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国保についての基本的認識

国保市町村資料.pdf

まず、国保について基本的な認識を伺います。平成25年度末における県内市町村国保の加入世帯は770,594世帯で全世帯の33.5%を占め国保は、国民皆保険制度の要です。被保険者の年齢構成は65歳以上が32.7%を占め、最も病気になりやすいお年寄りを多く抱えているうえ、一人あたりの平均所得が496,000円と極めて低く、手厚い公的支援がない限り成り立たない保険制度です。

小川知事も「財政運営を広域化したり、運営主体を県に変えただけでは解決しない」と本会議で答弁されていますが、その認識は変わっていないか、伺います。

─ 市町村国保においては、高齢者の割合が高く、それによって医療費水準も高くなる一方で、無職者の割合が高く所得水準が低いために保険料収入が得にくい構造となっております。

─ 国保の財政運営の厳しさは、国保が抱えるこうした構造的な問題に起因しているため、財政運営を広域化したり、運営主体を県に変えるだけでは、解決するものではないと考えており、現状においてもその認識は変わっておりません。

被保険者の負担を少しでも軽くするよう市町村に助言、指導を行うべき

国保市町村資料.pdf

その認識は共有するものです。国保の財政運営の厳しさは構造的なものであり、それゆえに、高い保険料という形で被保険者を苦しめてきました。それなのに、県は平成25年4月に市町村国保広域化支援方針を改正して市町村国保の赤字解消に向け繰上げ充用や、一般会計からの法定外繰入れの早期解消を促しています。市町村は、やりくりができなくなって、さらに厳しい財政運営を迫られることは必至です。資料にあるように保険料の値上げはこの5年間で見れば半数の29市町村にのぼります。

平成25年度に一気に保険料を上げ、県内一高くなった飯塚市では、所得208万円の4人家族の場合、保険料は46万5,400円、実に所得の4分の1近くが保険料に消えることになります。これほど高くてははらえませんよ。全国知事会もこの高すぎる保険料を協会健保なみに引き下げるためには1兆円の国庫負担増が必要だと主張しました。国は、国保の広域化が行われる平成30年度をめどに3,400円億の公費を投入するとし、今年度より低所得者の数に応じて1700億円予算措置しています。

そこで伺います。この低所得者対策の財源は、確実に保険料軽減に繋がるよう活用すべきです。県内では、本年度保険料を軽減したのは資料にあるように両政令市のみで、他の市町村では保険料の軽減がまだ実施されていません。1人あたり年額5,000円程度、保険料軽減に活用できる財源が本県にもきます。被保険者の負担を少しでも軽くするよう市町村に助言、指導を行うべきだと思います。見解を伺います。

─ 保険者支援制度は、市町村における低所得者の数に応じて、一定割合を交付するもので、低所得者が多い市町村に対して財政支援を行うものです。

─ 今回の拡充措置により、市町村の国保財政の安定化に一定の効果があるものと考えております。

─ このような財政支援を具体的にどのように活用するかについては、それぞれの市町村で財政状況が異なっていることから、それを踏まえて、個別に判断されるものと考えます。

─ いずれにしましても、結果的には、保険料の伸びの抑制など被保険者の負担軽減が図られていくものと考えております。

「結果的には経験が図られるもの」という他人事のような対応ではなく、低所得者の数に応じて予算措置された財源ですから、負担軽減となるよう県としての指導を強く要望しておきます。

資格証明書の問題

資格書交付状況.pdf

次に資格証明書の問題について伺います。

本県の滞納世帯は15%、122,031世帯にのぼります。うち窓口10割負担となる資格者証の発行は資料にありますように本年度21,503世帯となっています。このほか役場の窓口での留め置きなど保険証が届いていない世帯が約1万世帯あります。合わせると31,000を超える世帯が事実上無保険状態です。

昨年、民医連に加盟している医療機関が調査した結果によりますと経済的事由による手遅れ死亡事例が15件ありました。そのうち7件が無保険者でした。70代の男性は、肺がんで、初診から5日後に死亡。40代非正規雇用無保険者は肝臓がんで初診から3ヵ月後に死亡。また、高血圧の治療ができず、結局脳出血で寝たきりになってしまった例もあると聞きました。無保険者の実態は深刻であり、重症化することで医療費の増大にもつながります。

また資格証明書については、国も「病気など特別の事情がある場合、すみやかに短期被保険者証を交付するように」通知文書等を出しています。

国保広域化支援方針には、事務の共通化の課題として資格証明書なども検証を進め、検討するとあります。生命にかかわる資格証の発行は原則とり止めるべきです。現在2万を超える資格証が発行されていますが「病気など特別な事情」が発生した場合にはすみやかに短期被保険者証を交付するよう、周知も含め市町村を指導すべきと思います。県の見解を伺います。

─ 資格証明書につきましては、滞納者への納付相談の機会の確保のため交付する必要があると考えますが、保険料を1年間滞納した場合でも、特別な事情がある世帯主に対しては交付しないこととなっております。

─ また、資格証明書を交付した後についても、被保険者が医療を受ける必要が生じ、医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合には、短期被保険者証を交付することができるとされております。

─ 資格証明書の運用につきましては、このような制度の趣旨を踏まえ、被保険者が必要な医療を受けられるよう、個別の状況に応じたきめ細かな対応について、保険者に対し引き続き、会議や研修会、市町村を訪問する事務指導を通じて、助言してまいります。

先に申し上げましたが、無保険者、また、経済的事由による深刻な手遅れが発生しており、私は、こうした実態を県としてもつかむ必要があると考えますし、その痛みをもって行政にあたっていただきたい。こうした事態を生まないために「病気など特別な事情がある場合」には、すみやかに短期証を発行するような指導の徹底をお願いします。

国保の財政安定化基金について

次に、国保の財政安定化基金について伺います。

国は「国保の財政リスク」を「分散軽減」する新しい仕組みとして各都道府県に「財政安定化基金」を設置することを決めました。これは介護保険ですでに導入されている「財政安定化基金」と基本的に同じ仕組みです。介護保険においては、この基金を活用することで、一般会計からの繰り入れをさせない仕組みとなっており、同じことが適用されれば国保会計に重大な影響となります。本県の場合、一般会計からの法定外繰入額は平成25年度で45自治体、総額148億円にのぼっています。

そこで伺います。平成30年度以降、納付金を完納できない市町村に対しこの「基金」を活用して貸付を行ない、保険料の値上げで返済することが危惧されます。この点について県の見解を伺います。また、法定外繰入れについては市町村独自の判断にゆだねるべきと思います。あわせてお答えください。

─ 財政安定化基金は、国保財政の安定化のため、給付増や保険料収納不足により財源不足となった場合に、一般財源からの財政補填を行わなくて良いように、都道府県に設置されるものです。このため、市町村が基金の貸付・交付を受けた場合、その返済等の財源については、保険料により賄うことが基本ではないかと考えています。

─ 一方で、市町村国保会計に財源不足が生じた場合に、一般会計からの繰入をすることについては、ご指摘のように、適切な財政運営を念頭に置いたうえで、それぞれの市町村において御判断いただくものであると考えます。

法定外繰り入れについては市町村の判断ということを確認しました。

国保共同運営準備協議会は原則公開すべき

最後に、国保共同運営準備協議会の原則公開についてです。

県の国保共同運営準備協議会が10月26日開催されました。この「準備協議会」は副知事を先頭に県の担当部長、課長、市町村側からは市長会6名、町村会6名から構成され

  1. 納付金の設定
  2. 保険料の標準設定
  3. 県が設置する財政安定化基金の運用
  4. 国保運営方針の作成など

国保の広域化に向けて最も重要な課題を協議します。国保の広域化に関する重要案件は事実上「準備協議会」ですべて決められていくと思います。今回の国保の広域化は国保始まって以来の制度改正であり、「地域医療構想」「医療費適正化計画」と3点セットで医療給付費の抑制をめざす医療改革の核心部分となっています。医療関係者だけでなくすべての県民の生命や健康に関連する国保の「広域化」方針だけにその中身を決めていく「準備協議会」は原則公開すべきと思いますが、県の見解を伺います。

─ 「福岡県国保共同運営準備協議会」につきましては、その内容を公開することにより、会議での自由な意見表明が妨げられたり、県民に誤解を与えるなどして、協議に支障を生じる恐れがあるため、当該協議会において、非公開とされたところです。なお、協議内容につきましては、議事要旨として公開することとしております。

議事要旨の公開は当然です。国保の運営方針を決める国保運営協議会の協議は公開です。重要な中身を決めるものであるからこそ、公開し傍聴や意見陳述ができるようにすべきです。強く要望しておきます。

国保への支援を国に強く求めてもらいたい―保健医療介護部長への質疑

最後に部長に伺います。課長も答弁されましたが、国保が抱えている構造的な問題は国が示している新たな財政投入や仕組みでは解決しないと思います。

全国知事会が要請したように「協会けんぽ」なみの国保料とするためには、1兆円の国費の投入が必要です。国保が発足した時は医療費の45%を国がみていました。発足当時より被保険者の高齢化が進み、低所得者が圧倒的多数となっている国保への支援を国に強く求めていただきたいと思います。改めて部長の答弁を求めます。

─ 市町村国保につきましては、委員ご指摘のとおり、高齢者の割合が高く、それによって医療費水準も高くなる一方で、無職者の割合が高く所得水準が低いために、保険料収入が得にくい構造となっており、市町村国保は、厳しい財政運営を余儀なくされていると、私も認識しております。

─ 今般、国と地方の協議の結果、平成27年度から段階的に公費を追加投入し、29年度以降、毎年約3,400億円の財政支援の拡充を行うとともに、30年度以降も不断の検証を行い、その結果に基づき、必要な措置を講じることが、法律に明記されたところです。

─ したがいまして、県としましても、将来にわたり持続可能な制度の確立と国民の保険料負担の平準化に向けて、国定率負担の引き上げ等財政支援の方策を講じ、今後の医療費の増高に耐え得る財政基盤の確立を図るよう、引き続き国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。

国の支援が決定的ですから、強力な要請をお願いします。併せて部長に要望です。今回、介護保険と同様に県が責任を負う財政安定化基金が設置されます。国は、全国で2,000億円の財政規模を想定しているようです。どう使われるかが重要です。後期高齢者医療の財政安定化基金は保険料の抑制等にも活用されています。基金が被保険者の立場に立って運用されるよう関係機関と協議をしていただくことを強く要望し私の質問を終わります。

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