長にお尋ねします。私立学校については、知事職務代理者に答弁を求めます。

この問題を含む、性暴力やセクハラ問題の解決のためには、性暴力が人権侵害だという認識を持つことが大切であり、性教育こそが性暴力を防ぐ最大の費用対効果を発揮するとの指摘もあります。自己決定のスキルをはぐくむセクシュアリティ教育が国際的に取り組まれていますが、本県の性に関する指導はどのように取り組まれていますか。教育長にお尋ねします。また、契約や労働者の権利について知識がないことも問題を深刻にしており、労働者の権利教育も重要です。この取り組みについて、合わせて教育長の答弁を求めます。

この問題の解決のためには、アダルトビデオ業者等による個人の意に反した勧誘、雇用、制作、販売、配信等による性的被害を防止するための罰則付きの総合的な法整備が必要であると考えます。国に対して、法整備を求めるとともに、東京都が「JKビジネス」を規制する条例を作り、本年7月実施で防止に乗り出したように、本県としても条例制定によって、性的被害を防止する対策を行うべきだと考えます。知事職務代理者の見解をお聞きします。

最後に、犯罪的に撮影された女性の写真が掲載された成人向け雑誌が、コンビニで子どもの目線に触れる所に陳列されています。青少年の健全育成の観点から、雑誌に帯をつけるなど表紙が子どもたちの目に触れなくなる対策をとるよう、業界に要請していただきたいと考えますが、知事職務代理者の答弁を求めます。PAPSなどに来られる方には、「来週、写真が載った雑誌が販売される。何とか止めてほしい」という切羽詰まった相談が少なくなく、「コンビニ発売から地獄が始まる」とも言われており、被害者保護の観点からも有効と考えます。この取り組みを進めていただくことを強く求め、質問を終わります。

答弁―アダルトビデオ出演強要問題の被害者救済と対策について

アダルトビデオ出演強要問題に関する本県の現状とその対策について

近年、大都市圏を中心に、若年層の女性がアダルトビデオに出演するという認識がないままプロダクションと契約を締結し、その後、本人の意に反してアダルトビデオに出演を強要されるなどのケースが明らかになっております。

本県ではこれまで、県内の相談窓口に1件の相談が寄せられております。

県としては、内閣府からの通知を受け、市町村と関係機関に対し県民への被害防止のための注意喚起と相談窓口の周知徹底を行うことを呼びかけております。

あわせて、担当窓口の相談員に対し行う、女性相談のスキルアップ研修において、丁寧な相談対応と関係機関への適切な橋渡しを行うよう指導しております。

また、特に若年の女性を中心として、この問題に関する注意喚起と相談できる窓口をお知らせするために、大学・短大や女性団体などに対し県の男女共同参画センターが発行する「あすばる定期便」を1万部配布するなどの啓発を行っております。

アダルトビデオ出演強要問題等に係る私立学校に対する取組みについて

県では、文部科学省からの通知を受け、平成29年4月、県内私立学校に対し、新入生の入学ガイダンスなどの機会をとらえ、十分に注意喚起を行うなど、必要な指導を行うよう依頼したところでございます。

また相談窓口などの情報をまとめた資料の活用についても周知したところでございます。

コンビニエンスストアにおける成人向け雑誌に対する取組みについて

県では、福岡県青少年健全育成条例に基づくコンビニエンスストアへの立入調査を行う際に、成人向け雑誌の表紙が見えないようにする方法を示した冊子を配布しながら、各店舗への協力を依頼しております。

また、コンビニエンスストアが加盟する日本フランチャイズチェーン協会に対して、業界として成人向け雑誌の表紙が見えないような陳列に取り組むよう働きかけております。

県としては、引き続き、業界団体の協力を得ながら、青少年を取り巻く環境の浄化を進めてまいります。

9月議会はじまる

投稿: 2017年09月12日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

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9月定例会が9月11日に開会しました。会期は10月31日までの33日間です。

今回上程されたのは、予算案1件、「森林環境税の徴収期間5年間継続」「非常勤職員の育児休業の期間改定」など条例議案8件、契約案件4件、経費負担議案6件、人事案件1件の20議案です。

補正予算案の中心は、7月の九州北部豪雨からの復旧・復興対策費で、補正の災害対策費としては過去最大の634億円が計上されました。

内訳は以下の通りです。

  • 被災道路・河川の復旧に448億円
  • 治山ダムなど災害再発防止に136億円
  • 仮設住宅100戸やみなし仮設経費に11億円

その他新規事業では、被災地への旅行・宿泊料金を割り引く「ふくおか応援割」、農林漁業支援のボランティア団体支援費、小石原焼の共同窯設置支援等となっています。

一般質問(9月22日午後予定)

高瀬が担当します。

  • 「北朝鮮問題」で米朝の直接対話を促す外交を求めよ
  • 核兵器禁止条約の批准を求めよ
  • 災害基金の創設を
  • AV強要、被害者救済と対策を

決算特別委員会

山口律子議員が担当します。

  • 10月2日(総務費)県地域防災計画について
  • 10月3日(保健費)国保の都道府県化、医療費の適正化計画
  • 10月4日(農水費)森林対策、森林環境税について
  • 10月5日(商工費)被災商工業者の支援について
  • 10月6日(教育費)通級指導教室について
  • 10月10日(総括質疑)河川、道路の災害復旧問題について

県議会2月予算議会

投稿: 2017年05月23日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

新年度予算 1兆7209億円(実質過去最高)県債残高3兆5千億円

2月予算議会が終わりました。2017年度一般会計予算は1兆7209億円で、実質史上最高です。今年度から政令市の教職員給与費が移管されますので、これを差し引くと、昨年比で実質1.3%増、県政史上最高の予算額を更新しました。県債(借金)も3兆5000億円と増え続け、史上最高の額です。

水あまりの中、無駄で巨大なダム建設はほぼ完成に近づきました。次は、筑後川からダムに水をポンプアップし、水量が減ったときに、また筑後川に戻す「ダム群連携事業」に着手する予定です。2000億円もかかる下関北九州道路にも360万円の調査費がつきました。福岡空港の滑走路複線化、工業団地造成など、相変わらずの大型開発が目白押しです。

放課後児童クラブの利用料補助制度(低所得者対象)を創設

くらしの予算が抑えられる中、放課後児童クラブ(学童保育クラブ)の低所得者補助制度ができたことは、大きな喜びです。放課後児童クラブの利用料が高いため、行かせたくても行かせられないという家庭があります。

ひとり親や、生活保護家庭で親が働いていない場合など、本来はもっとも活用してほしい子どもが、経済的な事情で通えない状況を改善してほしいと、常任委員会で取り上げ、その点では県と認識が一致しました。その後、山口律子議員が昨年6月議会一般質問で、補助制度をつくることを国・県に求め、さらに9月議会では、沖縄の貧困対策を紹介し、市町村事業に県が助成するよう求めていました。

今回の制度は、市町村が補助制度をつくった場合に、その半額を県が助成する(上限5000円で県はその半額)というものです。多くの市町村で制度ができ、活用されますように。さらに充実ができるようがんばります。

県立嘉穂高等学校定時制の募集停止 その後

12月議会で取り上げた嘉穂高校定時制の募集停止問題で、情報公開請求により、教育長の「ていねいに説明してきた」との答弁に根拠がない疑いで出てきました。地元の教育長への説明にわずか5分、10分です。

「定時制の充実のため」との説明も空文句。このような学校つぶしは許せません。文科省は、各県に1校以上の夜間中学をつくる方針を出しました。新たに学習権保障の場が注目される中、夜間定時制高校は廃止ではなく、充実こそ求められます。このことを予算特別委員会で取り上げ、厳しく追及しました。

12月定例会が始まりました

投稿: 2016年12月04日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

福岡県議会12月定例会が1日開会しました。上程された議案は、補正予算など予算議案2件、条例15件、専決処分1件、工事請負契約9件、その他7件の計34件です。

12月9日に一般質問を行う予定です。テーマは「教員不足問題、高校定時制廃止・夜間中学問題等について」です。

知事提案の概要

  • 補正予算の総額は342億500万円余、うち防災・地方創生・子育て支援等の経済対策が311億円余を占め、その大半が国の補正予算の具体化です。
    河川護岸の整備に約50億円(44箇所)、急傾斜地対策約6億円(23箇所)、緊急輸送道路整備約32億円(47箇所)、橋梁老朽化対策6億円(21箇所)、ため池補修10億円(20箇所)、クリーク整備10億円(6箇所)、地滑り対策4億円(2箇所)、私立学校耐震化促進3億5千万円余(7棟)など、防災・減災対応が中心です。

  • 地方創生関連では、西鉄大牟田線の連続立体交差化事業の加速化(前倒し)に約17億円、筑後広域公園の体験エリア整備に6億円、園芸農業収益力強化(低コスト耐候性ハウス整備補助金等)に18億円余、中山間地農業所得向上(所得向上計画策定、水利施設整備)などに約2億円、製材業の生産力強化に2億4千万円等が計上されています。

  • 子育て支援、福祉の充実関連では、保育士の就職支援に10億円余が計上されました(新規事業)。
    保育士養成学校の学生に対する授業料・就職準備金を貸し付ける制度ですが、卒業後、保育士として5年間勤務すれば返済不要となります。潜在保育士に対して2年就業で返済不要となる就職準備金貸付制度(上限40万円)の予算も含まれます。

  • 福祉関連では、障がい者施設等の防犯カメラ設置の助成、特別支援学校のトイレ・外壁回収費など19億円余が計上されました。
    このほか県事務処理特例条例の改定で旅券(パスポート)発行事務を、豊前市で実施可能にすることを提案しました。

画像をクリックするとpdfファイルが表示されます。

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9月定例会と決算特別委員会報告

投稿: 2016年12月04日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

9月定例会と決算特別委員会の報告です。

画像をクリックするとpdfファイルが表示されます。

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県議会6月定例会(予算議会)開会

投稿: 2016年06月08日 | カテゴリ: 福岡県政の問題

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県議会6月定例会(予算議会)が6日、開会しました。参院選直前のため補正予算案提出が見送られ、議案は、条例議案7件、専決処分1件、契約議案9件、財産取得1件、人事案2件が上程されました。なお、会期は6月21日(火)まで15日間の予定です。請願の締め切りは6月14日の正午です。

一般質問

  • たかせ菜穂子 6月14日(火)日時未定
    • 下関北九州道路について
      (小倉東断層との関連も追及します)
    • 臨時教職員の産休・育休取得について
  • 山口りつこ 6月15日(水)日時未定
    • 福岡県地域防災計画について
      (応急判定員の大量養成などを求めます。)
    • 放課後児童クラブについて

熊本地震 被災地支援の概要を報告

小川知事は所信表明(議案説明)で熊本地震について発生直後から救命・救助等応急支援活動にあたるとともに、被災地・被災者のニーズに的確に応えるため『支援特命チーム』を設置し、人的・物的支援、被災者の受入れなどを機動的に行ってきたと強調。人的支援については県警や市町村職員を含め延べ1万7000人を超える人員を派遣したと述べました。

また、被災者受入れについては300世帯以上を公営住宅で受入れたほか、精神疾患や透析の入院患者を県内病院に、障がい者・高齢者を社会福祉施設・旅館・ホテルに積極的に受け入れていると述べました。

今後の熊本・大分両県に対する支援については九州・山口各県と一体になって、できる限りの支援を行っていくと述べるにとどまりました。

被災者の経済的負担を軽減する新条例制定を提案

知事は国の動向も踏まえ、東日本大震災被災者に限定されていた「使用料・手数料の免除に関する条例」を廃止し、新たに、大規模災害の被災者に対する使用料及び手数料の免除等に関する条例」制定を提案。被災者の福岡県立学校の入学料や、運転免許証再交付手数料などの免除をすすめると表明しました。

このほか、保育所・幼保連携型認定こども園の職員配置に関する特例条例、グリーンアジア国際戦略総合特区における不動産取得税の課税免除要件を見直す条例、久留米スポーツセンター・メインアリーナ棟改築工事契約変更等の議案が出されており、質疑等をつうじて厳しく精査していきます。

12月議会で山口りつ子議員が行った一般質問の大要です。


国にTPPの情報公開要求すること、TPPの影響調査を実施すること

まず、環太平洋連携協定に関する本県の対応についてお尋ねします。

政府は、大筋合意を受けた「TPP関連政策大綱」を決めました。今年度の補正予算や来年度予算編成に反映させるものの、具体的な対策は来年秋までに詰めるという方針です。秘密交渉で大幅に譲歩した大筋合意の全容を公開せず、政府が情報を独占したまま「対策」を打ち出すなどというのは、本末転倒です。

TPPは12カ国の交渉が大筋合意したといっても、まだ協定の全文すら確定せず、各国の署名や批准の見通しもはっきりしません。

わが国が大きな被害を受ける農業分野について、国会決議はコメなど重要5項目について関税の撤廃や引き下げを認めず、それができなければ交渉脱退も辞さないと明記しましたが、それがどう担保されたのかも不明です。 これらの検証を抜きに、「TPPの影響は限定的」だと宣伝されても信用できません。

JA福岡中央会は、本議会に提出した「要請書」において、農業の現場では将来への不安と『農産物の重要品目の聖域確保を求めた国会決議が守られておらず裏切りだ』と厳しい批判の声をあげました。知事は生産者の怒りを、どう受け止めておられるのでしょうか。

少なくとも「大筋合意」のすべての分野の情報公開を行い、本県農業や経済に与える影響の試算など、速やかな情報提供を政府に求めるべきだと考えます。あわせて北海道など多くの都道府県が実施・あるいは実施を検討している独自の影響調査や試算を本県も行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。

答弁―国にTPPの情報公開要求すること、TPPの影響調査を実施すること

  • 今回のTPP協定の大筋合意により、我が国は世界全体のGDPの4割近くを占める経済圏へ参加できることになる一方で、農林水産業については、一部影響が懸念されるところである。
  • こうしたことから県では、国に対し、大筋合意された内容について、農林水産業に与える影響への懸念も踏まえ、国民に十分丁寧な説明を行うよう要請してきたところである。
  • 交渉結果を踏まえた影響額試算については、国が年内を目途に試算を公表するとしており、その結果を踏まえ、県として、どのような対応が必要か検討する考えである。

子どもの貧困対策

連日のように報道されている「子どもの貧困」ですが、福岡県の就学援助率は22.62%と全国5番目に高く、子どもの貧困が最も深刻な県の一つだという指摘があります。

県は福祉、教育、労働、住宅など多分野にまたがる「子どもの貧困」に特化したワンストップ窓口として、複数の「相談所」を設置する構想をもっていると報道されましたが、歓迎すべき決断です。本県は、現状をどう捉え、どんな対策を講じようとされているのか、知事の見解をお聞かせください。

子どもの貧困対策を考えるとき、即効性のある施策は、学校教育法第19条、就学援助制度の充実です。昨年1月施行の『子どもの貧困対策の推進に関する法律』、8月の『子どもの貧困対策に関する大綱』でも、「就学援助の活用・充実」が強調されています。そこで三点、教育長に伺います。

第一は、文科省が今年10月6日に各都道府県教育長に発した「通知」の受け止めです。「通知」は「援助の必要な児童生徒の保護者に対し、もれなく就学援助が実施されるよう更に取り組みを充実していただく必要がある」と、市町村教育委員会に対する指導援助の強化を強く要請しています。政府は「大綱」で、就学援助制度の周知状況を公表していますが、本県の直近の状況と今後の取り組みを伺います。

第二は、生活保護基準の見直しに関する取り組みです。政府は平成25年8月から三年連続して保護基準を切り下げましたが、他の制度にできる限り影響が及ばないようにすることを基本的考え方としています。

本県も就学援助基準は生活保護の「一点何倍」の市町村が大半ですが、平成25年度から就学援助率が下がっています。文科省「通知」を市町村に単に送付するだけでなく、就学援助の活用充実をはかるという「大綱」の立場で周知徹底を強めるべきと考えますが、ご所見を伺います。

第三は、準要保護の就学援助の費目拡大についてです。準要保護の就学援助は要保護に準じるとしていますが、本県の場合、平成22年度から要保護児童生徒に支給されているPTA会費、クラブ会費、生徒会費を支給している市町村は7自治体しかありません。準要保護の就学援助の支給費目については少なくとも要保護児童生徒に準じて支給されるよう地方交付税で財源措置がされています。県教委は市町村に対し、費目拡大を働きかけて頂きたく、教育長に伺います。

答弁―子どもの貧困対策

  • 本県の子どもの貧困の現状は、生活保護や就学援助の受給率を勘案すると、貧困状態におかれている子どもたちの割合も全国以上になるものと認識している。
  • そのため、県では、今年度中に、子どもの貧困対策推進計画を策定し、教育、生活、保護者の就労、経済的支援など様々な関連分野の施策の充実を図るとともに、子どもの成長段階や家庭環境に応じた効果的な支援を行うため、県内数か所に、ワンストップの相談窓口を設置することについても、検討を進めているところである。
  • このような取り組みを通じて、関係部局一体となり、子どもの貧困改善を図っていく。

答弁―就学援助の周知

  • 本県において、平成26年度に就学援助制度の書類を入学時に学校で配布している市町村の割合は60.7%、毎年度の進級時に学校で配布している市町村の割合は57.4%にとどまっている。
  • 県教育委員会としては、市町村に対し、入学時や進級時に全ての児童生徒に申請書類を配布するほか、できるだけ多くの広報手段を通じて就学援助の周知徹底を図るよう指導を行っており、取組が十分でない市町村に対しては、更なる指導を行ってまいりたい。

答弁―生活保護基準の見直しに関する取り組み

  • 就学援助のうち、要保護児童生徒に対する援助について、国は生活保護基準の見直しに伴う影響ができる限り生じないよう対応するとしている。
  • 県教育委員会としては、市町村に対し、準要保護児童生徒に対する援助についても、国の方針を理解した上で適切に判断するよう要請してきたところであり、引き続き周知徹底に取り組んでいく

答弁―就学援助の支給費目拡大

  • 就学援助は学校教育法で市町村に実施が義務付けられているものであり、準要保護児童生徒に対する就学援助で、どのような費目を支給対象とするかは、それぞれの市町村が実態に応じて判断することとなっている。
  • そのため、県教育委員会として支給費目について市町村に指導を行うことは困難であるが、市町村が必要な就学援助を行えるよう、国に対して財政措置の充実を要望していきたい。

住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査と助成制度創設

知事は本県の景気は緩やかな回復傾向にあると説明されましたが、福岡県景気動向一致指数は28.6%と3か月連続で50%を下回り、低い水準が続いています。安定的な景気回復には個人消費の活性化策が必要であり、住宅リフォーム助成制度は最も効果的な施策のひとつです。

現在、県内過半数の31市町が独自に実施し、経済効果は15倍から30倍に達します。市町村を応援し、その波及効果をさらに上げるため、秋田県、佐賀県などに続いて本県も、制度創設を決断する時ではないでしょうか。知事にお尋ねします。

国土交通省によれば、昨年の県内個人建築の工事予定額は3117億円に達し、リフォーム額は推計で1360億円でした。

県民の6割が今の家に住み続けたい、33%が改善や住み替えを要望しています。助成制度が創設されれば、老朽化した住宅のリフォームが進み、空き家を減らす対策にもなります。建築業に従事する若者の激減が社会問題になっていますが、新制度の創設は、仕事と賃金を増やし、これからの福岡の建築を担う技術者を育てることにもつながります。高齢者や家族の安心、健康増進など、社会福祉の観点からのメリットも少なくありません。

こうした様々な角度から、「住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査」を実施し、その結果を速やかに公表し、制度設計に踏み出すべき時期にきていると考えますが、知事のご意見を伺い、質問を終わります。

答弁―住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査と助成制度創設

  • 住宅リフォームは、内容も広範囲で多岐にわたり、個人の財産として、所有者が自らの考え方で行うことが基本であると考えている。このため、リフォーム一般に関する助成制度の創設は困難であると考えている。
  • しかしながら、県としては、耐震改修の促進や既存住宅の流通市場の環境整備といった観点から、戸建て住宅の所有者に対する耐震改修費補助や、既存住宅の購入者に対するリノベーション補助を実施しているところである。
  • また、県が助成を行っている地域商品券発行事業において、いくつかの商工会では、発行する地域商品券の一部を住宅リフォーム等に特化する商品券を発行されるなどの工夫が行われている。
  • 国においては、既存住宅の長寿命化と質の向上に資するリフォームの先進的な取り組みを支援する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」を平成25年度から実施している。
  • 今後も、このような取り組みを県民に広く周知していくとともに、リフォーム相談会や中小工務店を対象とした講習会を実施することにより、リフォーム市場の活性化を図り、空き家対策や建築技術者の育成につなげてまいる。このようなことから、リフォーム助成に関する調査を行うことは考えていない。

第二質問―住宅リフォーム助成の有効性に関する総合調査と助成制度創設

住宅は個人の財産だからリフォームの調査や助成はしないとの答弁でした。ところが国は既存の統計調査では実態の把握はできないと「建築物リフォーム・リニューアル調査」を行い、調査の必要性を繰り返し指摘しています。

国は来年の税制改正大綱で「3世代同居のための改修に減税」や佐賀県は佐賀に住んで福岡に通勤すれば1万円の特急代支給、JR新潟県は移住したら奨学金と引っ越し代支給などのニュースが報じられています。

本県も積極的で斬新な政策を打ち出し、市町村の施策を後押しして元気福岡にしていくべきではありませんか。住宅リフォーム助成制度の実施を再度要望し質問を終わります。

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