福岡県議団バナー
トップページにもどる

小中一貫校が各地で急速に広がっています。小学校5校と中学校2校を一つの学校にしたなど、その規模の大きさも驚くほどです。

学校が統廃合されるときに、行政が必ず強調するのが、「人数が少ないと競争がないから、学力がつかない」ということです。親の方も、「切磋琢磨しなければ、育たないのでないか」などと考えてしまいがちです。

しかし、本当にそうなのでしょうか。小規模校と大規模校の問題を考えてみたいと思います。

無駄な時間の多い大規模校

私が新採教員として赴任した中学校は、1学年15クラスの大規模校でした。校庭と中庭に7クラス分のプレハブ教室がたてられ、狭い運動場は、さらに狭くなっていました。国語の授業に行くのは4クラス。学年全員の顔と名前を覚えるのは至難の業です。

全校朝礼や生徒総会などで体育館に並ぶだけで、20分も30分もかかったりします。運動会は学校でできず、陸上競技場で行いました。走るばかりの競技で、しかも遠くからしか見えず、手作り感はありませんでした。

部活も、4月当初は、運動場をドーナッツ状で隙間なく子どもたちが走っていました。退部者が増えないと、まともに練習できないというのが実情でした。

東京品川の小中一貫校で、運動会の種目「玉送り」をするのに、1年生から9年生(中学3年に相当)まで並ぶだけで1時間かかったと報告がありましたが、うなずける話です。

大規模校では、何をするにも意思統一に時間がかかります。限られた施設設備をみんなで使うため、常に調整が必要で、図書館や音楽室などいつも取り合いになっていました。

一人一人と向き合う条件のある小規模校

小規模校では、大規模校のこうした苦労が激減します。

次に私が赴任した2校目の中学校は、周辺の小学校5校から生徒が入学してきました。そのうちの3校は、小規模校でした。

小規模校の子どもたちは概して鍛えられてきます。掃除だって広い範囲を担当します。運動会や学習発表会などでも、ぼーっと見ている暇がないほどたくさんの仕事をこなします。学習面でも、ノートの取り方など、丁寧に育っていると感じることは多々ありました。

複式学級で育った生徒が言いました。「小学校の時は、実験道具は一人に一つだったのに、中学校では班に一つだから、遠慮していたら自分でできない」「小学校の時には、顕微鏡であらゆるものを見た。学校から持ち出して、山や畑に行って、なんでも見て楽しかった」と。小規模校の良さは、こうしたところにあるのではないでしょうか。

1学年1クラスの和歌山の高校を訪ねたことがあります。山の中の小さな学校で、野球部などありません。しかし、パソコンは一人に一台ありました。カヌーも全員分あって、川下りをするといっていました。

小規模校には、子ども一人ひとりと向き合える豊かな教育の条件があることを、もっと積極的に考えてみましょう。


この文章は「北九州子どもと教育のために手をつなぐ会」の会報に掲載したものです。

-->
この記事へのコメント
Posted by くまがいみえこ at 2014年04月04日 19:25
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。