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人権としての教育

投稿: 2012年09月28日 | カテゴリ: 子どもと教育

今回で3回目となる健和看護学院での授業。

教育について話してほしいという、大きなテーマをいただいています。しかし、時間は1時間なので、どんな講義にしようかと毎回悩みますが、結局、一番伝えたい「人権としての教育」をテーマにお話しています。

今回は、堀尾輝久氏の「教育とは何か」を読み返し、学制が始まって以来の教育に3つの流れがあることを再認識しそのことも付け加えました。三つの流れとは、次の三つといってもよいかと思います。

  1. 国家統制のための教育
  2. 産業界からの要請としての教育
  3. 人権としての教育

戦前の「お国のために死ね」という教育は、国家統制のための教育です。学校教育は、思想を一色にしてしまうのに、ある意味都合のよいシステムです。

産業界の要請というのは、資本主義経済の下で必要になる労働者の知識や技術を求める教育のことです。今も、経団連の提言にあわせて、文部科学省が教育内容を変えるということが行われています。

これに対して、自分の能力を開花させ、人間発達・自己実現のための「人権としての教育」という流れがあります。

日本国憲法、教育基本法(1947年)、ユネスコ学習権宣言、子どもの権利条約などは、「人権としての教育」の流れであり、その文章は、いづれも格調高いものです。

授業後の学生の感想にも、「教育について、こんなにいろいろな法律などがあることをはじめて知った」「難しい文章だけど、深いと思った」などと書かれていて、ふれてもらっただけでもよかったかな、と思います。

一方、理念は高くても、日本の教育実態は、諸外国と比べて、遅れているといわざるをえません。

経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の中で、GDP(国内総生産)に占める教育費の割合は、3年連続で最低です。また、国際人権規約の「中等・高等教育無償化」の項目について、長年批准を「留保」(つまり拒否)していました。今年の9月11日にやっと留保撤回を決めたのです。160カ国中、「留保」していたのは、なんとマダガスカルと日本だけです。子どもの権利委員会からは、3回の勧告で「競争教育が子どもの発達をゆがめている」と強く改善を求められています。

こうした問題について、若い人たちに直接伝えられる機会は多くはなく、貴重な時間だと思っています。

ヨーロッパの国の多くが、大学まで授業料を無料にしていることや、デンマークで12歳までの子どもにテストをすることを禁止していること、鉛筆や消しゴムにいたるまで支給している国があること、などに学生の関心が集まりました。

人間を大切にする社会をつくり、お金に関係なく教育が受けられるようにすることは私のライフワークです。「自らの歴史をつくる主体として生きる」(ユネスコ学習権宣言)ための教育が実現できれば、すばらしいことです。

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