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過大な需要予測でダム建設をおこなってきた福岡県政

2月の予算特別委員会、9月の決算特別委員会で、ダムに関連する水問題を取り上げましたので、報告します。これまで、党県議団が福岡県政の「ムダづかい」の筆頭に上げてきたのが、巨大ダムです。福岡県は、1978年の大渇水を経験しており、水源開発については歓迎する県民世論がありました。これを最大限に利用し、県は、第4次ウォータープラン(基準年1993年、目標年次2008年で、2020年を見通す)をたて、過大な需要予測のもと、次々とダム建設を行ってきました。

この計画推進中に、西方沖地震が起こり、プランとは別に、緊急時に備え、党県議団も推進した「北部九州緊急連絡管」(日量5万トン)が建設されました。さらに福岡市は、海水淡水化施設(日量5万トン)もつくりました。日量10万トンはダム3個分に相当します。さらに、使われていない工業用水なども各地に存在しており、これらを広域利用すれば、新たな水源開発をしなくても十二分に水は足りている状態でした。

しかし、巨大ダム計画は全く見直されず、2010年以降完成のダムは、大山ダム、五ヶ山ダム、伊良原ダム、小石原川ダムで総額6000億にも上ります。

各市町村は、県の需要予測にもとづいて、ダムの利水容量を申請し、その量に応じて、ダム建設費と完成後の責任水量(買い取る水)を負担します。多くの自治体は、すでに水は足りていますから、今後新たに配分される責任水量は、水道代に跳ね返ることになり、今でも高い水道料金がさらに値上げされ、家計を直撃することが心配されます。

水道管がないのに、水を買うの?―うきは市の例―

水道料金の値上げのことばかり心配していた私の想定をはるかに超える事態が、うきは市で起こっていました。なんと、うきは市には上水道がないのです。したがって、上水道管もありません。うきは市は、「おいしい水」で有名なところで、9割の世帯が井戸水、1割は簡易水道なのです。

それなのに、小石原川ダム建設の際に、日量5740トンもの水が必要だと申請し、利水団体となっています。担当者からお聞きすると、「最後のダムだ」といわれ、渇水や今後の水需要、人口減少なども考慮したが、日量5740トンの水が必要との「水道水基本計画」になったということです。

水道管がなければ、水は運べませんが、それでも水を買わなくてはならないというのが、「責任水量」の考え方です。使おうが使うまいが、費用負担が発生します。トン当たりの受水費は、各水道企業団によって差があり、例えば田川地区水道企業団はトン当たり65円、京築地区水道企業団は178円です。県南水道企業団の受水単価を仮にトン当たり100円としたら、うきは市の1日の受水費は57万4千円、年間では2億円を超えます。

財政規模162億円、工事負担金24億円、上水道整備283億円

うきは市の財政規模は、2016年度決算で162億円ですが、小石原川ダムの建設負担金は24億円で、2020年から毎年2億円負担です。これから行う上水道整備には、なんと市の財政規模をはるかに上回る283億円が必要と試算されています。

「すぐに接続」10.9%のみ

では、本当に水は必要なのでしょうか。市のアンケート調査では、「すぐに上水道に接続する」は10.9%のみで、「併用しながら」が20.6%、「今の水が使用できなくなれば」が31.9%、「全く考えていない」が33.5%に上ります。わずか10%の世帯では、水道事業は成り立ちません。水の豊かなうきは市が、水に苦しむことになりました。

問題解決のため、県が広域的な調整を

そもそも、このような事態を引き起こしたのは、県が水需要など示しながら策定した水源開発計画が、実態にあっていなかったからです。私は予算特別委員会で、「市町村が水道事業で困難を抱えている場合には、県が真摯に解決のための手立てを考えるべき」「給水実績と配分水量に大きな乖離が生じた際には、配分水量の見直しを」と求め、水道整備室長は、「配分水量について、・・・見直しが必要な場合は、まずは、関係市町村で協議を行い、水道企業団の合意を得て決定される」と答え、見直しの可能性を初めて認めました。そして、県土整備部長も「市町村、企業団からの要請があった場合には、広域的な調整を担う立場からの助言や調整を必要に応じて行う」と前向きの答弁をしました。

ダムの利水・治水の用途変更可能 配分水量変えられる

さらに、政府交渉においても、この問題を取り上げ、国土交通省から「ダムの治水・利水の用途変更が可能」との助言をもらい、決算特別委員会では、ダム用途変更により、利水容量を減らす提案を行いました。水資源対策課長は、「用途の変更を行うには、関係者の間での合意が必要」と答え、その可能性を示唆しました。

過大な需要予測で開発された水資源は、人口減少の中で、さまざまな矛盾を引き起こさざるを得ません。その時に、広域的な調整を行うべき県が、その責任を果たすことが極めて重要です。2回の質問は、県の調整と指導責任について明確に答えたもので、今後に生きるものと確信します。

最後に、先日、農林水産委員会の視察でお会いしたうきは市長から「ご心配をおかけしています。ありがとうございます」とわざわざお礼のご挨拶を受けたことを報告します。県民の困難解決のために、また、無駄な開発を止めるために、これからも頑張りたいと思います。

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