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過大な需要予想に基づくダム開発は必要だったのか

県は、1978年の異常渇水を契機にこれまで水が足りないということで、ダム開発をはじめ、日量5万トンの海水淡水化、さらに2005年の西方沖地震を契機に北九州と福岡を結ぶ緊急導水管事業も供用開始しました。それでも当初のダム計画は見直さず、現在も五ヶ山ダム、小石原川ダム、伊良原ダムと、完成すれば県内で1位、2位、3位となる巨大ダムを建設中です。先日五ヶ山ダムを視察いたしましたが、ほぼ完成に近づいていました。本年度のダム建設予算は292億円にも上っています。これは史上最高ではないでしょうか。途方もない額をまさに湯水のごとくつぎ込んでいるという印象です。しかし、本当に水は足りないのか。我が党は、一貫して、過大な需要予測に基づくダム建設をやめるよう求めてきました。これほどの巨費を投じてダムは必要だったのか、検証が必要であると考えます。

そこで伺います。資料1からは、給水人口が増えているのに、一日最大給水量、年間の全給水量ともに横ばい、むしろ減少傾向にあるとみることができると考えます。この点について県の見解を伺います。また、今後はどのように推移すると予測しておられますか。

─ 県全体でみますと、給水人口は年々増加しておりますが、一日最大給水量及び年間給水量は増減を繰り返しながら、一定の水準で推移をしております。

─ これを水道広域圏ごとに比較しますと、福岡地区及び筑後地区では給水人口の増加に伴って、年間給水量も増加しております。一方、北九州地区及び筑豊地区におきましては、給水人口が減少するに伴って、年間給水量が減少しています。このため、給水人口が増えているのに、年間給水量が減少傾向にあるとは一概には言えないと考えております。

─ また、今後も同様な傾向で推移するものと考えております。

減少とは見ないということですが、この資料で見れば、給水人口は10年間で13万増え、年間給水量は1100万トンへっています。これを需要予測との関係で見てみます。

県が水需給計画を定めた福岡県第4次ウォータープランは、基準年が平成5年(1993年)、目標年次は平成22年(2010年)として作成され、さらに10年後の平成32年を見通しています。この需要予測が基本となって、水資源開発が行われてきたわけです。県は、水需給計画を平成15年に点検し下方修正、さらに平成18年にも検証し下方修正しました。

平成15年の点検は、ダム建設の見直しが全国で行われた中で実施されました。このとき目標年次22年の予測は、下方修正され、1日最大給水量は196万3千トンです。しかし、資料の平成22年実績は156万6千トンです。見込みの79%、2割も少ないです。40万トンも違います。1日40万トンの水を作ろうと思えば、ダムがいくつもいるということになります。

需要予測をするときに基本となる数値は、1人1日最大給水量と給水人口です。15年点検のとき、1人が1日に使う水の量の予測は、平成22年に408リットルと見込みました。しかし、全県的にものすごく節水が進んで、実際には1人326リットルしか使っていない。福岡地区は300リットルを割って294リットルしか使っていない。給水人口の予測はどうだったかというと、平成22年に、481万1000人との予測でした。しかし、実績は表にあるように約467万人。20万人も少ないわけです。いまだに481万人には達していません。1人が使う水の量も、給水人口も、給水量も、すべて需要予測は明らかに過大であったと考えますが、いかがでしょうか。

─ 需要予測についてでありますが、給水人口や一日最大給水量等につきましては、増加の要因として、人口の伸び、給水区域の拡大、給水普及率等の上昇等が考えられます。

─ 給水人口等は、年度により伸びが大きな年と小さな年と、伸びに大きな差が生じてまいりますが、現在、給水区域の拡張を計画している団体は20団体あり、また、水道管の延長など水道事業者の努力による給水普及率の上昇、企業誘致の増大等に伴う需要増大も見込まれることから、平成32年の需要予測については、過大ではないと考えております。

過大な需要予測だったことについて、お答えになっていないと思います。また過大な需要予測先にありきだと思います。県の予測は、これまで、はずれ続けています。こうした過大な需要予測で、巨大なダム建設は必要なかったということを改めて申し上げておきます。

水の供給能力は十分なのではないか

次に各市町村の計画水量との関係です。今回の資料は水道企業団、ダム開発に関連するところだけですけれども、市町村の計画水量は、目標年度によって新規ダム開発分が含まれているところといないところがあるようですが、いずれにしても、計画水量、つまり計画時点での施設能力と実際の給水量には大きな乖離があります。久留米では1日最大給水量の1.76倍、福岡市で1.73倍。平均給水量との比較では実に2倍近い能力を持っているということになります。この数字から見て、すでに水の供給能力は十分といえるのではないでしょうか。お答えください。

─ 水道は人の生活や経済活動を行ううえで、不可欠なライフラインでございますため、水道事業者には水道水の供給ができないという事態は許されません。また、水道は住宅開発や商業施設の立地、企業誘致等をおこなう場合の地域戦略上の重要な要素でありますことから、水道事業者はそれらのための水量の確保も必要でございます。その際、計画取水量は、河川等に水利権を持っておりましても、流況等の変動によりまして、必ずしもその全量が取水できないことがございますため、取水の安定性を見込んで確保すべき水量が設定されているものでございます。

─ それに対しまして、実績一日平均給水量や実績一日最大給水量は、平成25年の時点で実際に給水した量でございますので、先ほど申しました将来必要となる水量のほか、導水時、あるいは送水時の漏水、それから取水した水を浄化する過程での浄水ロスなどは当然含まれていません。

「供給できないことは許されない」と言って、無限に開発することにはならないでしょ。計画水量は何を基準に決めているのか、実績給水量の2倍もの施設能力が必要なのか、お答えください。

─ 2ページの資料でお示しいたしました計画最大取水量でございますが、これは全国共通の水道施設設計指針に基づきまして、計画給水人口に計画一日一人利用水量を乗じて求めた数量に、給水人口の動向や地下水利用の動向などの水需要構造の変化、さらには社会経済の将来動向や都市の発展動向などの地域特性を反映させて算出した需要予測を基礎として決められているものです。

─ この需要予測でございますが、それぞれの自治体におきます企業誘致をはじめとした地域戦略の要素も含めた将来構想を踏まえ、各水道事業者において責任をもって、適切に決定されるとともに、これに応じた施設能力を整備されているものと考えております。

答弁を短くお願いします。

今のお答えですと、県はあまり関与していないという風に聞こえます。しかし、水資源の開発、広域的な利用には県が責任をもっているわけです。どれだけの水が必要なのか、その計画は適切なのかについて、市町村とともに検証、検討することは当然必要です。需要予測のときには、一人一日最大給水量と給水人口をかけ負荷率を考慮していたわけです。最大給水量の2倍もの量はどう考えても大きすぎます。県の過大な水需要計画に基づいて、市町村も過大な計画を立て、実績とは乖離した過大な施設能力を目指している。資料はそういう実態をしめしていると思います。

この計画水量には県南の小石原川ダム分はほとんど反映していないと考えられますので、計画水量はさらに増えるということを指摘しておきます。

無駄なダム開発で水道料金が上がる問題

次に、水道料金の問題です。まず、水道料金の全国平均をお答えください。

─ 上水道の家庭用の水道料金でございますが、一ヶ月に20トン使用した場合、厚生労働省の統計によりますと、平成25年度の全国平均で、3098円となっております。

表を見ますと、本県の市町村ですね、このなかでは全国平均以下は3自治体のみです。大変高い水道料金となっております。これからダムが完成すれば一部施設の廃止や転用があるにしても、水道料金がさらに上がる自治体が出てくるのは必至です。京築地区の自治体が京築地区水道企業団から受ける水の量は、現在の日量9500トンから2倍の1万9000トンになります。人口減少が進み、給水実績も横ばい、そんな中で配分水量が増えれば、当然水道料金は引きあがる。各自治体が大きな負担、配分水量に伴う負担が増えるということについて、県のお考えをお聞きします。

─ いろんな水道事業体、自治体のなかで、今後給水区域を拡張していくという計画をもっております自治体の場合には、水道企業団からの配分水量の増加分に見合う料金収入が、拡張区域の水道利用者から入ることが見込まれますので、必ずしも水道料金が上がるとは限らないと考えております。それからこれまで地下水などの自己水源から取水して自前で上水を製造していた水道事業者が水源を企業団からの受水に切り替えた場合には、受水費は確かに増えますが、その一方でそれまで自前で水道水を製造するために必要であった薬品代とか電気代などの経費は不要になりますので、プラスマイナスを考えますと、必ずしも水道料金の負担が大きくなるものではないと考えております。

すべての自治体で聞き取っていただきたいと思います。例えば、大山ダムができた際、宇美町では、大山ダムの受水によって20%も水道料金が上がりました。筑紫野市の例では、水道料金には転嫁せずに、市がこれを受け持っているわけです。大山ダム受水に伴って8000万円の負担が出ています。いまのところ水道料金には「需要予測が課題過ぎた」ということで、はねかえしていませんけれども、今後、五ヶ山ダムができた際には、さらに3000万円負担が増えるために、水道料金をどうしようかと議論になっています。ムダな水源開発は、住民にも大きな負担を押し付けるものです。「水道は人が生活するうえで不可欠である」と、「だから供給ができないということは絶対に許されない」といわれましたけれども、不可欠なものであるからこそ、安全で安定的で、そしてできるだけ安価に供給しなければならないわけです。水道料金の面からも過大な需要予測による無駄な開発は許されないことを強調しておきます。

これ以上の水資源開発は必要ない

こうした実態から考えて、これ以上の水資源開発は必要ありません。緊急連絡管事業で行った北九州地域の工業用水を転用するなど、広域的な水利用を促進すべきです。ところがダムに水をためるための筑後川水系ダム群連携事業についてもストップしたとは聞いていません。これ以上のダム建設、ダム群連携事業は不必要だと思います。県としての今後の水資源開発についての考えをお聞きします。

─ 今後の水資源開発についてですけれども、水資源は地域や住民の生活、経済・産業活動等を支える基本的な資源として、地域の発展に大きな役割を果たしており、渇水による断水、取水制限が実施されますと、ただちに住民生活や社会経済活動に深刻なダメージを与えることになり、本県は過去大きな渇水を経験してまいりました。安定した水資源の確保等をはかるために、河川水をせき止めて、河川水が豊富な時に水を貯め、水が必要な時に河川に流すダムは有効な対策であり、将来の水需要に対応するため、五ヶ山ダム、伊良原ダム等は、必要であると考えております。ダム建設にあたりまして国の要請などにより、事業の必要性、妥当性等の検証をおこない、国の事業継続の方針決定を受けたうえで進めているところであります。これにより、安定的な水供給をおこない、水に不安のない福岡県づくりを実現してまいりたいと考えております。なお、筑後川水系ダム群連携事業につきましても、本県にとって必要な事業と考えておりまして、この事業は現在、九州地方整備局が検討主体として関係自治体の意見等を聴取しながら、事業の必要性、妥当性の検証がなされているところでございます。

ただ今のお答え、全く納得できません。これまで、水資源の開発は十分行ってきました。

海水淡水化施設は、日量5万トンの能力があるのに、1万トン程度しか作っていません。福岡地区水道企業団は、大山ダムの水が5万2千トン必要だといって開発しましたが、同じ筑後川の水を4万4千7百トン返したわけです。利水安全度を高めるために返しました。水は十分足りています。

さらに言えば、県内の工業用水も余っているし、耶馬渓ダムの工業用水は利用されていないなど、こうした水を広域的、弾力的に利用を行えば、緊急時にも対応できるものとわたくしは考えます。

さきほど質問のあった春日那珂川水道企業団の不正ですが、これも県がきちんと調整機能を持っていれば、利水権を移譲するなどして水の融通はできたはずです。

筑後川ダム群連携は、福岡企業団が利水安全度を高めるためにわざわざ川に返したものを、ポンプアップして、小石原川などにためるというものです。こんな浪費はないと思います。ダム群連携については、国が検証しているということですが、県としても総合的に検証し、建設しないよう強く求め、質問を終わります。

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